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5章 猫の恩返し
61話 領主邸の崩壊
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今、大樹マナリオのいるエリアにて、三毛猫のミケーネが猫語で熱心に自分の編み出したヌメリ除去の方法を語っている。無論、私以外の参加者たちには「ミャミャミャミャ」としか聞こえないけど、そこは私がフォローしているので、全員が真剣に聞いてくれている。
講義も約15分ほどで無事に終了したけど、その後の話し合いで、問題がいくつか発生した。[スキル《液体操作》によるヌメリの回転]に関しては、[風を利用した回転で代用する]で落ち着いたけど、問題はその回転数だ。どれだけの速度で何回転させれば爆散してくれるのか、これがミケーネ自身にもわからない。多分、練習を重ねれば、他の人たちでもミケーネやシロと同レベルの操作が可能になると思うけど、かなりの時間を要すると思う。この論議は平行線のまま進みそうになかったので、結局今ここでミケーネとシロがヌメリ除去を実行することになった。数が199個もあるので、フリードや10匹の猫たちにも協力してもらい、約2時間ほどで全ての個数をやり遂げることができた。[肉]と[ヌメリ]に関しては、私の持つベイツさんのバッグに全て収納したので問題ない。
ヌメリの除去が全て終わったところで、ユウキが拡声器を使い、こちらの状況を街内の人々に伝え、皆を安心させた。テンタクルズオクトパスのヌメリ、ミケーネとシロを含めた猫たちがこの大難題を克服してくれたことで、フェスタの主催者や参加者たちだけでなく、もしかしたら街の人々全員が、猫たちのことを【街の救世主】と思ってくれるかもしれない。猫たちの評価が上がれば、その分生活環境も良くなり、生きやすくなる。もう少しで開店予定となる猫カフェの宣伝にもなるから、これは嬉しい兆候だよ。
そして、肝心の肉の方だけど、既に調理方法を思いつき、すぐにでも調理可能な人々がいる場合は、審査員に宣言することになっている。今日調理する人々には、肉を渡していく予定だ。
ふと思ったけど、今肉は1キロで199人分あるけど、料理を使った後に残る肉の方はどうなるのかな? このバッグに入れても良いけど、さすがに誰のかまではわからなくなるわ。もし、1キロ分の肉を全て調理するとなると、とてもじゃないけど199
人分(199キロ)を3人の審査員だけで食べきれないわ。
そこは、まだ議論中なのかな?
○○○
その後の話し合いにより、今日のテンタクルズオクトパスの調理希望者は8名と決まった。人数も少ないから、近くの定食屋を急遽貸し切って、その場で全員の料理を食べるみたい。当然、バッグを持つ私も同行しないといけないのだけど、今日に限っては、私自身が領主様の邸に行って、魔物の本体を収納させるという大事な任務を受け持っており、そこで何が起こるかもわからないので、急遽今いる主催者テントにて、8キロ分の肉を全て主催者側に渡した。
そして、初日の8人の参加者たちは、1人1キロの肉を貸し切りとなる定食屋で全て調理し、誰かに平らげてもらわないといけなくなった。合計8キロ分となると相当量なので、主催者側はある手段をとる。
それが【味見係】だ。
ユウキが魔道具[拡声器]を経由して、定食屋の該当する地区限定で、平民の中でも裕福でない貧民層の人々を先着30名を招待すると伝えることで、8キロもある肉の件に関してはすぐに解決した。ちなみに、同じ平民であっても、貧民と言われている人々は、顔色や服装だけで判別可能みたい。
私の露店に関してはユウキに引き継いでもらい、私自身はフリードと共に、急いで領主邸へと向かった。一旦、マナリオのいる社へ入り、彼に今の状況を伝えてから、誰にも見えない死角となる位置で、フリードによる法術[瞬間移動]を使い、一瞬で領主邸へと到着した。今まで言葉だけは聞いていたけど、私自身が実際に移動するのは初めてだ。
フリードが術を放った瞬間、景色が瞬時に切り替わる。今、私の目の前には、崩れ落ちた邸があり、大勢の人々が瓦礫の中から何かを探している。これが【瞬間移動】や【転移魔法】なんだと感慨耽っていると、右側から強烈な視線を感じたので、そっちを振り向くと……巨大な何かの目と視線が合った。
「ほああああ~~巨大生物が目の前にいる~~~~」
もしかして、これがテンタクルズオクトパス?
