迷宮最深部から始まるグルメ探訪記

本編第五章：宴会編

あとがき

　本作品を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
　ゴウとウィズの話はこれにて一旦終わらせていただきます。

　私の趣味全開の小説を書きたいと思い、この作品は生まれました。
　私の代表作でもあるドリーム・ライフは戦闘と政治、世界の秘密などいろいろと絡み合った物語で、酒の要素は“ちょっぴり”でした。
　ですので、今回は酒と料理以外の要素をできるだけ排除したものを書いてみたいと思ったのです。

　本作品は私にしては珍しく、プロットがほとんどありませんでした。ざっくり言うと、章単位で数行程度の簡単なもので、六十万文字近い作品でありながら、僅かＡ４一ページ分しかありません。（その分、設定は細かいですが）
　ミリタリーＳＦのクリフエッジシリーズでは、十五万文字程度の作品なのにプロットは二万文字を超えることもあるので、私としてはノープロットで書いたと言ってもいいほどです。
　そのこともあり、当初の予定の四倍近い文章量になってしまいました。楽しかったのでいいのですが、読み返すと冗長な部分が多いなと思っていますし、タイトルの“探訪記”という部分がいまいちマッチしなくなっています。

　今回は書いていて非常に楽しかった半面、結構苦しみました。
　一番の難しかったのは味の描写です。美味い料理や酒をどうやって読者の皆様に伝えるか、そこがとても難しく、何度も書き直しております。それが長くなった原因でもあるのですが(笑)。

　今回出した酒は、ワイン２４種類、日本酒１９種類、ウイスキー１１種類、ビール５種類、その他（ラタフィア）１種類の計６０種類でした。ビールはもう少し出ているのですが、銘柄を言っていないものがあり、それは抜いています。
　よくこれだけでっち上げられたものだと、我ながら感心しています（笑）。

　この作品で一番気に入っているキャラはヒロイン？のウィズです。作者の意思とは関係なく、勝手に成長していきました。
　この他では魔王アンブロシウスもいいキャラでした。魔王軍の面々と一緒にコメディ部分を担当してくれたので、とても書きやすかったですね。

　最初に一旦終わらせていただくと書きました。
　まだ決めていないのですが、続編を考えているからです。
　今考えているのはゴウとウィズを脇役にしたもので、バーテンダーがこの世界に流れてきて、それを二人が助けるという感じです。
　概略プロットを作っているのですが、どんな話にしようかと楽しんでおります。
　また、後日譚のようなものは書こうと思っています。特に魔王については書きたいなと思っていますし、後日譚ではないですが、ジン・キタヤマの話も書きたいと思っています。

　半年以上に渡り、応援してくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。

　それではまた別の作品でお会いできることを楽しみにしております。
　愛山雄町