イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。

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指輪。

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かざね「もー・・来てたなら言ってくれたらよかったのに。」




演奏が終わったかざねは、俺に気づいて駆け寄ってきた。



千秋「きれいな『音』だった。」

かざね「電子だから狂わないしね。」

千秋「でもなんか違ったような気がしたけどな。」

かざね「そう?」





話をしながらもショッピングモールを歩き続ける。




かざね「あ、ちーちゃんはどこに行きたかったの?まだ行ってない?」

千秋「まだ。これから行こうと思って探してる。」

かざね「何屋さん?」

千秋「えーと・・・あ、あった。」




かざねの手を引いて歩いていく。

そのお店は・・・




かざね「ジュエリーショップ!?」

千秋「結婚指輪な。見るだけでもいいし。」

かざね「や・・早くない!?」

千秋「何言ってんだよ、あんな曲弾いときながら。」

かざね「~~~っ!」




俺はかざねの手を引きながら店に入った。

ショーケースの中にたくさんの指輪が並んでるのが見える。

どれも二つずつだ。




店員「いらっしゃいませ。指輪をお探しですか?」

千秋「結婚指輪ってどれがいいんですか?」





俺の問いに、店員はいくつか指輪を取り出してくれた。




店員「こちらがシンプルな結婚指輪ですね。・・・こちらは外側に小さい石を埋め込んでるもの。・・・こちらは内側に石を埋め込んでるものになります。」

千秋「へぇー・・色々あるんだな。・・・かざねは?どんなのが好き?」




そう言ってかざねを見ると、じーっとショーケースの中を見ていた。

見てる先にあるのはちょっとウェーブがかったデザインの指輪だ。




千秋「・・・それがいいのか?」

かざね「えっ・・?あ、いや・・・。」

千秋「言葉にしないとわかんないぞ?」



そう言ってみたけど、かざねはハッキリ言わなかった。



かざね「なんでもないよ。・・・たくさんあってすごいね。」




いろんなショーケースを覗きだしたかざね。

その動きを見ていたけど、何回かさっきの指輪を覗きに行ってた。




千秋(あのデザインが好きなのか。)

店員「よかったら指につけてみませんか?」

かざね「えっ!?」

千秋「あぁ、いいな。指にはめてみろよ、かざね。」




かざねに勧めたけど、かざねは両手を自分の背中に隠した。



かざね「いっ・・・いいっ。」

千秋「・・・なんで?」

かざね「ゆ・・・指輪っ・・・したことない・・から・・。」





顔を赤くしながらうつむくかざね。




店員「あら、それでしたら彼にはめてもらったらどうですか?」

千秋「え?」

かざね「へ?」

店員「初めての指輪をはめてくれた彼と一生一緒にいる・・・素敵だと思いますよ?」




かざねは左手を自分の前に出した。

じーっと指を見てる。



千秋「それ、いいですね。指輪をお借りしても?」

店員「もちろん。サイズもお調べしないといけませんしね。ちょっと指を見せていただけますか?」

千秋「ほら、かざね。」

かざね「・・・。」




かざねは渋々近づいてきた。

店員さんに左手を差し出す。



店員「5か6か・・・ですね、7をお出しします。多少大きくてもキツいよりはいいでしょう?」

千秋「たしかに。」




そう言って店員は奥に入っていった。




かざね「あのね・・・?」

千秋「うん?」

かざね「鍵盤を傷つけられないから・・・つけれないよ?」

千秋「家にいるときだけでいいよ。」

かざね「そう・・・?」




かざねとそんな話をしてると、店員が指輪を持って戻ってきた。



店員「お待たせしました。どうぞ。」

千秋「お借りします。」




店員はご丁寧にもかざねが見ていたデザインの指輪を持ってきた。




かざね「あ・・・それ・・・。」

千秋「これ、気になってるんだろ?ちょうどいいから指に入れてから悩みな。」




ケースから指輪を取る。

小さい小さい輪っかは指に通るのか不安だったけど、左手でかざねの手を取ると、指がとてつもなく細いことに気がついた。




千秋「なんか・・・緊張する・・・。」



かざねの薬指に指輪をはめるだけなのに、なぜかドキドキした。

まるで・・・結婚式のようだ。




かざね「ちーちゃん?」

千秋「一生・・・よろしくな。」




そう言って、かざねの指に指輪をはめた。

ちょっと大きい指輪。

ウェーブのところが厚みがあって、細い指によく似合ってる。




かざね「わ・・・きれい。」

千秋「ちょっと大きいだろ?」

かざね「うん。」



指をひらひらさせながら見てるかざね。



千秋「決まりだな。」


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