イカのような形態だけど、足がタコのような形だわ。
20~30メートルの大きさと聞いているけど、視認しただけではよく解らない。ただ、大きいことだけは理解できるわ。冒険者たちは、こんな巨大魔物とも戦っているんだ。あ、魔物を見て驚いたせいか、視界が急に広くなった。今いる場所は邸の庭園、邸が全壊し、生き埋めになっていた人が大勢いるのだから、怪我人も………あれ?
庭園内には、大勢の使用人の方々がいるけど、誰も怪我を負っていないわ。でも、服だけは薄汚れていて、所々破けている人もいる。
「おやおや、領主邸は情報通り、全壊のようですね。ふむ、ルウリとベイツが生き埋めになった怪我人を治療させたようですね。死者も少数ながらいるようです」
死者!?
あ、邸が全壊し、皆が生き埋めになったのなら、怪我だけじゃすまないわ。
フリードの見ている方向、庭園の端っことなる位置にシートで覆われている箇所がある。少し膨らんでおり、人の形となっているから、遺体があそこに集められているんだ。
「咲耶、それ以上考えないように。こういった事故事件は、世界中で起きています。今も何処かで、見知らぬ誰かが死んでいますし、逆に生まれてくる子もいるのです。他人の生死に、いちいち感傷的になってはいけません」
う、その通りなんだけど、目の前で起きてしまうと……そうだね。地球でも、そうだ。誰かが死んで、誰かが生まれてくる。人の生死は日常茶飯事、いちいち気にしていたら、心が壊れちゃうよ。
「ありがとう、心が軽くなったわ」
「いえいえ。さて、大きな瓦礫に関しても邪魔にならない場所へと撤去されているようですね。しかも、肝心の魔物の方も、ルウリがヌメリを除去してくれたようです」
フリードに言われて気づいたけど、私の右側に巨大魔物、左側のかなり離れた箇所にヌメリが地面に置かれているわ。
私の今いる場所は邸の庭園中央、石畳できれいに舗装されており、邸が全壊していなければ、優雅な光景が私の目に飛び込んできたと思う。
邸の生存者たちが、瓦礫から使える家財道具などを探し出し、それを見つけては区分して置いているのね。
「咲耶、フェスタの会場の方は大丈夫なのか?」
ベイツさんが私とフリードに気づいて、こっちに来てくれた。
「はい、あっちの方も騒動が終息して、8名の方が調理段階に入っています」
領主様は領主邸崩壊の報を聞いても、街中で起きた騒ぎを終息すべく、今も奔走している。領主邸が崩壊し、知り合いが亡くなっても、自分が領主である以上、街の平和を保てたねばならない。今日の朝も、『私は、この騒動を起こした犯人を必ず突き止める‼︎』と豪語し、皆を鼓舞して指揮を高めていたわ。
私も頑張らないと‼︎
「それを聞いて一安心だ。こっちも、俺とルウリが怪我人を治療して、現在家財道具などを瓦礫から引っ張り出している。ルウリなんだが、こうなった原因を魔法で突き止め、現在犯人を追跡中だ。全く、精霊ってのは反則だな。俺でも知らない魔法を幾つも所持しているのだから」
ルウリは高位精霊、犯人を突き止める魔法も習得しているんだ。
「ほほほほ、私やルウリを侮らないことです。原因がマジックバックに仕組まれていた魔石と判明している以上、魔石の持つ記憶を魔法で呼び起こし、それを見れば良いだけのこと」
そんな魔法も存在するの!? 魔石の持つ記憶を呼び起こすって、それって漫画でいうサイコメトリーとかの部類だよ。
「法術師や魔法使いでも、そんな高度な魔法を使える奴は少数しかいないよ」
そうなんだ。
でも、その魔法や法術を使える人は、少数存在するのね。
私も読み取られないよう、気をつけよう。
「咲耶、早速で悪いが、ヌメリとこの魔物を俺のバッグに入れてほしい」
