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第1章 転生
22話 ゴブリン
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魔道具屋を出た後、どこに寄るという事もなく昨日受けた依頼のゴブリン討伐をする為に森へと向かった。
森の入り口に到着すると【マップ】を開き周囲の安全を確認しながら奥へと進み始める。
途中で森の掃除屋であるスライムを見つけたので気づかれないように迂回して森の奥へと進んで行く。
奥へ奥へと進んでいるとマップに赤い点が表示され、それと同時に告知音が鳴る。
キュイッ、キュイッ!
マップに映っていた赤い点の主を確認すると依頼対象のゴブリンだった。
感知範囲に入っているのは3匹、範囲外にもまだいるかもしれないので足音を立てないように、木の陰に隠れながら追跡したが新たな反応は無いので他にはいないと判断した。
川の側まで行くとゴブリン達は水を飲んだ後、Uターンしこちらへ向かって歩きはじめたのでとっさに木の後ろに隠れ息をひそめた。
歩いてくるゴブリンをマップで監視していると、隠れている木の側を通るようなコースを取って歩いてくる。
音を立てないように刀を抜き、木を挟んだ反対側に隠れながら後ろに回り込むと、油断しきっているゴブリンを1匹斬り捨てる。
シュパッ!、ドサッ
ほとんど声を立てずに1匹目のゴブリンは動かなくなった。
倒れる音を聞いてすぐ前を歩いていた奴が振り返り、木の棒を振り上げて向かってくる。
「グゲッ!」
振り回す棒を気にせずに2匹目をそのまま袈裟懸けに切り倒すと、それを見た3匹目が空に向かって叫んだ。
「ゲギャギャギャギャーーーー!」
走り寄りながら刀を左から右に振り、ボロボロのショートソードを持っていたゴブリンの腕を切り落とし、その流れで動きが止まった相手にとどめを刺した。
倒したゴブリン3匹とボロボロのショートソードを拾ってアイテムボックスに入れ、他に何か落ちていないか確認していると再びアラートがなった。
キュイッ、キュイッ!
マップを見ると複数の光点が真っ直ぐにこっちに向かってくる。
ガサガサ、パキッ
後続のゴブリンだ、草木をかき分け近づいて来る集団を見るとその手にはソード、棍棒それと・・・フライパン?
襲った冒険者が持っていたものを拾ってきたのだろう、調理器具を手に持っている奴もいた。
(しかしフライパンはないだろ! お笑いカンフー映画じゃないんだから)
刀を抜き、正面のゴブリンに向かって行く。
「オオオォリャーー!!」
雄叫びをあげながら走って行き、ぶつかりざまに前蹴りで先頭を蹴り飛ばし動きが止まったその後ろの2匹を一気に切り倒す。止まっていると危ないので後続のゴブリン達の間を刀を振りながら走り抜ける。
ゴブリンの叫び声や周りの音の中、【ナビゲーター】の音声が聞こえていたのだが、忙しすぎて聞き流してしまった。
ガツン!、ボフ
戦いの最中、ジンは背中や腕を殴られた痛みを感じたが、剣や斧といった武器の攻撃ではないのでそのまま戦闘を続けた。
ゴブリン達を切り倒しながら走り抜けると、ダメージを受けなかったゴブリンが後ろから襲ってくるので真ん中を分断した後、右側の集団に切り込んでいく。
直撃を受けないようにして戦ってはいるのだが数が多いので時々切られたり殴られたりしている。
左の手の甲を切られて血が噴き出すが苦痛耐性のおかげで一瞬しか痛みを感じない。
出血しているので治療をしたいのだが、ゴブリンの攻撃が止まないのでそのまま戦い続けるしかない。
