明治維新奇譚 紙切り与一

きもん

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第七章

そして、決戦前夜  ーそして、けっせんぜんやー

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 岐阜は関。
 錦治の鍛冶屋で火夜が刀喰いを受け取っていた。
 少し刃が欠けた程度ならば研ぎ直しで済むが、今回は殆ど新調に近い修復を受けた刀喰いは、故に以前より一回り大きく見えた。
 火夜は、刀喰いをサラシに巻くと廻し合羽の内側で背中に担いだ。
「あんたも行くのかい」
 火夜の様子を見ながら錦治が問うた。
 羅刹は数日前に出立していた。羅刹の後を追うのかと火夜に確認したのだ。
 コクッと一つ、首を縦に振る火夜。と、同時に三日前の事が思い起こされる。
 隠居暮らしのような日々、物思いに流されるしか無いような毎日の繰り返しが続いていた一ヶ月の間、火夜は刀喰いの修繕状況を確認するために、数日に一度、錦治の鍛冶場を尋ねていた。錦治は作業に没頭していたので頻繁に言葉を交わす訳ではなかったが、火夜には過去の思い出が、錦治には見知らぬ女性であることの遠慮が足枷と成りつつも、改めての交流が始まりつつあった時期に、頃合いを見計らったように羅刹が火夜の宿所を尋ねてきた。
 そして、与一と十頭社中の関係、戮の真相一切を一方的に言って聞かせたのだった。
 その全てを黙って聞いた火夜は長い沈黙の後、重い口を開いた。
「本当は、私、いっちゃんに再会するのが、ずっと怖かった…」途切れ途切れの言葉に、羅刹は横槍を入れることもなく黙って聞いていた。「そして、今は、今はもっと怖い…お互いに何喰わぬ顔をして、幼なじみを演じて…いるし、戮士になったのだって、本当は止めさせたいとお互いに思っているのに口には出さない…出せない。今の、いつ割れるか判らない薄氷の湖を歩き続けるような関係を壊したくないの。いっちゃんは、どうか思っているか知らないけれど、少なくとも私はそう」
 細切れだった火夜の言葉は徐々に繋がりだし、饒舌になっていった。
「そして、何より嫌のは、自分が今、いっちゃんの事をそんなに真剣に考えているっていう事…全てを無かった事にして、昔に戻りたいって思っている事、錦治の顔を見ながらよ」
 火夜の肩が震える。
「でも、いっちゃん以外の人の子供を生んだっていう負い目が、その寿々を奪われたままの焦りが、そして、錦治さんが生きていたなんて…私、もう」
 最期は、嗚咽に近かった。
 羅刹は、火夜が言葉に詰まると間髪入れずに喋りだした。それも又、見計らったように。
「―わしにも好いたおなごがおった。一生添い遂げるつもりじゃったが、そうはならんかった。それどころか、わしの替え玉と暮らさにゃならんような厄介ごとを背負わせわとか、とんでもない重荷を背負わせる羽目になってしもうた。じゃが、そればっかりは、わしの力じゃどーにも変えられん。世の趨勢ちゅうやつじゃた。悔しゅうて、悔しゅうて、たまらんわ!」
 最後は、感情を爆発させた羅刹。今度は火夜が黙って聞く番になった。
「しかしな、わしには、この生き方しかできんのじゃ。色々あがいても、結局最後はこん生き方になる。この日ノ本をどうにかせにゃならんちゅう生き方じゃ。人には、それぞれの天命がある。それは己が力ではどうにも変えられんぜよ」
 羅刹は、火夜に笑いかけた。
「わしは、この日ノ本が世界に出ても恥ずかしゅう無い国にする。それまで、突っ走るしかないんじゃ。第一、いまさら戻っても、龍さんに叩き出されるのが落ちじゃきに。あいつは怖か」
 火夜は、思考の表層では龍というのが羅刹の思い人の名前なんだと考えながら、より深い所では一つの決断を下していた。
「おお、そういえば昔、何でそんなに国の為に尽くすんじゃ、なんぞと与一に聞かれた事があったな」
 羅刹の言葉に、火夜は反射的に問うた。
「なんて、答えたんです?」
 内容への興味というより、与一という言葉に対する反射で発した問いだったのだが、その答えは、火夜が先刻したばかりの決断を力強く後押しするものだった。
 そして羅刹は、「どうするかは、自分で決めるぜよ」の置き台詞を残しその晩の内に関を発った。与一の加勢をする為に。 
 
