不完全な王女と執事の話
目と、手足と、口。人間に備わっていれば本来適切に動く筈の機能がない可哀想な王女。リーベスト・ランクはお部屋の寝台に横たわるだけの日々を過ごしていた。
啜り泣く母、それを窘める父の声。
リーの手に触れる弟の存在。
…それがあったのは15の時まで。
かわりばんこのように現れた不思議な執事との一年間は素敵なもの。美味しい食べ物、頬に触れた花や紅葉の感触。
──姫がずっと願っていたこと。
体の自由を置いて、執事は窓から立ち去った。黒く裂けた口元、生気のない白い肌。
ひとつに纏められた黒い髪、おおよそ姫に仕えるものではない汚れた服。
「…いか、ぁい、で…」
曖昧ながらも発された言葉は、執事の耳に届いただろうか。
ーーーー
使用している素敵なイラストはアイコンメーカーで作成したものです↓
【在庫処分】
https://picrew.me/image_maker/69653/complete?cd=BeEu9wIZl9
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体の自由を置いて、執事は窓から立ち去った。黒く裂けた口元、生気のない白い肌。
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