『というのはフリで、ヌメリに関しては俺のバッグに入れて良いんだが、肝心の巨大魔を入れてしまうと、残量がかなり少なくなってしまうから、バッグに入れたフリをして、君の【アイテムボックス】に収納してほしい』
これは、スキル[心通眼]経由による通信だ。人の場合だと、ベイツさん、ユウキ、リットの3人限定だけど、距離に関係なく通信可能だから、連絡を取り合うのにかなり楽になった。これだけの巨大生物となると、ベイツさんのバッグでも限界量近くになってしまうんだ。
「わかりました。収納」
周囲には大勢の使用人たちがいるから、私はバッグに入れるフリをして、自分のアイテムボックスに収納しておいた。私のボックスはほぼ0%だから、これだけ巨大な物を入れても、まだMAXの15%しか占めていない。魔物がいなくなったせいで、使用人たちの顔色がかなり良くなった。死体とはいえ、誰だって大きな目玉でギョロッと睨まれている状況だと動きにくいもの。
「助かる。これで動きやすくなる。任務を任された猫たちの状況はどうなっている?」
「あ、色々あって連絡をとっていませんでした。今から、通信を入れますね」
アマンガムさんの商会は、色んな分野で幅広く展開しているから、大勢のスパイたちが乗り込んでくるかもしれないし、既に潜んでいる可能性もある。今回、コーティング材に関わる場所だけでなく、商会の中でも売上トップ3に位置する店舗付近に、偵察中の猫たちを散開させている。この子たちはそこまで強くないから、極力戦闘にならないよう、怪しい人物がいたらフリードに助けを求めるよう言ってある。フリードなら、部下たちと自由に念話で会話可能だもの。
『偵察中のみんな~~~、そっちの状況を教えて~~~~』
てっきり、全員同時で《異常なしだよ~~~~》と言ってくるとばかり思っていたのだけど、想定外の返事が私に返ってきた。
講義も約15分ほどで無事に終了したけど、その後の話し合いで、問題がいくつか発生した。[スキル《液体操作》によるヌメリの回転]に関しては、[風を利用した回転で代用する]で落ち着いたけど、問題はその回転数だ。どれだけの速度で何回転させれば爆散してくれるのか、これがミケーネ自身にもわからない。多分、練習を重ねれば、他の人たちでもミケーネやシロと同レベルの操作が可能になると思うけど、かなりの時間を要すると思う。この論議は平行線のまま進みそうになかったので、結局今ここでミケーネとシロがヌメリ除去を実行することになった。数が199個もあるので、フリードや10匹の猫たちにも協力してもらい、約2時間ほどで全ての個数をやり遂げることができた。[肉]と[ヌメリ]に関しては、私の持つベイツさんのバッグに全て収納したので問題ない。
ヌメリの除去が全て終わったところで、ユウキが拡声器を使い、こちらの状況を街内の人々に伝え、皆を安心させた。テンタクルズオクトパスのヌメリ、ミケーネとシロを含めた猫たちがこの大難題を克服してくれたことで、フェスタの主催者や参加者たちだけでなく、もしかしたら街の人々全員が、猫たちのことを【街の救世主】と思ってくれるかもしれない。猫たちの評価が上がれば、その分生活環境も良くなり、生きやすくなる。もう少しで開店予定となる猫カフェの宣伝にもなるから、これは嬉しい兆候だよ。
そして、肝心の肉の方だけど、既に調理方法を思いつき、すぐにでも調理可能な人々がいる場合は、審査員に宣言することになっている。今日調理する人々には、肉を渡していく予定だ。
ふと思ったけど、今肉は1キロで199人分あるけど、料理を使った後に残る肉の方はどうなるのかな? このバッグに入れても良いけど、さすがに誰のかまではわからなくなるわ。もし、1キロ分の肉を全て調理するとなると、とてもじゃないけど199
人分(199キロ)を3人の審査員だけで食べきれないわ。
そこは、まだ議論中なのかな?
