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第15話
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「……どうしてドラゴンが……今は魔物の軍勢が迫っているのにどうすればいいのだ……この国は終わりだ……」
城の上空を旋回する巨大な竜を見てフレッドが恐怖感に襲われた。あわあわと慌てて、どうしていいのか分からないようである。体色には金と緑色が混ざってとても優雅な動きで舞っていた。
さらにヴァレンティノ王国には魔物の軍勢が押し寄せてきているのだ。どうしようもないほどに不幸な出来事であると理解して、フレッドは無意識に体が震え出す。
「フレッド落ち着け!あのドラゴン攻撃する様子がないような気がする……」
「なぜそんなことが言えるんだ!アランはドラゴンの言葉がわかるのか?」
慌てる様子をみせるフレッドにアランは冷静になれと声を上げた。そしてドラゴンが、なんだか妙な気がすると言う。フレッドは心の底に渦巻く感情を爆発させた。どうしてお前にそんなことがわかるんだと喧嘩腰で詰め寄ってきた。
「そんなことは俺にはわからない。だけどドラゴンがその気になれば、とっくに王都は焼け野原になっているはずだろ?」
「……そ、それもそうだな……」
アランは諭すような口調に変わって言った。竜がこの国で見境なく暴れまわればどうなるのか?フレッドは思わずはっとなるのである。竜がこの国を破壊する気があれば、すでに王都の美しい街並みは更地化している事だろう。
「ドラゴンは知性がある生き物だ。意思が通じ合うかもしれない」
この世界では、最も賢い生き物は人間ではなく竜だと言われている。言葉が話せなくて暴れて人間を襲う事しかできない魔物と違って、竜は優れた言語能力を持っている。そのような事は、実際には確かめた者はいないが今はその可能性に賭けるしかない。
「アラン無茶なことを言うな!目の前に行って軽く触れられたり、ブレスでも吐かれたら一瞬で死んでしまうぞ!!」
フレッドは親友にやめるように要求した。竜の気分次第でお前なんか間違いなくあの世行きになる。危ないことはやめよ?君がいなくなるなんて耐えられない……切ない顔をして後ろから抱きつくような形でアランに寄りかかってフレッドは止めた。
「しかし、それしか方法がないだろう?今、この王国には魔物の軍勢が迫ってるんだぞ?」
「ま、まさかアラン……ドラゴンを仲間にするつもりか……!?」
「……そう都合よくいけばいいがな……ステファニーの聖女の力が弱まっているのは彼女が認めている。魔物の軍勢に押し寄せられて国は助からないかもしれないと彼女は答えた。それならドラゴンに頼るほかはないんじゃないか?」
城の上空を旋回する巨大な竜を見てフレッドが恐怖感に襲われた。あわあわと慌てて、どうしていいのか分からないようである。体色には金と緑色が混ざってとても優雅な動きで舞っていた。
さらにヴァレンティノ王国には魔物の軍勢が押し寄せてきているのだ。どうしようもないほどに不幸な出来事であると理解して、フレッドは無意識に体が震え出す。
「フレッド落ち着け!あのドラゴン攻撃する様子がないような気がする……」
「なぜそんなことが言えるんだ!アランはドラゴンの言葉がわかるのか?」
慌てる様子をみせるフレッドにアランは冷静になれと声を上げた。そしてドラゴンが、なんだか妙な気がすると言う。フレッドは心の底に渦巻く感情を爆発させた。どうしてお前にそんなことがわかるんだと喧嘩腰で詰め寄ってきた。
「そんなことは俺にはわからない。だけどドラゴンがその気になれば、とっくに王都は焼け野原になっているはずだろ?」
「……そ、それもそうだな……」
アランは諭すような口調に変わって言った。竜がこの国で見境なく暴れまわればどうなるのか?フレッドは思わずはっとなるのである。竜がこの国を破壊する気があれば、すでに王都の美しい街並みは更地化している事だろう。
「ドラゴンは知性がある生き物だ。意思が通じ合うかもしれない」
この世界では、最も賢い生き物は人間ではなく竜だと言われている。言葉が話せなくて暴れて人間を襲う事しかできない魔物と違って、竜は優れた言語能力を持っている。そのような事は、実際には確かめた者はいないが今はその可能性に賭けるしかない。
「アラン無茶なことを言うな!目の前に行って軽く触れられたり、ブレスでも吐かれたら一瞬で死んでしまうぞ!!」
フレッドは親友にやめるように要求した。竜の気分次第でお前なんか間違いなくあの世行きになる。危ないことはやめよ?君がいなくなるなんて耐えられない……切ない顔をして後ろから抱きつくような形でアランに寄りかかってフレッドは止めた。
「しかし、それしか方法がないだろう?今、この王国には魔物の軍勢が迫ってるんだぞ?」
「ま、まさかアラン……ドラゴンを仲間にするつもりか……!?」
「……そう都合よくいけばいいがな……ステファニーの聖女の力が弱まっているのは彼女が認めている。魔物の軍勢に押し寄せられて国は助からないかもしれないと彼女は答えた。それならドラゴンに頼るほかはないんじゃないか?」
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