ゴブリンがしがみついて来たので刀を持っていない左手で殴りつけ引き剥がしたのだが、その時に先ほど切られた左手の出血が止まっているのが目に入る
(あれ?切られた傷がもう塞がりはじめてる)
受けるダメージより治癒のスピードの方が早い事がわかったので周りを囲まれなければ良し!という戦法に変えて戦い始める。
(さすが1匹見たら30匹はいるというゴブリン、なかなか数が減らないな)
20分近く戦ってようやく半数近くを倒すと一回り大きなゴブリンが前に出てきた。
しかもそいつはロングソードと木製のラウンドシールドを持っている。
思い切り斬りつけるとゴブリンがラウンドシールドでそれを防御する。
しかし壊れかけていたのかラウンドシールドは一振りで真っ二つになった。
「グオッ!」
ゴブリンが切り落とされた盾を見てびっくりしている隙に喉元に突きを2発。
巷でいう二段突きをみまうと見事に決まってゴブリンはその場に崩れ堕ちる。
ヒュー、シュー
倒れたゴブリンの喉から空気が漏れる音がしている。
そいつの左胸をひと突きし止めを刺すと、それを見ていた残りのゴブリン達が一斉に逃げ出した。
リーダー的存在がやられたので逃げ出したのだろうが雑魚を無理に追うことはしなかった。
戦いの跡を見ると沢山のゴブリンの死体や武器が転がっていたのでそれを拾ってアイテムボックスに入れると移動を始めた。
来た道を急いで戻っていると途中に薬草を探索範囲に見かけたり、スライムや何かの小動物も見かけたが、倒したゴブリン達の血の臭いにつられてどんな魔物が寄ってくるか分からなかったので寄り道をせずに出口へと真っ直ぐ向かった。
森から出ると安心したのか腹の虫が大合唱を始めたので急いで町へと向かった。
北門を入るとすぐ目の前の広場には数件の屋台が出ていたので、その中で一番いい匂いをさせている店の椅子に腰掛ける。
「いらっしゃい! きょうは苦戦したのかい?」
と、店主は自分の左手の袖を指差しながら聞いてきた。
自分の格好を見ると、左手の袖は魔狼に噛み付かれたりゴブリンに切られたりしたのでボロボロになっていた。
お気に入りだったのでちょっと悲しかったが、それよりも空腹感が優っていた。
「お勧めは何ですか?」
「今日はブラウンベアの肉が入ったからそれにするかい?
ステーキ定食にするとパンとエールを付けて銀貨1枚と大銅貨2枚でいいぞ、どうする?」
(ブラウンベアのステーキか、焼いている匂いが美味しそうでたまらない、初めてだけど食べてみよう)
「じゃあ、それをお願いします」
空いている椅子に座りながら注文した。
すぐにエールが出されたので、それを一口飲むとやっと緊張が解けたのか、急に疲労感を感じた。
(疲れた~~~)
喉が渇いていたので一気にぬるいエールをのみほし、待っているとブラウンベアのステーキがやって来た。
「外はがっつり焼けてるけど中はレアでうまいぞ、うちは直火じゃなくて鉄板で焼いてるからな」
そう言ってテーブルの上にステーキを置いたので早速ナイフで切って一口放り込む。
焼き加減が絶妙なのか肉汁が溢れ、味もしっかりしている。
一緒に出されたパンの水分が少なかったが肉汁を染み込ませて食べると絶品だった。少し残念なのはステーキを噛み続けると味がちょっとくどいのと香辛料が殆んど使われていなかったので僅かな臭みが気になることだった。
肉を食べ終わると、残った肉汁を追加でもらったパンに付けて食べながらアイテムボックスに入れているゴブリンと拾った装備を確認しはじめる。
ゴブリン 43
ホブゴブリン 3
ゴブリンメイジ 1
ゴブリンファイター 1
劣化したロングソード 3
ショートソード 5
劣化したダガー 4
見習い魔法使いの杖 1
(そんなに沢山の種類がいたっけ?)
