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閑話・あの人へ報告

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 グラディウス様は、転移結晶を使用し転移していかれた。
 レジーナ様は、グラディウス様が転移していかれた場所を少しの間見つめた後、椅子に腰かける。

「戻っていったわね… リリー悪いけど、少しの間1人にして貰ってもいいかしら?」

 そして、レジーナ様は私から顔を反らしながら、そう言われる。

「…畏まりました。すぐ外で控えておりますので、いつでもお呼び下さい。」

 一礼してから、部屋を退室する。
 扉を閉めると同時に、

「う… う…」

 中からすすり泣く声が聞こえてきた。
 私は扉から離れ、やることを手早く済ましてから戻ってくる。
 そして、いつでもお声がかかってもいいように部屋の前で待機しておく。
 暫くして、お声がかかる。

「リリー、入って来ていいわ。」

「畏まりました。では、失礼します。」

 返事をし、部屋に入る。

「待たせて、ごめんなさい。それで、悪いんだけど、水で濡らした布と新しいお茶をお願いしていいかしら?」

「畏まりました。すぐお持ちしますので、少しお待ち下さい。」

 再度部屋を出て、先程途中まで済ませていた事を終わらせてから戻ってくる。





 少しして、リリーが戻って来る。
 戻ってくるのが早かったから、多分だが、私が泣いている間に、準備だけ済ませていたのだろう。

「レジーナ様、こちらをどうぞ。」

「ありがとう、リリー。」

 濡らした布で、目元を冷やす。
 その間に、リリーは、お茶を淹れてくれる。
 それを飲みながら、軽食をつまみ、お腹を満たす。
 目の腫れも少しは治った気がするので、

「じゃあマリクに、エルマーナの事を報告しにいきましょうか。」

「畏まりました。」

 私はリリーを連れて、あの人の待つ部屋へと戻ってくる。





 あの人は、グラディウスが戻ってきた理由が気になっていたようで、ろくに仕事が進んでいなかった。
 まぁ、それも仕方ないかと、とりあえずグラディウスが戻ってきた理由を説明した。

「それは、本当か!! 本当にエルマーナが目覚めたんだな!!」

 あの人は、目を見開き驚愕しながら確認してくる。

「えぇ、本当よ。それに、この事で、そんな嘘を言う訳ないでしょ?」

「それもそうだな… でも、良かった。本当に良かった…」

 あの人の目からも、涙が流れる。

「それで、エルマーナは、どうやって回復したんだ?」

「え?」

「ん? いやだから、エルマーナは、どうやって回復したんだ? エリクサーを見つけたのか?」

「あ、えっと… ごめんなさい。それを確認するのを忘れていたわ」

「そうなのか… まぁでも、それは帰ってきた時にでも確認すればいいか。それで、2人はいつ戻ってくるんだ?」

「あ、それなんだけど、どうやらすぐには戻って来ないみたいよ。」

 私は、2人が戻ってこない事を話す。
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