塞ぐ

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 耳を塞ぎたい。口を塞ぎたい。目を塞ぎたい。そして、心の傷を塞ぎたい。

 主人公の瀬川華那(せがわはるな)は美術部の高校2年生である。
 華那は自分の意思に反して過去のトラウマを度々思い出してしまう。

 華那の唯一の異性の友人である清水雪弥(しみずゆきや)。
華那は不器用な自分とは違って、器用な雪弥のことを心底羨ましく思っていた。

 五月十五日に、雪弥が華那が飼っている猫たちに会うために自宅に遊びにきた。
 遊びにくる直前に、雪弥の異変に気づいた華那は、雪弥のことをとても心配していたのだが……。思いの外、楽しい時間を過ごすことができた。

 ところが。安堵していたのも束の間、帰り際になって、華那と雪弥の二人の間に不穏な空気が徐々に流れ出す。
 やがて、雪弥は自分の悩みを打ち明けてきて
──?


 みんな、異なる悩みを抱えていて、独りぼっちでもがき苦しんでいる。
 誰かと繋がることで、凍ってしまった心がほんの少しずつでも溶けていったらどんなに良いだろうか。

 これは、未だ脆く繊細な10代の彼女たちの灰色、青色、鮮紅色、そして朱殷(しゅあん)色が醜くこびりついた物語だ。





※この小説は、『小説家になろう』・『カクヨム』・『エブリスタ』にも掲載しています。
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