○○○
その後の話し合いにより、今日のテンタクルズオクトパスの調理希望者は8名と決まった。人数も少ないから、近くの定食屋を急遽貸し切って、その場で全員の料理を食べるみたい。当然、バッグを持つ私も同行しないといけないのだけど、今日に限っては、私自身が領主様の邸に行って、魔物の本体を収納させるという大事な任務を受け持っており、そこで何が起こるかもわからないので、急遽今いる主催者テントにて、8キロ分の肉を全て主催者側に渡した。
そして、初日の8人の参加者たちは、1人1キロの肉を貸し切りとなる定食屋で全て調理し、誰かに平らげてもらわないといけなくなった。合計8キロ分となると相当量なので、主催者側はある手段をとる。
それが【味見係】だ。
ユウキが魔道具[拡声器]を経由して、定食屋の該当する地区限定で、平民の中でも裕福でない貧民層の人々を先着30名を招待すると伝えることで、8キロもある肉の件に関してはすぐに解決した。ちなみに、同じ平民であっても、貧民と言われている人々は、顔色や服装だけで判別可能みたい。
私の露店に関してはユウキに引き継いでもらい、私自身はフリードと共に、急いで領主邸へと向かった。一旦、マナリオのいる社へ入り、彼に今の状況を伝えてから、誰にも見えない死角となる位置で、フリードによる法術[瞬間移動]を使い、一瞬で領主邸へと到着した。今まで言葉だけは聞いていたけど、私自身が実際に移動するのは初めてだ。
フリードが術を放った瞬間、景色が瞬時に切り替わる。今、私の目の前には、崩れ落ちた邸があり、大勢の人々が瓦礫の中から何かを探している。これが【瞬間移動】や【転移魔法】なんだと感慨耽っていると、右側から強烈な視線を感じたので、そっちを振り向くと……巨大な何かの目と視線が合った。
「ほああああ~~巨大生物が目の前にいる~~~~」
もしかして、これがテンタクルズオクトパス?
イカのような形態だけど、足がタコのような形だわ。
20~30メートルの大きさと聞いているけど、視認しただけではよく解らない。ただ、大きいことだけは理解できるわ。冒険者たちは、こんな巨大魔物とも戦っているんだ。あ、魔物を見て驚いたせいか、視界が急に広くなった。今いる場所は邸の庭園、邸が全壊し、生き埋めになっていた人が大勢いるのだから、怪我人も………あれ?
庭園内には、大勢の使用人の方々がいるけど、誰も怪我を負っていないわ。でも、服だけは薄汚れていて、所々破けている人もいる。
「おやおや、領主邸は情報通り、全壊のようですね。ふむ、ルウリとベイツが生き埋めになった怪我人を治療させたようですね。死者も少数ながらいるようです」
死者!?