結構倒したやつを回収した記憶はあるがデカイやつ以外は倒した記憶が殆んどなかった。
そういえば最初に突っ込んで行って抜けた最後尾にいた杖を持った奴がいたな程度で他の奴は全く思い出せない。
(結局ガチでやりあってしまったな。普通の初心者なら命がいくつあっても足りないよな)
そう思ったが、反省する気など全くないジンであった。
森の入り口に到着すると【マップ】を開き周囲の安全を確認しながら奥へと進み始める。
途中で森の掃除屋であるスライムを見つけたので気づかれないように迂回して森の奥へと進んで行く。
奥へ奥へと進んでいるとマップに赤い点が表示され、それと同時に告知音が鳴る。
キュイッ、キュイッ!
マップに映っていた赤い点の主を確認すると依頼対象のゴブリンだった。
感知範囲に入っているのは3匹、範囲外にもまだいるかもしれないので足音を立てないように、木の陰に隠れながら追跡したが新たな反応は無いので他にはいないと判断した。
川の側まで行くとゴブリン達は水を飲んだ後、Uターンしこちらへ向かって歩きはじめたのでとっさに木の後ろに隠れ息をひそめた。
歩いてくるゴブリンをマップで監視していると、隠れている木の側を通るようなコースを取って歩いてくる。
音を立てないように刀を抜き、木を挟んだ反対側に隠れながら後ろに回り込むと、油断しきっているゴブリンを1匹斬り捨てる。
シュパッ!、ドサッ
ほとんど声を立てずに1匹目のゴブリンは動かなくなった。
倒れる音を聞いてすぐ前を歩いていた奴が振り返り、木の棒を振り上げて向かってくる。
「グゲッ!」
振り回す棒を気にせずに2匹目をそのまま袈裟懸けに切り倒すと、それを見た3匹目が空に向かって叫んだ。
「ゲギャギャギャギャーーーー!」
走り寄りながら刀を左から右に振り、ボロボロのショートソードを持っていたゴブリンの腕を切り落とし、その流れで動きが止まった相手にとどめを刺した。
倒したゴブリン3匹とボロボロのショートソードを拾ってアイテムボックスに入れ、他に何か落ちていないか確認していると再びアラートがなった。
キュイッ、キュイッ!
マップを見ると複数の光点が真っ直ぐにこっちに向かってくる。
ガサガサ、パキッ
後続のゴブリンだ、草木をかき分け近づいて来る集団を見るとその手にはソード、棍棒それと・・・フライパン?
襲った冒険者が持っていたものを拾ってきたのだろう、調理器具を手に持っている奴もいた。
(しかしフライパンはないだろ! お笑いカンフー映画じゃないんだから)
刀を抜き、正面のゴブリンに向かって行く。
「オオオォリャーー!!」
雄叫びをあげながら走って行き、ぶつかりざまに前蹴りで先頭を蹴り飛ばし動きが止まったその後ろの2匹を一気に切り倒す。止まっていると危ないので後続のゴブリン達の間を刀を振りながら走り抜ける。
ゴブリンの叫び声や周りの音の中、【ナビゲーター】の音声が聞こえていたのだが、忙しすぎて聞き流してしまった。
ガツン!、ボフ
戦いの最中、ジンは背中や腕を殴られた痛みを感じたが、剣や斧といった武器の攻撃ではないのでそのまま戦闘を続けた。
ゴブリン達を切り倒しながら走り抜けると、ダメージを受けなかったゴブリンが後ろから襲ってくるので真ん中を分断した後、右側の集団に切り込んでいく。
直撃を受けないようにして戦ってはいるのだが数が多いので時々切られたり殴られたりしている。
左の手の甲を切られて血が噴き出すが苦痛耐性のおかげで一瞬しか痛みを感じない。
出血しているので治療をしたいのだが、ゴブリンの攻撃が止まないのでそのまま戦い続けるしかない。
ゴブリンがしがみついて来たので刀を持っていない左手で殴りつけ引き剥がしたのだが、その時に先ほど切られた左手の出血が止まっているのが目に入る
(あれ?切られた傷がもう塞がりはじめてる)
受けるダメージより治癒のスピードの方が早い事がわかったので周りを囲まれなければ良し!という戦法に変えて戦い始める。
