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会談
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家庭料理しか作れない私には、こんなお洒落で豪華な盛り付けの料理は作れない。
こんな贅沢料理なのに、うちの眷属達は私が作った料理の方がいいみたい。
明日はエルフ族の人達の所に行って話しもするけど、基本ここでレッドコーク狩りだ。
明日を楽しみに寝ようと思ったけど、スマホのメールアイコンに、お知らせが届いている事に気がついた。
早速開いた。
『本当に、ちょっと目を離した隙に成長しちゃうのね。エルフ族の今後は、メイ、あなたの思う通りにやりなさい。私達はちゃんと見守っているから』
丸投げ?…いや、信用してくれているんだよね。
島をこっちに移動する事に、ちゃんとみんな納得してくれるといいんだけど。
浮かしたままじゃなくて、降ろしてみたらどうだろう?
もふもふの国に入る時に触れた、種族判別の魔道具を使って、人族からは守れると思う。
交易したい時は魔族の人達に仲介してもらえばいいんだし、何より寒くなくなるから、島に家を建てられるし、作物も育つようになるだろう。
うん。いい考えかも?あとはこれからの話し合いで色々決めていけばいいんだけど…まあ、ヤブランにも手伝って貰えば多分ちゃんと出来ると思う。
攻略本を書きながら、ポテチを摘まむ。
夕ご飯を食べたばかりだけど、時々無性に食べたくなるんだよね…みんなも手を伸ばしてくるし。
代表者のアルカームさんには、明後日にエリー姉様と会談してもらう。
エリー姉様も忙しいみたいで、緊急性の高い仕事からこなさないとだめみたい。
そんなに忙しい人なのに、今日は私とダンジョンに入ってくれたりするし。
「何で私を優先してくれるのかな?」
「…ああ。エリー殿か。主は国にとって益となる人物だと思っているからだろう…それもあるが、単純に気に入られているのだろう」
「精霊が活性化する…か。そういえば、エルフ族の人もシュガーも、人型の精霊を連れてるよね?従えてるの?」
「お話して、友達になったにゃーよ?メイも話しかけてみればいいと思うにゃ」
…どうやって?声なんて聞こえないよ?
シュガーは感覚でしゃべってると思う。きっと普通は話すなんて無理。
「精霊視のスキルだけじゃだめだよね?」
「声は、高い所にある子も低い所にある子もいるにゃ…そっちに意識を持っていくといいにゃ」
…意味分からない。
「耳じゃなくて、心で聞くにゃ」
「そ、そう…」
そこはかとなくファンタジーな世界のようだ。
まあ別に?絶対習得を目指している訳でもないし。
確かに精霊魔法は強力だけど、普通の魔法でいいや…
集まる微精霊達を見てると、神秘的な気持ちになるけど、その実態は、只で魔力を貰いに来てる小さな光の粒だ。
そう…大衆食堂になった気分?
ちょっと虚しくなって、精霊視のスキルを切った。
次の日。自分の所の農作業を終えて、エルフ族の住むマスタールームに行った。今日はみんな一緒だ。
「新しい方々ですか?」
「私の眷属全員です」
メタルは流石に紹介出来ない。可哀想だけど、驚かせちゃうからね。
挨拶を済ませて、スイッチを借りる。勿論中に入ってチェックする為だ。
一人しか入れないから順番だけど、話しを聞くと魚を釣ったり塩を作ったりと忙しくしているみたいだ。
先の人が出たので、中に入ってみる。
「うん…木材も石材も増えてるし、草も綺麗に刈っている。あれ…もしかして、精霊にお手伝いして貰ってる?精霊は入れるんだ…」
新しい驚きだ。
「でも、私にはメタルがいるからね」
(道具屋には新しい種が並んでいました)
うん。順調だね。出荷もちゃんと出来てるし。
スイッチから出て、次の人に渡す。
「凄い働き者ですね…図鑑では魚の部分がほぼ埋まってました」
「本当に、作物が1日で出きるなど、奇跡の出来事です…食べたい物がいつ店に並ぶのか、楽しみでなりません」
待ちきれないよね。私も米が解禁される迄、どんなに焦がれた事か。
