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エピローグ
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行きつけのパン屋でクロワッサンを買って、ロメオは今朝も元気に静まり返った書店通りを走っている。
もうすぐ朝の鐘が鳴る。それまでにシリルを起こさないといけない。
「シリル、もう朝だよ」
二人の寝室に入り、まだ布団の中で眠る愛しい恋人に優しく声をかける。
「……う…ん……」
布団を剥がすと、シリルの白い肌が露わになる。
そこには赤い跡が幾つも散っていた。
情交の跡を見つけて、ロメオは昨晩の行為の激しさを思い出す。
もう何度も身体を重ねたというのに、ロメオは飢えた獣のようにシリルを求めてしまう。
昨晩は少し無理をさせたかもしれない。反省しながらも、その頬に優しく口付けを落とした。
「ほら、起きて。クロワッサンとカフェオレも準備できてるよ」
黒い睫毛に縁とられた瞼の奥から、淡藤色の神秘的な瞳が姿をあらわす。
「ん……ロメオ……」
一瞬だけ目はひらいたが、また寝返りをうって眠りを貪ろうとする。
「も~早く起きないとこのまま襲っちゃうよ」
ロメオは無防備に背中を見せる恋人のうなじに甘噛みした。
「……ひゃっ…あっ……ヤメロっ……」
とどめに、脇の下から昨日散々可愛がった胸の飾りへと手を這わせる。
「……コラッ…もっ……無理って……」
「じゃあ、早く起きて」
シリルは流石にこのままでは身の危険を感じたのか、まだ寝ぼけたままごそごそとベッドから起き出し翡翠色のガウンを羽織った。
それを確認するとロメオは台所に移動し、カフェオレと買ってきたばかりの焼きたてのクロワッサンを皿に乗せて、居間のテーブルの上へと運び並べる。
ちょうどいいタイミングでシリルが自分の席へとついた。
今朝もシリルはため息が出るくらい綺麗で、向かいあって座るだけでもドキドキする。
「いただきますっ!」
「……いただきます」
いつも通りの朝。
バターの香るサクサクのパンを口に入れ、ロメオは幸せを噛みしめる。
「——今日は蚤の市の日だよ、早く朝食を済ませて出かけよう!」
もうすぐ朝の鐘が鳴る。それまでにシリルを起こさないといけない。
「シリル、もう朝だよ」
二人の寝室に入り、まだ布団の中で眠る愛しい恋人に優しく声をかける。
「……う…ん……」
布団を剥がすと、シリルの白い肌が露わになる。
そこには赤い跡が幾つも散っていた。
情交の跡を見つけて、ロメオは昨晩の行為の激しさを思い出す。
もう何度も身体を重ねたというのに、ロメオは飢えた獣のようにシリルを求めてしまう。
昨晩は少し無理をさせたかもしれない。反省しながらも、その頬に優しく口付けを落とした。
「ほら、起きて。クロワッサンとカフェオレも準備できてるよ」
黒い睫毛に縁とられた瞼の奥から、淡藤色の神秘的な瞳が姿をあらわす。
「ん……ロメオ……」
一瞬だけ目はひらいたが、また寝返りをうって眠りを貪ろうとする。
「も~早く起きないとこのまま襲っちゃうよ」
ロメオは無防備に背中を見せる恋人のうなじに甘噛みした。
「……ひゃっ…あっ……ヤメロっ……」
とどめに、脇の下から昨日散々可愛がった胸の飾りへと手を這わせる。
「……コラッ…もっ……無理って……」
「じゃあ、早く起きて」
シリルは流石にこのままでは身の危険を感じたのか、まだ寝ぼけたままごそごそとベッドから起き出し翡翠色のガウンを羽織った。
それを確認するとロメオは台所に移動し、カフェオレと買ってきたばかりの焼きたてのクロワッサンを皿に乗せて、居間のテーブルの上へと運び並べる。
ちょうどいいタイミングでシリルが自分の席へとついた。
今朝もシリルはため息が出るくらい綺麗で、向かいあって座るだけでもドキドキする。
「いただきますっ!」
「……いただきます」
いつも通りの朝。
バターの香るサクサクのパンを口に入れ、ロメオは幸せを噛みしめる。
「——今日は蚤の市の日だよ、早く朝食を済ませて出かけよう!」
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