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着水
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不満というか不安かな。そういう思いはあったけど、強い反発はなかった。
取り敢えずみんなマスタールームに避難して貰い、空納に…うーん。無理か。
あれ?…状態保存の付与がかかってる。これじゃあ動かせない。
これは、島が崩れたりしないようにもしてるんだ…って、待って。これを解除したら途端に落ちたりしないよね?!
ええと…細かい付与が幾重にも付いているんだ…なんて繊細な作業。これをやったのがアルミネアだっていうのがまた凄い所だよね…色々解析して、幾つか解除すれば、動かせる事が分かった。
それは一度に解除するより難しい。精密魔力操作を持ってて良かったな。
よし。空納に…うわわっ?!地面がないー!落ち、落ちるーー!!
今立っていた島を空納に仕舞ったんだから、当然だよね…良かった。飛翔スキルがあって。
心臓に悪い……いや、自業自得なんだけどね。完全に。
いや、入るとは思ってたけど、本当に島一つ入っちゃったよ。
気配遮断のマントを羽織ってゆっくりと下に降りる。そう。ここはチョコとカレーの国だ。
もうオカカの実は充分な量が採れているから、要らないけどね。
それにしても…高度が違うとここまで気温差があるんだな…
寒さ対策の防寒着の上に更に気配遮断のマントを羽織っているから、ほんの少しの時間でも汗が滝のように流れてくる。
すぐに亜空間に入ったけど、あの国にはまた行きたいと思ってたんだよね…
とにかく、色々脱いで身軽になる。
「強い恐怖を感じたが、何があったのだ?」
「えへへ…島にいる状態でうっかりそのまま島を空納に仕舞っちゃってさ…落ちて死ぬかと思った」
「反重力の魔法もあるし、飛翔スキルがあるのだから焦る必要はあるまい」
咄嗟にそれを思い出す程、私の心臓は強くないのさ。
スカイダイビングなんて、死んでもやりたくない。
「高い所は苦手なんだよ…」
「我は一度、主を背に乗せて飛びたいと思っていたのだが…」
「アロカシアは私を殺す気?」
「我はけして落としたりなどせぬ!」
「…叶う事のない夢だね…」
ドラゴンに乗って飛ぶなんて、ファンタジー過ぎる光景だけど、私には無理!
とにかくこれを王都近くの海岸に降ろせば完了だ。
降ろせば…!いや、解除はまだで、ゆっくりと降下させればいいんだよね。
一応みんなにも来てもらい、空納から出すと、島は凄い勢いで上昇して、上空で停止した。
「見える範囲だけど、ショートワープじゃ無理だね…」
ドローンを上空に飛ばし、陸との位置を確認する。下が尖っているから、刺さる感じになる。
ただ、遠浅だから、距離を見極めないと…取り敢えずアルカームさんにも確認して貰おう。
「ちょっと行ってくるね」
アルカームさんを連れて戻って来たら、思ったよりギャラリーが増えていた。
丁度いいや。エリー姉様にも確認して貰おう。
もふもふ兵士の人達に名乗ると、突然出現した島の事は、エリー姉様も把握してるらしい。
「津波が心配だから、海岸から離れてて欲しいんだけど…」
「津波?それは何だ?」
「あー…」
地震もないこの世界では、分からないのか…結界張ったりとか、対策はするつもりだけど。
「ヤブラン、島を落としたら、大きい波が来るかもだから、その時は結界で対応して。シュガーもお願いね」
「良く分からぬが…承知した」
「任せるにゃー!」
最悪結界で取りこぼしても、シュガーが空間遮断してくれるだろう。
島の上までロングワープ!…うわ。寒っ!
慌ててコートを着て、島に手をつく。
…位置の状態固定…これを、まず反重力をかけて、時間遅延も…それで、外す。
島はスーッと降下していく。更に…更にゆっくりと。胃が口から出ちゃうよ!
かなりの時間をかけて降下。着水は更に丁寧に。
波は立ったけど、ヤブランが防いでくれた。
あー…神経が物凄い勢いで削られた…疲れたよ。
「大丈夫にゃ?」
「ん…ちょっと休ませて」
え…シュガーが私を抱っこって…確かにシュガーよりは小さいけどさ!見た目的にちょっと…うわ!
そのままシュガーがショートワープしたみたいだ。
見ると、陸地から島は結構離れている。離れすぎかな…あと、海底に刺さった所から高さがある。
気温が変わる程じゃないし、平気かな?
あとで橋をかけるかどうか、確認してみよう。あの程度なら、土魔法で橋はかけられる。
「大丈夫?メイ」
「エリー姉様…ちょっと精神的ダメージが…大丈夫です。それより後の事はお願いします」
「勿論よ。メイはお城で休んでいて。ね?」
ヤブランとランスが、どちらが私を抱っこするかで揉めてるけど、フレイムが横からさらっと抱き上げた。
(ヤブランはここにいて、アルカームさんをお願い)
(くっ…承知した)
(あと、島に生えているのはこの気温では駄目になっちゃうものだと思う。相談して、貴重な物があったら、回収を手伝ってあげて)
眠い…アルミネアの付与はかなり強力なものだった。島の為の状態保存を残して解除するのもかなり力任せにやったな…これで、いいんだよね?