異世界あるあるで、主食がパンだと知った時は、麺作りに勤しんだものだ。
転生前から麺類は大好きだった。かんすいがないから中華麺が作れないと知った時は泣いた。
でも、うどんラーメンでも充分美味しい。
「それで、明日魔族の王様と会談が決まったんですけど、アルカームさんに、取り敢えず来て貰えばいいと思います。あ、王様なんですけど、男の人だけど心は乙女で…驚かないで下さいね?」
って、言っても無理だろうな…細身で綺麗系の人ならそのまま女の人に見えるだろうけど、エリー姉様は筋骨隆々としてるから。
翌日、亜空間移動でアルカームさんを連れて来たけど、獣人族の人ばかりで驚いているようだった。
緊張してるみたいだ。普通はそうだけど、優しくていい人だからね。
私の方は、アルカームさんとヤブランだ。エリー姉様にももふもふ従者が付いているけど、話し合いには参加しなさそう。
アルカームさんの方からは、精霊文字を使った護符等を。エリー姉様からは国境での検閲の強化と、必要なら護衛を付ける事を条件として出してきた。
「ところでメイ、島は移動した際、上空に留まるの?それとも海岸に付けるのかしら?」
「…あ。その話しするの忘れてた」
「我らは、移住する事なくこちらと交易を?…亜空間移動が使える者は数少ないのですが」
「そうじゃなくて、あの島に住めばいいかなって。高度が下がれば寒さもなくなるし、転移門があるからダンジョンには行けるし」
「な…!その様な事、可能なのですか?」
「多分?みんなショートワープ位は使えそうだし、この辺の海は遠浅だから、陸続きには出来そうもないですけど」
「あら?それは却っていいんじゃないかしら?私達魔族はそれ位出来るけど、商人達には簡単にはいかないでしょう?」
確かに、大概の人は時空魔法系苦手だよね…よし!
「じゃあ、それで。アルカームさんは、みんなの同意を聞いた方がいいですか?」
「同意させましょう。皆、植物の育ちにくい島には不満を持っているのです」
「どれ位かかりそう?」
「すぐに…か、時間をかけて」
亜空間に入ったりしないかなー?と思って…いや、私もさすがに無理だろうと思ってるけど。
空納とか?中にはもやし位しか入ってないし…大き過ぎるかな?
こんな贅沢料理なのに、うちの眷属達は私が作った料理の方がいいみたい。
明日はエルフ族の人達の所に行って話しもするけど、基本ここでレッドコーク狩りだ。
明日を楽しみに寝ようと思ったけど、スマホのメールアイコンに、お知らせが届いている事に気がついた。
早速開いた。
『本当に、ちょっと目を離した隙に成長しちゃうのね。エルフ族の今後は、メイ、あなたの思う通りにやりなさい。私達はちゃんと見守っているから』
丸投げ?…いや、信用してくれているんだよね。
島をこっちに移動する事に、ちゃんとみんな納得してくれるといいんだけど。
浮かしたままじゃなくて、降ろしてみたらどうだろう?
もふもふの国に入る時に触れた、種族判別の魔道具を使って、人族からは守れると思う。
交易したい時は魔族の人達に仲介してもらえばいいんだし、何より寒くなくなるから、島に家を建てられるし、作物も育つようになるだろう。
うん。いい考えかも?あとはこれからの話し合いで色々決めていけばいいんだけど…まあ、ヤブランにも手伝って貰えば多分ちゃんと出来ると思う。
攻略本を書きながら、ポテチを摘まむ。
夕ご飯を食べたばかりだけど、時々無性に食べたくなるんだよね…みんなも手を伸ばしてくるし。
代表者のアルカームさんには、明後日にエリー姉様と会談してもらう。
エリー姉様も忙しいみたいで、緊急性の高い仕事からこなさないとだめみたい。
そんなに忙しい人なのに、今日は私とダンジョンに入ってくれたりするし。
「何で私を優先してくれるのかな?」
「…ああ。エリー殿か。主は国にとって益となる人物だと思っているからだろう…それもあるが、単純に気に入られているのだろう」
「精霊が活性化する…か。そういえば、エルフ族の人もシュガーも、人型の精霊を連れてるよね?従えてるの?」
「お話して、友達になったにゃーよ?メイも話しかけてみればいいと思うにゃ」
…どうやって?声なんて聞こえないよ?
