番だと言われて囲われました。

文字の大きさ
41 / 60
選択

相談

しおりを挟む
「カイル、忙しいと思いますが、少し相談した事があるのですが時間をもらえますか?」

カイルの側に訪れて、直ぐ様声をかける。
机に向かって書類にサインをしていたカイルが私の方に視線を向け、ペンを置く。

「どうしましたか?確か施設に行っていたと思っていたのですが、早かったですね」

そう言って側に来て腰を抱かれ、ソファーに座るよう促される。
カイル 自らお茶を入れてくれ、一息つく。
向かい側にすわると思いきや、隣に腰掛けて、尋ねてきた。

「それで、相談したいこととは?」
なんと言ったら良いだろうか……少し考えながら
「相談というか、お願いなんだが」
「良いですよ」
「えっ!?」
「アキのお願いなら良いですよ。側を離れるとか、別れたいとか、逃げるとかは許しませんし、叶えてあげませんが。それ以外なら、どうとでもなりますから…」
「……………」
「それに、アキの事だから、住民が困るような無理なことは言わないでしょ?隣国を滅ぼせとか世界を壊せとか……物欲もあまり言ってこないから、私から無理やり贈るぐらいです。ですから良いですよ。」
そう言って、頬に唇に口づけてきた。

嫌々、世界を壊せってどんだけだ………そんなこと……出来るのか??そんな願いはしないけど……

「ん?する気はないですけど……出来ないこともないと思いますよ…」
そんな笑顔で言われたら、怖いのだが……
思わず口角がピクピクと引きつる。

「それはさて置き、お願いとは?」
そうだった…
「セシリアさん、知っていますよね。ほら、カイルと仕事を一緒にしてて、3人の子供を育てていた……」
「セシリアですか?確か体調を崩したとかで見かけませんでしたね。彼女がどうか?」
「今日訪問した施設で知ったんですが、亡くなったみたいで……子供達がそこで保護されていたんだ。でも、施設がいっぱいで、バラバラにされそうなんだ。まだ小さいのに……親を亡くして兄妹がバラバラなのは……」
妹達を思い出し、俯いてしまう。

「アキはその子達をどうにかしてあげたいのですね。セシリアとアキは面識がありましたし、確か子供達とも遊んでましたよね…そうですか、セシリアは亡くなったのですね…彼女の夫は私と同期の学友で仲が良かったのですよ。ですから、元々仕事ができる彼女を子育ての面もあり多少の優遇をしながら側で仕事をしてもらっていたのですが……」

少し考えるそぶりをしながら、

「では、その3人は私達の子供として養子縁組をしましょう。いつかは養子を取ろうと考えていたのです。その子達に会って、子供達の意見を聴いてから手続きしましょう。」

「いいのか?」
「えぇ、良いですよ。そうなると、早い方が良いですね。子供達も不安でしょうし」

そう言うと、側近を呼んで、出来上がった書類を渡し、出かける旨を伝える。
カイルに促され、部屋を出て、子供達のもとへ向かった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

待て、妊活より婚活が先だ!

檸なっつ
BL
俺の自慢のバディのシオンは実は伯爵家嫡男だったらしい。 両親を亡くしている孤独なシオンに日頃から婚活を勧めていた俺だが、いよいよシオンは伯爵家を継ぐために結婚しないといけなくなった。よし、お前のためなら俺はなんだって協力するよ! ……って、え?? どこでどうなったのかシオンは婚活をすっ飛ばして妊活をし始める。……なんで相手が俺なんだよ! **ムーンライトノベルにも掲載しております**

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

【完結】愛され少年と嫌われ少年

BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。 顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。 元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。 【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】 ※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

オメガなのにムキムキに成長したんだが?

未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。 なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。 お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。 発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。 ※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。 同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。

処理中です...