27 / 117
27話
しおりを挟む
始めに異性に手作りのお菓子を渡すと考えて……これは果たして手作りと言えるのだろうかとも考えてしまう。
緊張して胸の鼓動が高鳴るけど、実際は一瞬で完成したのよね。
私のスキルによって一瞬でできたクッキーを見て驚いているレーリアに、私はクッキーの乗ったお皿を見せて。
「どうぞ召し上がってください……お、お口に合えばよろしいのですが」
つい敬語になってしまったけれど、私の発言を聞いたレーリアは微笑みを浮かべていた。
まさか異性に手作りのお菓子を渡す日がくるだなんて……いや、そもそもお菓子作りに挑戦しようと思って結局しなかったけど。
まずこれは手作りと呼べるのかも解らないけど……いや、私のスキルによるものなんだから、手作りだと私が思えばそれは手作りよ!
「かしこまりました。味見をさせていただきます」
しまった。
目の前にいるから、私は手作りクッキーが完成したと同時に渡そうとしたせいで、私はレーリアに味見をさせようとしていると思われてしまったらしい。
手作りクッキーを異性に渡すシチュエーションで、私が目の前で食べるという考えがなかったせいだ。
それを言うと目の前でクッキーを作ってすぐ完成させていることが、もう普通じゃないわね。
レーリアがクッキーを食べて……私が凝視していると、レーリアは目を見開かせながら驚き。
「これも、とてつもなく美味です。やはりこのスキルは素晴らしい……料理について詳しいアカネ様だからこそですね」
スキルが凄いと言いながらも、私を立てることも忘れていない。
微笑む姿も美しくて、もうレーリアの専属料理人になりたいぐらいだけど……落ち着こう。
「私も1枚……無茶苦茶美味しい!」
あまりの美味しさに、もうそれ以外の言葉がでなくなってしまう。
私が普通に作ったら、絶対にこの美味しさは出せないはずだ。
魔力のある食材だからなのか。作ったばかりで暖かいからなのか。分量がスキルのお陰で完璧だからなのか。
口の中に入ったと同時に溶けてなくなるほどで、あまりの美味しさにクッキーのことばかり考えてしまった。
何枚でも食べてしまう。
今まで食べたクッキーとは比べ物にならないぐらい美味しい。
大げさな気がするけれど、体が軽くなっているような気がして……不安になるほどだった。
「アカネ様。かなり驚かれている様子ですが……体に変化がありましたか?」
私の様子を見て心配した様子でレーリアが尋ねてくれるけど、気遣いが完璧ね。
変化があったのは事実だから、私は体感したことをそのまま伝える。
「なんだか体が軽くなったような気がするけれど……これも食材による魔力のせいかしら?」
「……見たところ、アカネ様は少し疲れていた様子でした。それがクッキーを食べ始めてから、急激に元気になった気がします」
疲れた時には甘い物を食べるのがいいとは聞くけれど、このクッキーは疲労回復効果がとてつもないようだ。
今まで料理を食べた時はあまり疲れていなかっただけで、もしかしたら他の料理を食べても回復効果があるのかもしれない。
レーリアが言うには魔力や身体能力を高める効果もあるみたいだし……このクッキーのを食べた時に回復するのだとしたら、回復や強化効果のある料理を、私は作れてしまうのだろうか?
これなら……旅で食事以外にも、レーリアの役に立てるかもしれない。
今からはのんびり港町に向かうみたいだから、私はレーリアとこのスキルについて詳しく話しておきたかった。
緊張して胸の鼓動が高鳴るけど、実際は一瞬で完成したのよね。
私のスキルによって一瞬でできたクッキーを見て驚いているレーリアに、私はクッキーの乗ったお皿を見せて。
「どうぞ召し上がってください……お、お口に合えばよろしいのですが」
つい敬語になってしまったけれど、私の発言を聞いたレーリアは微笑みを浮かべていた。
まさか異性に手作りのお菓子を渡す日がくるだなんて……いや、そもそもお菓子作りに挑戦しようと思って結局しなかったけど。
まずこれは手作りと呼べるのかも解らないけど……いや、私のスキルによるものなんだから、手作りだと私が思えばそれは手作りよ!
「かしこまりました。味見をさせていただきます」
しまった。
目の前にいるから、私は手作りクッキーが完成したと同時に渡そうとしたせいで、私はレーリアに味見をさせようとしていると思われてしまったらしい。
手作りクッキーを異性に渡すシチュエーションで、私が目の前で食べるという考えがなかったせいだ。
それを言うと目の前でクッキーを作ってすぐ完成させていることが、もう普通じゃないわね。
レーリアがクッキーを食べて……私が凝視していると、レーリアは目を見開かせながら驚き。
「これも、とてつもなく美味です。やはりこのスキルは素晴らしい……料理について詳しいアカネ様だからこそですね」
スキルが凄いと言いながらも、私を立てることも忘れていない。
微笑む姿も美しくて、もうレーリアの専属料理人になりたいぐらいだけど……落ち着こう。
「私も1枚……無茶苦茶美味しい!」
あまりの美味しさに、もうそれ以外の言葉がでなくなってしまう。
私が普通に作ったら、絶対にこの美味しさは出せないはずだ。
魔力のある食材だからなのか。作ったばかりで暖かいからなのか。分量がスキルのお陰で完璧だからなのか。
口の中に入ったと同時に溶けてなくなるほどで、あまりの美味しさにクッキーのことばかり考えてしまった。
何枚でも食べてしまう。
今まで食べたクッキーとは比べ物にならないぐらい美味しい。
大げさな気がするけれど、体が軽くなっているような気がして……不安になるほどだった。
「アカネ様。かなり驚かれている様子ですが……体に変化がありましたか?」
私の様子を見て心配した様子でレーリアが尋ねてくれるけど、気遣いが完璧ね。
変化があったのは事実だから、私は体感したことをそのまま伝える。
「なんだか体が軽くなったような気がするけれど……これも食材による魔力のせいかしら?」
「……見たところ、アカネ様は少し疲れていた様子でした。それがクッキーを食べ始めてから、急激に元気になった気がします」
疲れた時には甘い物を食べるのがいいとは聞くけれど、このクッキーは疲労回復効果がとてつもないようだ。
今まで料理を食べた時はあまり疲れていなかっただけで、もしかしたら他の料理を食べても回復効果があるのかもしれない。
レーリアが言うには魔力や身体能力を高める効果もあるみたいだし……このクッキーのを食べた時に回復するのだとしたら、回復や強化効果のある料理を、私は作れてしまうのだろうか?
これなら……旅で食事以外にも、レーリアの役に立てるかもしれない。
今からはのんびり港町に向かうみたいだから、私はレーリアとこのスキルについて詳しく話しておきたかった。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4,247
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる