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慶さんにはナイショ。
しおりを挟むかえでside・・・
かえで「結婚式って・・・言ったよね・・?」
慶さんが仕事にいった後姿を見送りながらさっき言った言葉を思い返していた。
かえで「結婚式・・・かぁ・・・。」
式といえば・・・ホテル?
式といえば・・・招待客?
式といえば・・・
かえで「・・・ドレス!!」
一度は憧れる『ウエディングドレス』。
慶さんが式を望んでくれるなら・・・ドレスを着てみたい。
かえで「嘘・・・カタログとか見たくなっちゃうよ・・・。」
でも先走ってドレスとか・・・慶さんに知られたら笑われるかもしれない。
かえで「うー・・・ナイショで見れないかな・・。」
服を着て部屋に戻ろうと廊下を歩いてるとちょうど春斗さんが来たところだった。
春斗さんは部屋の前で立っている。
春斗「お?お嬢、風呂か?」
かえで「うん。さっき慶さん仕事に行ったよ?」
春斗「あぁ、呼ばれてここに来た。今日は買い物あるか?」
かえで「うん。今日のご飯は煮込みハンバーグにしようと思ってて・・・」
春斗「ならひき肉だな?あとは?」
かえで「あとは・・・・」
今から春斗さんは買い出しに行く。
買い出しに行くってことは外に出るってことで・・・
買い出しに行くってことはいつものスーパーに行くってことで・・・
いつものスーパーってことは何でも揃ってるスーパーってことで・・・
何でも揃ってるスーパーってことは本屋さんも入ってるわけで・・・・
かえで「!!・・・わたしもいく!!」
そう言うと春斗さんはものすごく驚いた顔をした。
春斗「・・・はぁ!?ダメに決まってんだろ!?」
かえで「お願いっ・・!本屋さんに行きたいの!!」
春斗さんに詰め寄ってお願いをする。
かえで「欲しい本があるの!それだけ買いに行きたいの!」
春斗「それなら俺が買ってきてやる。なんて本だ?」
ここで春斗さんに買ってきてもらうと、ドレスのことが慶さんにバレてしまうかもしれない。
ここは・・・言い方を考えるしか道は無い。
かえで「・・・『女子のかわいい下着特集』。」
春斗「!?!?・・・・は!?」
うろたえた春斗さん。
かえで「そんなの買えないでしょ?いい年した『お兄ちゃん』なんだしー。」
春斗「・・・あー・・わかった。連れてく。」
かえで「やった・・・!」
春斗「ただし!若に言うからな?」
かえで「!?」
それは困る。
困る上にきっと慶さんは許してくれない。
かえで「・・・だめっ!」
春斗「お嬢ー・・・わかってるだろ?」
かえで「むー・・・。」
春斗「むくれてもダメだ。」
かえで「じゃあリョウさん。」
春斗「え?」
かえで「私がリョウさんに言う。だから慶さんには連絡しないでー・・・。」
春斗「・・・。」
春斗さんは折れてくれたのか、ポケットからケータイを取り出した。
ピッピッ・・っとどこかに電話をかけてる。
かえで「?」
春斗「もしもし?リョウさん?ちょっと電話代わるんで用件聞いてもらえますか?」
かえで「!!」
春斗さんはそのまま私にケータイを差し出してきた。
春斗「ほら。」
かえで「ありがとう!!」
私はケータイを耳にあてる。
かえで「も・・もしもし?」
リョウ「かえでさん?どうかされました?」
かえで「あの・・慶さんってそこにいるんですか?」
リョウ「いえ、今は会議中なので・・・・。」
かえで「!!・・・私、春斗さんと一緒に買い物に行ってきます!」
リョウ「!?・・・それは社長からダメだと言われてませんか?」
かえで「どうしても欲しい本があって・・・」
リョウ「ダメです。」
かえで「『女の子のかわいい下着特集』って本なんですけど・・・代わりにリョウさんが買ってきてくれますか?」
リョウ「!?!?」
電話の向こうでリョウさんが固まったのがわかった。
そんな本、いい年した男の人が買うにはかなり勇気がいることだ。
リョウ「・・・護衛を増やして行ってください。」
かえで「やった・・!ありがとうっ!!慶さんにはナイショにしてくださいね!」
リョウ「・・・わかりました。」
私は春斗さんにケータイを返した。
春斗「・・・はい・・・はい・・・わかりました。じゃあ・・・。」ピッ・・・
春斗さんは電話を切った後、ため息をつきながら私に言った。
春斗「はぁー・・・ちょっと待ってろ。手の空いてるやつ呼んでくるから。」
かえで「うんっ・・!」
離れを出て行った春斗さん。
私は身支度を整えてから離れを出た。
本宅に向かうまでの道で、春斗さんと合流した。
春斗「お嬢っ。」
かえで「あ、春斗さん。支度できたよ?」
春斗「こっちもだ。3人いたから俺とお嬢とで5人で行くぞ。」
かえで「はいっ。」
車を回してもらい、私たちは乗り込んだ。
いつものスーパーについて車を降りると、私を囲うようにして4人が歩く。
かえで「もう大丈夫・・なんだよね?」
慶さんが私に教えてくれた。
元凶は捕まったこと。
翔太も遠いところにいてて戻っては来れない。
なら大丈夫なハズだ。
春斗「若の見合い相手だった女の行方がまだ掴めてないんだよ。」
かえで「・・・あ、あの女の人・・。」
春斗「まぁ・・・なんかできるほどの財力もないと思うし・・大丈夫だと思うけど・・前のこともあるしな。今度は絶対に守るから。」
かえで「・・・ふふ。ありがとう。」
慶さんのことが大好きなみんな。
慶さんが私を好いてくれてるから私も大事にしてもらってる。
いつか・・・お礼をしないと。
春斗「本屋からいくからな?」
かえで「・・・恥ずかしいから外で待っててくれる?」
春斗「!!・・・わかった。」
どこにも寄らずに本屋に向かった私たち。
本屋さんの入り口で4人と別れて、私はお店の中に入った。
大慌てで本を探す。
かえで「えーっと・・・ブライダル関係はっと・・・あった!」
見つけた本や雑誌。
ドレスの特集や式の疑問などが書かれたものをいくつか手に取ってレジに行き会計を済ませる。
店員「お会計3490円です。」
かえで「あの・・紙袋に入れてもらえますか?」
店員「かしこまりました。」
何の本を買ったのか見えないようにしてもらい、私は春斗さんのところに戻った。
春斗「お?もういいのか?」
かえで「うんっ!ありがと!」
春斗「どういたしまして。あとは買い物だな。一緒に行くか。」
かえで「うんうん!」
久しぶりの外。
食料品売り場で必要なものをカゴにいれながら、お菓子を少し入れ、お会計をした。
『ツケ』だから払うことはないけれど、何を買ったのかは記録される。
春斗「・・・なに入れたんだ?さっき。」
かえで「え?」
春斗「お菓子、入れただろ?」
かえで「あぁ、あめだよ?桃の。」
春斗「へぇー・・好きだな、桃。」
かえで「うんっ。」
荷物は全て春斗さんが持ってくれ、私はまた4人に囲まれながら駐車場に戻ってきた。
車に乗り込んで家に帰る。
春斗「また若に怒られるかもなー・・。」
車を運転しながらぼそっと呟いた春斗さん。
かえで「どうして?私が外に出たなんてわからないよ?」
いくら勘のいい慶さんでも、今は仕事中。
私が出かけたことまではわからないはずだ。
春斗「お嬢、これだけは覚えておいた方いい。」
かえで「・・・なに?」
春斗「『若に知らないことは無い。』」
かえで「・・・無い?」
春斗「『無い』。だからバレてることを覚悟しとけ。」
かえで「!?」
春斗さんの言葉で私は一瞬背筋が凍った。
慶さんとの付き合いは、私より春斗さんのほうが長い。
その春斗さんが言うんだから・・・きっと間違いはない。
かえで「う・・うそ・・・。」
春斗「・・・怒らせないように頑張れ。」
かえで「!?!?」
どきどきしながらも車は家に着き、わたしは門のところで下りた。
門番さんがドアを開けてくれ、中に入る。
門番「おかえり、お嬢。」
かえで「た・・ただいま・・・。」
門番「?・・・どうかされました?」
とりあえず慶さんが帰ってきてないかの確認をしたくて、私は門番さんに聞く。
かえで「慶さんって・・・帰ってきました?」
門番「?・・・まだですよ?」
かえで「・・・よかった。」
門番「?」
私は本を隠すために離れに向かって歩き始めた。
春斗「あ、お嬢、あめ忘れてるぞ。」
かえで「ありがとー。」
春斗さんにあめをもらって、私は離れに行った。
本を下着のところに隠して、本宅に向かう。
かえで「煮込みハンバーグだから少し時間がかかるし・・・仕込みしとかないと。」
仕込んだ後に離れに戻って・・・一回お昼寝をして・・・続きを作れば晩御飯に間に合う。
かえで「よし。」
石畳の道を歩いてると、前に慶さんの姿を見つけた。
かえで(・・・慶さん!?)
一瞬どきっとしつつも、私は慶さんに手を振った。
慶「あ、かえで。」
すたすたと私に向かって歩いてくる慶さん。
怒られるのかと思ってドキドキしてしまう。
かえで「ど・・どうしたの・・?」
慶「あぁ、書類忘れちゃってさ。今、リョウが取りに行ってるんだけど・・・せっかくならかえでの顔見てから行こうと思って。」
かえで(危なかったー!!)
慶「・・・・・・かえでは?今から本宅?」
慶さんは私がつけてるネックレスを指で触りながら聞いてきた。
かえで「うん。煮込みハンバーグしようと思って・・・。」
慶「そっか。楽しみにしてる。・・・そろそろ行くね。」
かえで「うん。行ってらっしゃいー。」
慶さんを見送り、私は本宅のキッチンに向かった。
かえで(怒られなかった。・・・やっぱりバレてはいないよ。)
さすがに出かけたことはわからない。
そう確信して、私はご飯の下ごしらえを始めた。
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