シュガーは感覚でしゃべってると思う。きっと普通は話すなんて無理。
「精霊視のスキルだけじゃだめだよね?」
「声は、高い所にある子も低い所にある子もいるにゃ…そっちに意識を持っていくといいにゃ」
…意味分からない。
「耳じゃなくて、心で聞くにゃ」
「そ、そう…」
そこはかとなくファンタジーな世界のようだ。
まあ別に?絶対習得を目指している訳でもないし。
確かに精霊魔法は強力だけど、普通の魔法でいいや…
集まる微精霊達を見てると、神秘的な気持ちになるけど、その実態は、只で魔力を貰いに来てる小さな光の粒だ。
そう…大衆食堂になった気分?
ちょっと虚しくなって、精霊視のスキルを切った。
次の日。自分の所の農作業を終えて、エルフ族の住むマスタールームに行った。今日はみんな一緒だ。
「新しい方々ですか?」
「私の眷属全員です」
メタルは流石に紹介出来ない。可哀想だけど、驚かせちゃうからね。
挨拶を済ませて、スイッチを借りる。勿論中に入ってチェックする為だ。
一人しか入れないから順番だけど、話しを聞くと魚を釣ったり塩を作ったりと忙しくしているみたいだ。
先の人が出たので、中に入ってみる。
「うん…木材も石材も増えてるし、草も綺麗に刈っている。あれ…もしかして、精霊にお手伝いして貰ってる?精霊は入れるんだ…」
新しい驚きだ。
「でも、私にはメタルがいるからね」
(道具屋には新しい種が並んでいました)
うん。順調だね。出荷もちゃんと出来てるし。
スイッチから出て、次の人に渡す。
「凄い働き者ですね…図鑑では魚の部分がほぼ埋まってました」
「本当に、作物が1日で出きるなど、奇跡の出来事です…食べたい物がいつ店に並ぶのか、楽しみでなりません」
待ちきれないよね。私も米が解禁される迄、どんなに焦がれた事か。
異世界あるあるで、主食がパンだと知った時は、麺作りに勤しんだものだ。
転生前から麺類は大好きだった。かんすいがないから中華麺が作れないと知った時は泣いた。
でも、うどんラーメンでも充分美味しい。
「それで、明日魔族の王様と会談が決まったんですけど、アルカームさんに、取り敢えず来て貰えばいいと思います。あ、王様なんですけど、男の人だけど心は乙女で…驚かないで下さいね?」
って、言っても無理だろうな…細身で綺麗系の人ならそのまま女の人に見えるだろうけど、エリー姉様は筋骨隆々としてるから。
翌日、亜空間移動でアルカームさんを連れて来たけど、獣人族の人ばかりで驚いているようだった。
緊張してるみたいだ。普通はそうだけど、優しくていい人だからね。
私の方は、アルカームさんとヤブランだ。エリー姉様にももふもふ従者が付いているけど、話し合いには参加しなさそう。
アルカームさんの方からは、精霊文字を使った護符等を。エリー姉様からは国境での検閲の強化と、必要なら護衛を付ける事を条件として出してきた。
「ところでメイ、島は移動した際、上空に留まるの?それとも海岸に付けるのかしら?」
「…あ。その話しするの忘れてた」
「我らは、移住する事なくこちらと交易を?…亜空間移動が使える者は数少ないのですが」
「そうじゃなくて、あの島に住めばいいかなって。高度が下がれば寒さもなくなるし、転移門があるからダンジョンには行けるし」
「な…!その様な事、可能なのですか?」
「多分?みんなショートワープ位は使えそうだし、この辺の海は遠浅だから、陸続きには出来そうもないですけど」
「あら?それは却っていいんじゃないかしら?私達魔族はそれ位出来るけど、商人達には簡単にはいかないでしょう?」
確かに、大概の人は時空魔法系苦手だよね…よし!
「じゃあ、それで。アルカームさんは、みんなの同意を聞いた方がいいですか?」
「同意させましょう。皆、植物の育ちにくい島には不満を持っているのです」
「どれ位かかりそう?」
「すぐに…か、時間をかけて」
亜空間に入ったりしないかなー?と思って…いや、私もさすがに無理だろうと思ってるけど。
空納とか?中にはもやし位しか入ってないし…大き過ぎるかな?
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