【完結】高級男娼の俺を一週間買った男は不能でした

華抹茶

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「テオ様…。では前の時みたいにやってみますね」

「…それなんだが、今回はお願いがある。俺に抱かせてくれないか?」

「へ?」

 抱く? テオ様が? 俺を? 不能なのに? え?

 ポカンとした俺をそのまま優しく押し倒してキスをしてきた。あたたかい舌が入り込んで口内を暴れまわる。テオ様とのキスをうっとりと感じていたらそのまま服を脱がされた。

 露になった乳首をくりくりと弄られて俺の口からは甘い声が漏れる。それを聞いたテオ様はキスを止めて俺の乳首をぺろぺろと舐めだした。

「あ…んん…」

「ここも良さそうだな、イルミリオ」

 たっぷりと舐った後は俺の兆したペニスに手を当てた。軽く扱いてすぐ、なんとテオ様はそれを口にいれてしまった。

「え!? ちょっ!? テオ様!? ダメ、ですっ、そんな事、させられっあ! …んあっ、あんっ!」

 客のを舐めるばっかりで、俺のを舐められるなんてほとんどない。テオ様に奉仕させるなんてあってはならない。だけどテオ様はじゅぶじゅぶとさも美味しそうに口の中へと入れて俺を翻弄する。

「待ってっ、テオ様ぁ! そのままじゃ、俺、イっちゃう! 出ちゃうからぁ!」

 待ってって言ってるのにより早さを増してしゃぶりだした。口の中に出すわけにはいかないとぐっと我慢したけど、意味はなく。とうとうテオ様の口の中に勢いよく放ってしまった。

「はぁ、はぁ…すみませんっテオ様! 早く、早く口から出してください!」

「ん…んぐ。はぁ…なるほど。こういう味なのか」

「ちょ…何やってんですかー! 何サラッと飲んでるんです!? 信じられない…み、水! 水をっ!」

 慌てる俺をよそにくつくつと笑うテオ様。笑い事じゃない! そして水を淹れようとした手を取られまた押し倒された。

「大丈夫だ。美味かったぞ」

 いたずらが成功した子供みたいな顔で笑って、そう宣った。ふわぁ、その笑顔反則ぅ!

 そしてローションを手に取り、しっかりと纏わせて俺の蕾へと指を入れた。ぐちゅぐちゅといやらしい音を鳴らし、一本二本と指は増えていく。

「…柔らかいな。それだけ客を取っているということか…くそっ」

 良く聞こえなかったけど、ぼそっと呟いたら手の動きが早くなって俺は簡単に翻弄された。客には俺が気持ち良くなっていると思ってもらわないといけないから演技だってする。というかほとんどが演技だ。
 だけどテオ様にされているからなのか、演技をする必要がないほどに気持ち良かった。

「よし、これくらいでいいだろう。…イルミリオ、挿れるぞ」

 そう言ってテオ様はズボンを降ろすと、俺が触ってもいないのに立派に兆した屹立が飛び出してきた。

「え…嘘」

 そしてそれを躊躇することなく俺の蕾へと宛がい、ぐっと腰を推し進めて中へと入って来た。

「あ、あ、あ…入って、きたぁ…」

 あの時だって、たったの一回。それも短い時間。俺の中へ入ったことのあるソレが、再び自ら俺の中へと入ってきている。もうそれだけで感動ものだった。

 最後まで入り切ったあとは、もうただただ揺さぶられるだけだった。俺が望んだガンガンに突き上げて欲しいと思っていたことが今実現している。

「あっあん!…テオ、様っ! …んあ、あ、あんっ…すご、いぃ…」

「はっ、はっ、イルミリオ! ミリオ!」

 何度も肉がぶつかる音とぐちゅぐちゅと泡立った水音と、お互いの息遣いと喘ぎ声。そして叫ぶように互いの名前を呼び合う。
 テオ様の顔はまるで獣のようで、強くて凛々しくて見惚れていた。額から流れ落ちる汗が色っぽい。
 
 まるで俺を食べんとするかのように激しくぶつかってくる。何度も何度も。その熱に心が歓喜する。

「テオ様っテオ様っ! もっと! 俺を、求めてっ!」

「ミリオっ! 俺は、お前だけだっ! こうやって、抱けるのも、抱かれることが出来るのも、お前しか、無理なんだっ」

「俺も、俺もっ! テオ様に、会いたかったっ…」

「ミリオっ…ぐぅ…もうイクぞっ。俺を、受け止めてくれ」

「はいっ! 俺も、もう…イキそうっ! 中に、中に出して! テオ様! …っあああああ!」

「ぐぅっ…!」

 そして俺は弾けるように白濁液を吐き出した。それと同時にテオ様も俺の中へと吐き出している。中でぴくぴくと動いているのを感じて、ああ、不能じゃなくなったんだ、よかった、とぼんやりそんなことを思っていた。

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