【短編版】謙虚な剣聖令嬢の剣が早すぎて見えない件。〜え?追放ですか?お役に立てずすいません。お詫びに魔王を瞬殺してきます〜

魔王討伐の為、国王の元へ召集された勇者とその仲間達。その中の一人、謙虚な剣聖クラリネッタ・フォーテルミナは国王お墨付きの少女だった。

クラリネッタは騎士や冒険者ではなく伯爵令嬢だが、何度も村を守ってきた英雄。尊敬の意を込めて剣聖と呼ばれている。

「こやつがおれば、魔王などちょろいぞ!」

そんな国王のクラリネッタに対する並々ならぬ高い評価に、期待する勇者達。

だがモンスターを前にしても一切剣を抜かない彼女を見て、勇者がキレる。

「おい、いつになったら剣を抜くんだ!」
「もう何度も抜いています」
「敵は全部俺達が倒してる!」
「そう見えるかもしれませんが、実は私の初撃で既に死んでいるのです。すみません」
「そんな話が信じられるか!」

事実を言っても信じてもらえず、役立たずの烙印を押されて追放されるクラリネッタ。

「お役に立てずすいません。ところで私達の目的は魔王討伐でしたよね?ならばせめてものお詫びに、私が魔王を倒して参ります」

「何をふざけた事を......!」

勇者達は彼女を相手にしなかった。だが翌日、国中に衝撃のニュースが流れる。魔王がクラリネッタによって倒されたと。

真に役立たずの烙印を押されたのは、勇者達。その後の彼らの運命は、とても惨めなものとなる。

一方クラリネッタは、もてはやされながらも謙虚を貫いて行くのだった。



表紙画像はイラストACより、イラストレーター「I」様の著作権フリーイラストです。
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