春風さんからの最後の手紙

初夏のある日、僕の人生に「春風さん」が現れた。
とある証券会社の新入社員だった僕は、成果が上がらずに打ちひしがれて、無様にも公園で泣いていた。春風さんはそんな僕を哀れんで、最初のお客様になってくれたのだ。

春風さんは僕を救ってくれた恩人だった。どこか父にも似た彼は、様々なことを教えてくれて、僕の人生は雪解けを迎えたかのようだった。

だけどあの日。いけないことだと分かっていながらも、営業成績のため、春風さんに嘘を吐いてしまった夜。春風さんとの関係は、無邪気なだけのものではなくなってしまう。

風のように突然現れて、一瞬で消えてしまった春風さん。
彼が僕に伝えたかったこととは……。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,021 位 / 184,021件 キャラ文芸 4,375 位 / 4,375件