沈んでは弾ける魂
カメラで風景やふとした人間の姿を撮ることが趣味であり、仕事である泡瀬。カメラは広い広い世界から自分の感性を切り取るもの。それは彼の口癖であった。平日は仕事漬け、休日は趣味としてまたカメラ。そんな変わらぬ平穏な日常を過ごしていた合わせだが、ある一件の依頼によってそれはひっくり返ることとなる。依頼を受けた夫婦の息子の七五三を記念した写真撮影。写真の中で幸せそうに映る妻ー砂絵に目を凝らすとシャツの裾から痛々しい痣がのぞいていた。カメラで切り取った感性を映し取ったような砂絵に見惚れてしまった泡瀬は夜逃げ同然で砂絵を連れ出す。カメラを手に、砂絵という自分の感性の鏡と毎日暮らし続ける幸せな日々。そんな日々は突然に終わり、泡瀬はショックで記憶を失うことになる。彼が再びカメラを手に取った時、死後の世界を泳ぐ時、予想もできないような奇跡が起こる。二人の愚かながらも儚げで美しい人生を描いた、輪廻転生の物語が今ここに始まる。
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