あ、邸が全壊し、皆が生き埋めになったのなら、怪我だけじゃすまないわ。
フリードの見ている方向、庭園の端っことなる位置にシートで覆われている箇所がある。少し膨らんでおり、人の形となっているから、遺体があそこに集められているんだ。
「咲耶、それ以上考えないように。こういった事故事件は、世界中で起きています。今も何処かで、見知らぬ誰かが死んでいますし、逆に生まれてくる子もいるのです。他人の生死に、いちいち感傷的になってはいけません」
う、その通りなんだけど、目の前で起きてしまうと……そうだね。地球でも、そうだ。誰かが死んで、誰かが生まれてくる。人の生死は日常茶飯事、いちいち気にしていたら、心が壊れちゃうよ。
「ありがとう、心が軽くなったわ」
「いえいえ。さて、大きな瓦礫に関しても邪魔にならない場所へと撤去されているようですね。しかも、肝心の魔物の方も、ルウリがヌメリを除去してくれたようです」
フリードに言われて気づいたけど、私の右側に巨大魔物、左側のかなり離れた箇所にヌメリが地面に置かれているわ。
私の今いる場所は邸の庭園中央、石畳できれいに舗装されており、邸が全壊していなければ、優雅な光景が私の目に飛び込んできたと思う。
邸の生存者たちが、瓦礫から使える家財道具などを探し出し、それを見つけては区分して置いているのね。
「咲耶、フェスタの会場の方は大丈夫なのか?」
ベイツさんが私とフリードに気づいて、こっちに来てくれた。
「はい、あっちの方も騒動が終息して、8名の方が調理段階に入っています」
領主様は領主邸崩壊の報を聞いても、街中で起きた騒ぎを終息すべく、今も奔走している。領主邸が崩壊し、知り合いが亡くなっても、自分が領主である以上、街の平和を保てたねばならない。今日の朝も、『私は、この騒動を起こした犯人を必ず突き止める‼︎』と豪語し、皆を鼓舞して指揮を高めていたわ。
私も頑張らないと‼︎
「それを聞いて一安心だ。こっちも、俺とルウリが怪我人を治療して、現在家財道具などを瓦礫から引っ張り出している。ルウリなんだが、こうなった原因を魔法で突き止め、現在犯人を追跡中だ。全く、精霊ってのは反則だな。俺でも知らない魔法を幾つも所持しているのだから」
ルウリは高位精霊、犯人を突き止める魔法も習得しているんだ。
「ほほほほ、私やルウリを侮らないことです。原因がマジックバックに仕組まれていた魔石と判明している以上、魔石の持つ記憶を魔法で呼び起こし、それを見れば良いだけのこと」
そんな魔法も存在するの!? 魔石の持つ記憶を呼び起こすって、それって漫画でいうサイコメトリーとかの部類だよ。
「法術師や魔法使いでも、そんな高度な魔法を使える奴は少数しかいないよ」
そうなんだ。
でも、その魔法や法術を使える人は、少数存在するのね。
私も読み取られないよう、気をつけよう。
「咲耶、早速で悪いが、ヌメリとこの魔物を俺のバッグに入れてほしい」
『というのはフリで、ヌメリに関しては俺のバッグに入れて良いんだが、肝心の巨大魔を入れてしまうと、残量がかなり少なくなってしまうから、バッグに入れたフリをして、君の【アイテムボックス】に収納してほしい』
これは、スキル[心通眼]経由による通信だ。人の場合だと、ベイツさん、ユウキ、リットの3人限定だけど、距離に関係なく通信可能だから、連絡を取り合うのにかなり楽になった。これだけの巨大生物となると、ベイツさんのバッグでも限界量近くになってしまうんだ。
「わかりました。収納」
周囲には大勢の使用人たちがいるから、私はバッグに入れるフリをして、自分のアイテムボックスに収納しておいた。私のボックスはほぼ0%だから、これだけ巨大な物を入れても、まだMAXの15%しか占めていない。魔物がいなくなったせいで、使用人たちの顔色がかなり良くなった。死体とはいえ、誰だって大きな目玉でギョロッと睨まれている状況だと動きにくいもの。
「助かる。これで動きやすくなる。任務を任された猫たちの状況はどうなっている?」
「あ、色々あって連絡をとっていませんでした。今から、通信を入れますね」
アマンガムさんの商会は、色んな分野で幅広く展開しているから、大勢のスパイたちが乗り込んでくるかもしれないし、既に潜んでいる可能性もある。今回、コーティング材に関わる場所だけでなく、商会の中でも売上トップ3に位置する店舗付近に、偵察中の猫たちを散開させている。この子たちはそこまで強くないから、極力戦闘にならないよう、怪しい人物がいたらフリードに助けを求めるよう言ってある。フリードなら、部下たちと自由に念話で会話可能だもの。
『偵察中のみんな~~~、そっちの状況を教えて~~~~』
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