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「父様ずる~いリンも一緒に寝る~っ!!」
俺は兄姉の中の声であの空間から現実に戻されたようだ。
声から聞くと女の子の様で良く自分の名前を出すから覚えている姉の声だ。3歳か4歳位だろうか俺の上になる姉のようだ。
「う~ん…リン……カイトが起きてしまうよ…」
勇樹が……ユリウスが目を覚ましたようだ…姉の声で俺と一緒に戻されたんだろう。ユリウスはユリーナのベッドで眠っていた体を起こし俺の赤ん坊の頬を指で撫でていたそして日本語で…
『まだ、一緒に居たかったな…。』
名残惜しそうに俺の赤ん坊の耳許で話をしたユリウスその側をギシギシとベッドに上りユリウスの側に姉のリンが座りだした。
「父様カイちゃんお目目見えるの?」
「少しボンヤリと見えている筈だよ」
確かに少し大きい人影と小さい人影が見えるな、俺はまだ声が出ないため顔で笑うことにした。
「あ~カイちゃんリンを見て笑った!」
「ハハハハそうだね、もしかしたら父様に笑ったかも」
おい、勇樹…いやユリウスそこは子供に譲れよ。俺は早く目が見えないかなと待ち遠しく、自分のカイトの容姿も気になるがユリウスの容姿も気になる…勇樹が自慢にユリウスがモテモテと言っていたからな…リンの姉も気になるし他の兄や姉も……そして兄2人が一番に気になる処だが…俺が考え事をしているとユリーナ母さんが側に来たようだ。そしてユリウスにチュッとキスをしている音が聞こえてきた。
「旦那様カイちゃんをベッドに戻しましょうか!?」
「ああ、そうだね」
ユリウスは赤ん坊のカイトを抱っこをしてチュッと頬にキスをして、ベビーベッドに戻された。そしてベビーベッドの周りを兄と姉が囲んでいた。
「いや~んカイちゃん可愛い~っ、早く大きくならないかな」
「大きくなったら、僕とお風呂で泳ごう」
「ショーンお兄様お風呂は泳ぐ所では在りませんわ。」
兄と姉の会話を聞くのはとても楽しい、特にショーンと言う名前の兄と突っ込みを入れてくるこの姉の会話でほっこりと和んでしまうな。
コンコン扉を叩く音が聞こえ聞き慣れた二人の声が聞こえてきた
「父様、母様、皆来ていたんだね」
「カイトに触っても良い?お父様、お母様!」
勇樹の遺伝子が強いと思う兄2人が部屋に入って来た。



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