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湖ダンジョンと、巨大カエル

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    今日も5階層だ。膝上まで結界を纏っているので、ブーツは履けない。裸足で沼地に入るなんて、田植えを思い出すな…

    結界越しだから、あの感覚はないけど、足の指の間からヌルリと泥が出てくる。
    転生前で、しかも大人になってからは田植えも手伝わなかったけど、記憶に残っている。

「この、血を吸う魔物がいなければ気にせずに狩りが出来るのだが…鬱陶しいな」
「足だけ纏うのは、難しい?」
「何もしていない状態なら出来るのだが…動くと解けてしまうな。まあ、俺の血ならば少量だし、問題あるまい」

    私だけ問題ありなんて、納得いかないな…
    私は私。何の変わりもない。

    泥が動いた所にシジミーはいるから、分かりやすい。でも動きが素早いから、そこを網で掬っても、なかなか捕まえられない。そういう時は、予見だよねー。ふっふっふ。私のオルニチン、待っていてね!

「メイ、怖いにゃー」
「そうだな…だからこそちゃんと主を見ていてくれ。腕にヨルが付いている」
「うにゃっ!了解にゃ!」

「ボクは階段を見つけるよ。先に美味しい魔物がいないとメイは動かないから」

    でもその日は、最後に魔法石に触れるまでメイは動かなかった。

    次の日は6階層。魔物はミズカマキリだ。とはいえ、川で見かけるような可愛い物ではなく、かなり大きい。
    迷路状になった溝にいて、突然飛び出してくる。びっくりだ。
  
    オリハルコンの双剣で切り裂くと、面白いようにスパッと切れる。この重い双剣にもかなり慣れた。軽いミスリル製のよりも、今はこの重さが頼もしい。
    空間すら切り裂くこの剣に対抗出来る魔物は、そういないと思える。

    まあ、6階層位の雑魚に強いのはいないかもしれないけど。
    この溝を飛び越えて進めば、階段は見えているけど、ミズカマキリが出てくる。

    それでも、見えているから簡単に進める。
    7階層は…うわっ?!でっかいカエル!
「ふむ…肉が出れば良いが」
    あ、もしかしてこれがグリーフロッグ?…そっか。君の皮は役に立ったよ!
    狭い通路で跳ねて、本当に潰されかねない。メタルを出して守って貰おう。

    ドロップアイテムは、やっぱり肉か皮。肉は要らないけどね!

    眷属達は肉も喜んで集めている。まあ…料理位ならしてもいいかな?食べないけど。

    打撃の攻撃だと滑ってあまり効かない。このガントレットに雷の魔法を付与をしてみるか…

    よし!メタルの攻撃も効くようになった。潰されそうな時はちゃんと守ってくれる。

「肉はこれっぽっちか…非常に残念だ」
「ダンジョンだからな、仕方あるまい」
    食べる気満々だ。

「…ちなみに、どんな味するの?」
「そうだな…ブラックワニーに似てるが、独特の風味もある」
    カエルは鶏肉に似てるっていうし、ワニーもだ。独特の風味は分からないけど、みんなが欲しがるなら…やっぱり味見もしたくない。アマガエルなら捕まえられるけど、食べようなんて考えた事ないし、こんな巨大カエルは…

「皮は集まったし、次に行こうか。ね?」
「好き嫌いが多いと、大きくなれないぞ」
    それならオルニチンに期待するから大丈夫。

    8階層は齧る魚。

    看破    ピラニー    鋭い歯を持つ小型の魚。

    ピラニアはさすが肉食の魚だ。積極的に攻撃してくるけど、私は結界を纏っているし、フレイムとランスは影に入れた。シュガーは空中を進んでいるし、メタルとヤブランには傷一つ付けられない。

    ドロップアイテムは魔石だから、それはありがたく頂いた。

「主、もう夕食の時間ではないか?」
    え?もう?…正直、そんなにお腹は空いてない。というか最近、間食も控えてるのに、あんまり空かないな…

    まずい!最近の成長期が終わった?!今は140センチ近くあると思う。進化前のシュガーより大きいと思う。
    このまま第二次成長期に…なんて考えは甘かった。
    スマホに入ってるせいか、身長も伸びたのに…

「どうした?」
「…ランス、帰ったらもふもふさせて!」

    外野が空腹を訴えるので、簡単に豚バラのポン酢炒めにした。肉は勿論マシマシだ。

    食べ終わったら、まだ食べているランスとシュガーを並べて尻尾でもふもふさせてもらう。

「むう…足りない」
    アロカシアはまだまだ成長期のようだ。というか、幼少期の成長期は30年位あるらしい。
「んー。トンカツならあるよ」

    大皿にたっぷり盛られたトンカツに、みんな目を輝かせる。
「ボクは一枚で充分かな」
「にゃーはお腹一杯になったから、要らないにゃ」

    みんなの食欲は、本来の姿に比例している。馬位大きなランス。アロカシアは成長期なのを考えると、仕方ないのかな。

    アロカシアの食事が終わったので、まとめてクリーンをかけて空いたお皿を収納庫に仕舞う。
    お風呂に入りながら、マスターになったダンジョンの様子を、コアから教えてもらう。

    もふもふ冒険者達が、燃焼石の発掘ポイントを見つけたみたいだ。喜んで貰えてるみたいで、私も嬉しい。

    うーん。宝箱とかも置いた方がいいかな??隠し部屋を作って…でも鎖国してるから、入る人も少なくて、ダンジョンも枯れかけてた。私が生きてるうちはいいけど、先の話…維持出来ないと意味がなくなる。

    交易してる人達はダンジョンに入ったりしないのかな?護衛につく冒険者も。

    その辺はエリー姉様に聞いてみよう。
    ドラゴンが出るダンジョンのクリアは難しそうだけど、クリアしたいな…ダンジョンをクリアすると、出来る事が増えるから、色々と楽しみが多いし。

    まあ、まずは湖ダンジョンのクリアかな。


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