フレイムの体温がぽかぽかと暖かい。フレイムは人より体温が高いからな…お休みなさい。
取り敢えずみんなマスタールームに避難して貰い、空納に…うーん。無理か。
あれ?…状態保存の付与がかかってる。これじゃあ動かせない。
これは、島が崩れたりしないようにもしてるんだ…って、待って。これを解除したら途端に落ちたりしないよね?!
ええと…細かい付与が幾重にも付いているんだ…なんて繊細な作業。これをやったのがアルミネアだっていうのがまた凄い所だよね…色々解析して、幾つか解除すれば、動かせる事が分かった。
それは一度に解除するより難しい。精密魔力操作を持ってて良かったな。
よし。空納に…うわわっ?!地面がないー!落ち、落ちるーー!!
今立っていた島を空納に仕舞ったんだから、当然だよね…良かった。飛翔スキルがあって。
心臓に悪い……いや、自業自得なんだけどね。完全に。
いや、入るとは思ってたけど、本当に島一つ入っちゃったよ。
気配遮断のマントを羽織ってゆっくりと下に降りる。そう。ここはチョコとカレーの国だ。
もうオカカの実は充分な量が採れているから、要らないけどね。
それにしても…高度が違うとここまで気温差があるんだな…
寒さ対策の防寒着の上に更に気配遮断のマントを羽織っているから、ほんの少しの時間でも汗が滝のように流れてくる。
すぐに亜空間に入ったけど、あの国にはまた行きたいと思ってたんだよね…
とにかく、色々脱いで身軽になる。
「強い恐怖を感じたが、何があったのだ?」
「えへへ…島にいる状態でうっかりそのまま島を空納に仕舞っちゃってさ…落ちて死ぬかと思った」
「反重力の魔法もあるし、飛翔スキルがあるのだから焦る必要はあるまい」
咄嗟にそれを思い出す程、私の心臓は強くないのさ。
スカイダイビングなんて、死んでもやりたくない。
「高い所は苦手なんだよ…」
「我は一度、主を背に乗せて飛びたいと思っていたのだが…」
「アロカシアは私を殺す気?」
「我はけして落としたりなどせぬ!」
「…叶う事のない夢だね…」
ドラゴンに乗って飛ぶなんて、ファンタジー過ぎる光景だけど、私には無理!
とにかくこれを王都近くの海岸に降ろせば完了だ。
降ろせば…!いや、解除はまだで、ゆっくりと降下させればいいんだよね。
一応みんなにも来てもらい、空納から出すと、島は凄い勢いで上昇して、上空で停止した。
「見える範囲だけど、ショートワープじゃ無理だね…」
ドローンを上空に飛ばし、陸との位置を確認する。下が尖っているから、刺さる感じになる。
ただ、遠浅だから、距離を見極めないと…取り敢えずアルカームさんにも確認して貰おう。
「ちょっと行ってくるね」
アルカームさんを連れて戻って来たら、思ったよりギャラリーが増えていた。
丁度いいや。エリー姉様にも確認して貰おう。
もふもふ兵士の人達に名乗ると、突然出現した島の事は、エリー姉様も把握してるらしい。
「津波が心配だから、海岸から離れてて欲しいんだけど…」
「津波?それは何だ?」
「あー…」
地震もないこの世界では、分からないのか…結界張ったりとか、対策はするつもりだけど。
「ヤブラン、島を落としたら、大きい波が来るかもだから、その時は結界で対応して。シュガーもお願いね」
「良く分からぬが…承知した」
「任せるにゃー!」
最悪結界で取りこぼしても、シュガーが空間遮断してくれるだろう。
島の上までロングワープ!…うわ。寒っ!
慌ててコートを着て、島に手をつく。
…位置の状態固定…これを、まず反重力をかけて、時間遅延も…それで、外す。
島はスーッと降下していく。更に…更にゆっくりと。胃が口から出ちゃうよ!
かなりの時間をかけて降下。着水は更に丁寧に。
波は立ったけど、ヤブランが防いでくれた。
あー…神経が物凄い勢いで削られた…疲れたよ。
「大丈夫にゃ?」
「ん…ちょっと休ませて」
え…シュガーが私を抱っこって…確かにシュガーよりは小さいけどさ!見た目的にちょっと…うわ!
そのままシュガーがショートワープしたみたいだ。
見ると、陸地から島は結構離れている。離れすぎかな…あと、海底に刺さった所から高さがある。
気温が変わる程じゃないし、平気かな?
あとで橋をかけるかどうか、確認してみよう。あの程度なら、土魔法で橋はかけられる。
「大丈夫?メイ」
「エリー姉様…ちょっと精神的ダメージが…大丈夫です。それより後の事はお願いします」
「勿論よ。メイはお城で休んでいて。ね?」
ヤブランとランスが、どちらが私を抱っこするかで揉めてるけど、フレイムが横からさらっと抱き上げた。
(ヤブランはここにいて、アルカームさんをお願い)
(くっ…承知した)
(あと、島に生えているのはこの気温では駄目になっちゃうものだと思う。相談して、貴重な物があったら、回収を手伝ってあげて)
眠い…アルミネアの付与はかなり強力なものだった。島の為の状態保存を残して解除するのもかなり力任せにやったな…これで、いいんだよね?
フレイムの体温がぽかぽかと暖かい。フレイムは人より体温が高いからな…お休みなさい。
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