「よしよし」が癖のオカン系男子の俺、美少女達に死ぬほど懐かれても恋愛対象として見れないんですが。
桐生湊、高校二年。
料理、裁縫、看病、弁当作り。困っている相手を放っておけず、気づけば手を差し伸べてしまう“オカン系男子”だ。
その癖の始まりは、十年前。母の再婚で家族になった義妹・ひなたを、兄として守ると決めた日からだった。泣き虫だった小さな妹をあやし、食べさせ、眠らせるうちに、湊の中で「世話を焼くこと」は愛情そのものになった。
ただし、そのせいで――湊は女の子を恋愛対象として見ることができない。
誰に優しくしても、それは全部「保護」で止まってしまう。
高二の春。
迷いやすく人混みに弱い同級生、感情を出せず孤立した転校生、対面では話せない人気ASMR配信者、失敗ばかりの陽キャ、そして“完璧”を演じ続ける幼馴染の生徒会長。
湊の優しさに触れた五人は、少しずつ彼に懐き、甘え、恋をしていく。
でも湊は気づかない。
頭を撫で、弁当を作り、熱を測り、「えらいな」と笑うたび、彼女たちがどれだけ傷ついているのかを。
そして、その優しさの原点を知る義妹・ひなただけは、わかってしまう。
あの人の「よしよし」は、昔は自分だけのものだったのだと。
甘やかすことしかできない少年と、甘やかされるだけでは足りなくなった少女たち。
家族と恋の境界がゆっくり壊れていく、保護者失格系ラブコメ。
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