銀色の粉雪

 銀色の粉雪。それは、動物の姿を借りて村に降りてきた竜神が、その時世話になった者へと贈る、小さな奇跡の恩返し。

 これは、竜神伝説の残る、山奥の名も無き村で起こる、親娘二代にまたがって繰り広げられる、竜神と銀色の粉雪の物語。

 村に住む少年「冬弥(とうや)」は、ある日山で怪我をして動けなくなっていた狐を保護する。
 しかし、村には山の動物を連れ込むことを禁止する掟があり、冬弥は村の者に狐を見捨てる選択を強いられてしまった。
 それに腹を立てた冬弥は、狐を連れて村を出て行ってしまう。

 冬弥の物語では、少年時代の竜神伝説の物語から、冬弥が父親になるまでの物語が語られています。
(冬弥編は、後編にあたる「美冬(みふゆ)」編の伏線的な物語になっています)
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