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ダンサーの陣容
しおりを挟む「ダンサーって何名くらい出られそう?」
「んー、まだ確認中もいるからなんともだけど……全体で十五は固いんじゃないかなー」
頭の中で数えてくれたようだ。
「出たいって希望は多いんだよ。ただ、前のエンサイオの時に日程を伝えてくれたからみんな調整してくれてんだけど、その時点で予定入っちゃってたって人も多くてさあ」
マルガが残念そうな様子なのは、人数が伸びないこともあるだろうが、それ以上に出たいという気持ちが予定によって叶わないことに対する歯痒い思いが故のように見えた。
クライアントや観客への満足度の追及ももちろん考えているが、まずはメンバーの気持ちを想ってしまうのだ。
遠方ということもある。簡単にはいかないと思ってはいたが……。
マルガは全体で、という言い方をした。
これはダンサー全体を指す。スーツスタイルの『マランドロ』、スカートが大きいドレスの『バイアーナ』も含めてだ。
尚、今回はイベントの性質上、『ソルエス』が主役ではない。『ソルエス』の紋章が描かれた旗である『バンデイラ』を司る男女のペアダンサー『カザウ』や、バテリアの女王として君臨する『ハイーニャ』を魅せるといった動きはない。
該当するダンサーは参加できるなら一ダンサーとして混ざることになる。或いはチーム側で用意するスタッフという立ち位置も選択肢になる。
それでも十五名という人数は、少ないわけではないがせっかくだからもう少しいてくれたらいいなと思わせる人数だ。
現地のサンビスタと合同だし、ステージの面積という制限はあるが、目下のところゲスト参加のダンサーの数は限定的で、一方ステージはかなり広いことがわかっている。
「まあ迷ってる人も結構いるからさ。改めて直接訊いてみるよー」
やっぱり心強いと思った。
多分マルガから直接連絡が来て、話をしていたら、迷っていた人なら「出る」って方向に固めてくれるだろうと思わせてくれる、強引さも内包した相手を「巻き込み」「引き込む」勁さを感じた。
それ以上増えてくれるならそれに越したことはない。
十五人だったなら、十五人だったとして。
マルガには可能な限り『ソルエス』の多彩さ、多様さを魅せられる構成にしたいと伝えた。
詳細は内訳を練るビオラとも打ち合わせをするが、ダンサー全体を握るマルガの協力を得たい。
「おっけー、任せて!」
さすがの二つ返事。
言い方は軽いが、重い責任感が伝わってくる。
なんでも受けてしまいそうなので、負荷と負担を掛け過ぎないように気を付けるものの、知恵や経験の扶けは遠慮なく求めようと思う。
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