 火夜の決断は一点つの行動に集約していった。決めてまえば、なんと、ごく当たり前の結論なのだろう。
「寿々を取り戻す」
 これを成す事が、今まで自分をどう評価するのか、これからの自分をどうするのかを決する起点となるに違いない。
 その時、錦治の声が火夜の意識に割り込んだ。
「そうかい。また、その包丁が痛んだら寄りなさい」
 ハッと、我に返る火夜。
 目の前に名残惜しそうな錦治の顔がある。
 火夜の脳裏に一瞬、あの炎の中で「寿々を頼む!」と叫んでいた錦治の姿が過ぎった。
「ええ、是非」
 感情過多にならないように答えた。
 火夜は、単なる別れの一つのように錦治に背を向けた。今は、これが精一杯だった。

 坂本龍馬が勝海舟に会ったのは、文久二年のことである。
 勝が幕府軍艦奉行で、まだ武家官位である「安房守あわのもり」を名乗っていた頃で、幕府政事総裁職にあった松平春嶽しゅんがくの紹介状を受けた龍馬が、彼の屋敷を訪問したのだった。
「あれから、十五年近く経ったんだねぇ」
 あの洗足池ほとりの借家に、羅刹が勝を訪ねていた。
 三条が訪問した時には無かった表札が、適当な大きさに切った半紙に「勝」と書かれただけの粗末なものではあったが、表の門柱に貼っている。
 二人は、三条と勝が対談した時と同じ縁側に座っている。 
「あの時のわしと、今のわしが同じ人間といえるならの」応える羅刹。
 それっきり沈黙が続いたが、突然、勝が言った。
「おおそうだ。将来、回想録をなんぞを書く身分になったら、あの時は、お前さんが俺を暗殺に来たところを逆に諭して弟子にした、という事にしよう。うん、その方が面白い」
「あんたなら思いつきそうなことじゃ。後世に、坂本龍馬がどんな人間として伝わるのか、まっこと思いやられるぜよ」
 唐突な妄言に淀みなく切り返せるほど、羅刹は勝に通じていた。
 それからまた暫くの間、沈黙が続いた。
 余りの静寂に、水馬あめんばうが池面を旋回する音まで聞こえそうだった。
 何の前触れもなく、羅刹が立ち上がり玄関へと向かう。
「お前さんも行くのかい」と勝。
 羅刹は、立ち止まりもせずに答えた。
「与一だけじゃ、手が足りんじゃろ」
 戮発足の初期に手伝いをした時から、いや、それ以前に、勝から替え玉を持ち掛けられた時から、羅刹は己の立ち位置を理解していた。
 これが、決して歴史の表に現れる事はない、坂本龍馬と勝海舟、最後の会談であった。

  太政官庁の執務室には幹部達が集まっていた。しかも国家の重要機密に触れる権限を持つ、三条をはじめとする真の首席数名である。
 全員で一通の書簡を囲んでいる。
 それには、フリーメーソンリー・イルミナティと十頭社中の連名で、『太政官の政権奉還』とその後に開府する『会津幕府』が、孝明天皇より賜った御宸翰と御製を拠り所に正当なものである旨が綴られた最後通牒であった。
 それを再度廻して読みながら、侃々諤々とやり合っている
「予想通りの内容だな」
「しかし、予想より早かったとも云える」
「それよりもイルミナティは、今の十頭によく乗ったな。それとも、十頭には御製以外の切り札でもあるのか?」
「無いからこそさ。壊滅寸前の十頭は、これが最後のあがきだ。御製という切り札を切れる最後の機会。それに、失敗してもイルミナティの腹は全く痛まん」
「駄目元、か。そういう意味では利害が一致しているな。横浜沖にはイルミナティの艦隊が来ているんだろ」
「はい。視認出来るだけで五隻。しかも、かなりの大型船です。火力もさることながら、乗っている兵員の数も相当なものかと」
「こちらの兵力で対抗出来るのか?」
「彼奴等には日本全土を占領する必要は無いのです。ここ、つまり、我々を押さえれば勝ち。その後、会津藩が開府を宣言すれば良いのですから。現在、在京している警察に毛の生えた程度の戦力では…」
「結局、御宸翰と御製を処分出来るかどうかに掛かってくる訳か」
「勝てば官軍。奴らが実権を握ってしまえば、我々こそ徳川から権力を簒奪した逆賊だと断ずる事だってできる。歴史には、御宸翰と御製を持つ奴らが、正当な統治者として残るだろうよ」
「与一が十頭の残党を捕らえ、御宸翰と御製を押さえられるかどうか。そうすれば、イルミナティの艦隊も攻撃の口実を失う」
「ここに来て、奴に我らの命運を託さねばならんとはな」
 そのやり取りを上座で聞いていた三条が、ぽつりと言った。
「先日、ある男に『歴史とは、しょせん記録に過ぎない』と云われてな。まさに今、記録に残らない宿命の者に我々の歴史が託された訳だ」
「有難いことだな」
 いつも通り、岩倉の毒舌がその場を締めた。