(さすが1匹見たら30匹はいるというゴブリン、なかなか数が減らないな)
20分近く戦ってようやく半数近くを倒すと一回り大きなゴブリンが前に出てきた。
しかもそいつはロングソードと木製のラウンドシールドを持っている。
思い切り斬りつけるとゴブリンがラウンドシールドでそれを防御する。
しかし壊れかけていたのかラウンドシールドは一振りで真っ二つになった。
「グオッ!」
ゴブリンが切り落とされた盾を見てびっくりしている隙に喉元に突きを2発。
巷でいう二段突きをみまうと見事に決まってゴブリンはその場に崩れ堕ちる。
ヒュー、シュー
倒れたゴブリンの喉から空気が漏れる音がしている。
そいつの左胸をひと突きし止めを刺すと、それを見ていた残りのゴブリン達が一斉に逃げ出した。
リーダー的存在がやられたので逃げ出したのだろうが雑魚を無理に追うことはしなかった。
戦いの跡を見ると沢山のゴブリンの死体や武器が転がっていたのでそれを拾ってアイテムボックスに入れると移動を始めた。
来た道を急いで戻っていると途中に薬草を探索範囲に見かけたり、スライムや何かの小動物も見かけたが、倒したゴブリン達の血の臭いにつられてどんな魔物が寄ってくるか分からなかったので寄り道をせずに出口へと真っ直ぐ向かった。
森から出ると安心したのか腹の虫が大合唱を始めたので急いで町へと向かった。
北門を入るとすぐ目の前の広場には数件の屋台が出ていたので、その中で一番いい匂いをさせている店の椅子に腰掛ける。
「いらっしゃい! きょうは苦戦したのかい?」
と、店主は自分の左手の袖を指差しながら聞いてきた。
自分の格好を見ると、左手の袖は魔狼に噛み付かれたりゴブリンに切られたりしたのでボロボロになっていた。
お気に入りだったのでちょっと悲しかったが、それよりも空腹感が優っていた。
「お勧めは何ですか?」
「今日はブラウンベアの肉が入ったからそれにするかい?
ステーキ定食にするとパンとエールを付けて銀貨1枚と大銅貨2枚でいいぞ、どうする?」
(ブラウンベアのステーキか、焼いている匂いが美味しそうでたまらない、初めてだけど食べてみよう)
「じゃあ、それをお願いします」
空いている椅子に座りながら注文した。
すぐにエールが出されたので、それを一口飲むとやっと緊張が解けたのか、急に疲労感を感じた。
(疲れた~~~)
喉が渇いていたので一気にぬるいエールをのみほし、待っているとブラウンベアのステーキがやって来た。
「外はがっつり焼けてるけど中はレアでうまいぞ、うちは直火じゃなくて鉄板で焼いてるからな」
そう言ってテーブルの上にステーキを置いたので早速ナイフで切って一口放り込む。
焼き加減が絶妙なのか肉汁が溢れ、味もしっかりしている。
一緒に出されたパンの水分が少なかったが肉汁を染み込ませて食べると絶品だった。少し残念なのはステーキを噛み続けると味がちょっとくどいのと香辛料が殆んど使われていなかったので僅かな臭みが気になることだった。
肉を食べ終わると、残った肉汁を追加でもらったパンに付けて食べながらアイテムボックスに入れているゴブリンと拾った装備を確認しはじめる。
ゴブリン 43
ホブゴブリン 3
ゴブリンメイジ 1
ゴブリンファイター 1
劣化したロングソード 3
ショートソード 5
劣化したダガー 4
見習い魔法使いの杖 1
(そんなに沢山の種類がいたっけ?)
結構倒したやつを回収した記憶はあるがデカイやつ以外は倒した記憶が殆んどなかった。
そういえば最初に突っ込んで行って抜けた最後尾にいた杖を持った奴がいたな程度で他の奴は全く思い出せない。
(結局ガチでやりあってしまったな。普通の初心者なら命がいくつあっても足りないよな)
そう思ったが、反省する気など全くないジンであった。
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