愛しい王子様、どうか私を愛してください。

長く続いていた人間と魔族の戦争が終わった。

二種族の和平の象徴として、魔族の王子と結婚することになった人間のラティファ。
敵対していた魔族のもとへ嫁ぐにあたり、ラティファは最悪の事態になることも覚悟していた。
しかし、実際に夫となる魔族の王子と会うと、ラティファは肩透かしを食らってしまう。

「君に愛されるように努力する」
敵国の王子はラティファにそう宣言をして、ひたすら優しく接してくれる。
最初こそ油断させるためなのではと疑っていたが、ラティファがほだされるのに時間はかからなかった。

単身敵国に嫁いできた人間のラティファをよく思わない者たちからの嫌がらせを受けながら、優しい魔族の夫と共に争いのない平和な時代を作っていこうと心に決める。

彼に心から愛されたいと願いながら。



※他サイトの短編コンテスト用に書いたお話です。
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