 天下の横浜港も、この頃は港湾工事を始めたばかりで、桟橋に直接外洋船を停泊させる事はできなかった。
 従って、人間の乗り継ぎと荷下ろしの為に上陸船が必要だったが、それでも、桟橋に停泊してそれらの船は、周囲を行き交う弁才船等とは比べものにならない程の威容を誇っていた。
 その船倉からは、兵員や武器の詰まった荷が次付きと吐きだされている。そして、上陸船のマストに掲げられた船旗と降ろされていく荷箱には、尽くイルミナティのマークが驕られていた。
 山と積まれた荷箱の一つを開け、中に詰まった数々の重火器を眺めている五つの人影があった。十頭社中生き残りの兄姉四人と、未だにぼろん坊に付き従う寿々である。
「兄者、こんなもの持ち込んで、戦でもするつもりか」ぼろん坊が大頭に問う。
「これはみせ札さ、たとえ実際に使う状況となっても、戦をするのは奴らだ。俺たちじゃない」
 結局、大頭はイルミナティの威を借る為に大幅な譲歩せざるをえなかった。それは、彼等に実質的な主導権を握られ兼ねない内容であり、この強大な軍事力の介入もその一つである。それが、ぼろん坊は気に入らない。しかし、彼が反対を押し通すには、度重なる警察の手入れに削がれ、十頭社中の戦力は無きに等しかった。
 ふん、とぼろん坊はそっぽを向く傍ら背後に控えている寿々の様子を確かめる。寿々はといえば、変わらずの人形ぶりであった。
 その横では、十騎男が怒りに燃えた眼で虚空を睨んでいる。怒りの対象は無論、与一である。
 菖蒲が、なだめるように十騎男の頭を撫でていた。
 そうしているうちに人足が引き揚げていった。荷下ろしが終わったのだ。
 人気が無くなった船倉の口からギルトとパールが降りてくる。そして、少し間が空いた後、フリルのドレスを着た少女が降りてきた。
 少女は、桟橋に立ち、辺りを窺うように見回すと船倉を振り返って頷いた。それを合図に、船倉の口をくぐるようにして大男が現れる。歩くたびに桟橋が大きく揺れた。
 ギルトとパール、そして、少女と大男は、十頭兄姉の前に並んだ。
「ゴ機嫌ヨウ。いるみなてぃ・ろーまろっじカラ来タ、りーたトれおにだデス」
 ギルトが、少女を差して「リータ」、大男を差して「レオニダ」と紹介した。イルミナティ・ローマロッジの所属だという。イルミナティも複雑な組織らしい。
 リータは、見た目の幼さにそぐわない優雅な身のこなしで会釈した。レオニダといえば、猿ぐつわと顔全体を覆っている皮紐の目隠しで表情が全く読めない。
「二人ガ、我々ノ最後ノ贈リ物デス。アナタ達ガ、ドウシテモ倒セナイ戮士、二人ガ倒シマス。ソレデ契約ハ履行サレマス」
 それは、会津新幕府統治下の日本で、交易権の一切と軍事的自治権をイルミナティが持つ権限、それが十頭社中引いては旧会津藩との間に成立した事を意味していた。
 こうして、政府転覆を狙う二勢力の短い会合は、ぼろん坊の「チッ」という、舌打ちで終了した。
 と同時に、港に積まれた武器の荷箱が幾つか燃え上がった。
「へえ、なーんか、景気のええ話をしちゅうのー。わしも混ぜてくれんか」
 羅刹が響いた。港で一番高い荷台の上から、会談を終えたばかりの十頭とイルミナティ一同に向かって叫んでいたのだ。
 羅刹は、荷台から飛び降りると彼等に突っ込んでいった。
「オ目当アテノ人デハ、ナイデスガ。二人ノ実力ヲ披露シマス」
 ギルトはそう言うと、リータに目配せしてから、レオニダに向かってパチンと指を鳴らした。
 それを合図にレオニダは羅刹を迎え撃つように、ゆっくりと前進した。が、リータは、くるりと向きを変えると、ぼろん坊に向かって突進してきた。
 何事かと身構える十頭の面々。  
 リータは、そのぼろん坊の脇もすり抜ける。同時に「ガキッ」という金属の噛み合う音がした。
 ぼろん坊が振り返ると寿々が立っているのが見える。いや、その更に先で、火夜がリータと鍔迫り合いをしているのが視界に入る。鍔競り合いと云っても、火夜の得物は包丁、リータの方は『傘』だったのだが。
「何と、気配に気付かなんだとは」とぼろん坊。
「ちっ、読まれてちょったか」と羅刹。
「寿々」と火夜。
 三人は同時に呟いた。
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