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2. 次の先生

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 次の先生は、マリアン先生。
私は真っ先に『あの話は眠くなるから止めて欲しい』と伝えたの。驚かれたけれど、何度もする話ではないと言って了承してくれたわ。いい先生ね。
マリアン先生はたくさんの事を教えてくれたわ。宮廷図書館で、たくさんの書物にも触れさせてくれた。こっそりと読ませてくれた、一般庶民向けの恋愛書物は、心躍る物ばかりで憧れてしまったわ。王族ではあるけれど、そんな恋がしたいと思うほどに。

 その先生は、宮廷の奥にある宮廷学院の卒業生で、私にも八歳になる歳に、宮廷学院に通うのですよと教えてくれた。でも、そこは王族と公爵、侯爵、伯爵の令息令嬢しか入学出来ないのですって。
私は思わず聞いてしまったわ。

「それ以外の子は、勉強しないの?」

「そうではありませんよ。学ぶべきが違うだけです。子爵、男爵、庶民が通う学校もありますよ。教会への寄付で運営している教会学校というところがね。」

「質?」

 質が違う?私はますます分からなくなって聞いたわ。

「宮廷学院では、将来国の為、宮廷で働く事を学ぶ場所です。途中で辞めて結婚する人もいますがね。対して、教会学校ではごくごく一般的な、基本的な事を学びます。読み書きに始まり、街中で働く為の極意などですね。」

「私は、宮廷学院に通うのはなぜ?」

「なぜ、と言いますと…?通例だからではないですか?そこで将来政治に携わる人達と交流を深める事も出来ますからね。」

「ふーん…。庶民が通う学校、気になるわね。」

「そうですか?寄付で賄われていますから、このように煌びやかな世界とはほど遠いでしょう。ああいう所へは慈善事業の一環としてある程度の額を寄付する際に見るに留めればいいと思いますよ。」

「でも、私が将来女王陛下になったら、守るべき対象よね?」

「そうですね。」

「だったら、庶民の考えを直に聞けるわよね?の。小さな頃からお友達になれば、本音もたくさん話してくれると思わない?」

「ヴァレリア様は、庶民の考えを聞いてどうされるのですか?」

「もちろん、女王陛下になった暁には、国づくりに役立てるわ!!」

「私は、貴族階級の頂点に君臨する為にも宮廷学院に入学されるのが宜しいかと。」

「マリアン先生?通例だからと、昔からずーっと同じ事をやっていくだけでは発展しないのよ。」

「まぁ、それはそうですけれども…では、陛下にお尋ねになっては如何ですか?まだ八歳になる歳までは時間がありますから、それまではしっかりと帝王学の基礎を学びましょうね。」

「はーい!」

 そうよね。結局はお父様国王陛下が決めるのよね。マリアン先生は頼りになるわ。聞いてみましょう。
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