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小話系
フェティッシュ 1
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※ 変態なのに、やけに堂々としている厚木くん。の、小話。衝動書き。
「…」
吉継は、机の上に置かれた箱をじーっと見つめた。
それはなにが入っているのかわからなかったからだった。
そのうえなんとも言えない派手な色をしている。
派手なピンク色に、濃いめの赤紫色に赤色。そして黒と濃い青が差し色的に配色されているが、端から端まで目に痛い。
大きさは手のひらに乗るくらい。厚みはなく、吉継の指一本分くらいの厚みで、重いものが入っているようには見えない。
食欲と無縁そうな配色は、食べ物が入っているわけではなさそうで。
風邪薬でも、タオル、ハンカチとかでもなさそうだ。
中身が全く想像できない。
でも、ここは厚木の会社だ。
厚木の会社の社長室の隣に作られた仮眠室、通称社畜部屋。
いつもは、笠井の計らいにより、吉継のためのおやつや、厚木と食べるための夕食が置かれているテーブルに、今日は小さい箱が一個。
謎すぎる。
仕事が終わり、小腹を空かせてきた吉継は、少し、いやかなり、”笠井の計らい”を期待していたので、肩透かしを食らった気分だった。
社長室に繋がる扉をノックして、顔を出す。
「厚木さん、こんばんは」
「ああ」
厚木はパソコンの画面から目を離さない。
いつものことなので、気にしない。
「すぐ行く、待ってろ」
「はい」
珍しいこともあるものだ。
大抵、食事をして、ゴロゴロできるくらいの時間は待たされることが多い。厚木は一日の9割くらい仕事をしている。残りの1割でやっと、風呂飯寝る吉継なのだ。過労死ラインをぶっちぎりで超えているのに、ぜんぜん死ぬ気配がない。なんなら、生き生きしている。三食しっかり食べて、おやつも食べて、睡眠時間も充分確保できて、のんびりした環境で福利厚生も充実している職場で働いている吉継には理解ができない世界だ。厚木の会社の支店なのだが。
なにもすることがなく、新聞の4コマ漫画を読んでいたら、厚木が入ってきた。本当にすぐ来た。珍しい。
「吉継」
「はい」
厚木は吉継の隣に腰を下ろし、新聞をたたんでラックに仕舞う吉継を見ている。
「箱の中身を見たか」
「見てません」
その箱をつい凝視してしまったが、興味からではなかった。
食べるものが無くて、ショックを受けていたのだ。
素っ気ない吉継に気を悪くした風でもなく、厚木は手に取った箱を、吉継に渡してきた。
「おまえのだ」
「は?」
「おまえのだと言った」
ぽんと気軽に手のひらに置かれた。
想像通り軽い。
「俺…こんなのいりません…」
中身はわからないまでも、命令以外、厚木からもらった物が吉継の欲しかったものだったことがない。筆頭は車だ。まあ、乗っているが。
「開けてみろ」
渋々言われた通りにする。
「…」
ぴらっ。
まさにぴらっと音がしそうなくらいふんわり何気なく出てきたのは、下着だった。
「これ、…俺の…?」
「ああ」
心底いらない。
「まあ、着替えてみろ」
厚木のドヤ顔と、手にした軽い下着を交互に見ながら、何にも例えられない気持ちになった吉継だった。
「…」
吉継は、机の上に置かれた箱をじーっと見つめた。
それはなにが入っているのかわからなかったからだった。
そのうえなんとも言えない派手な色をしている。
派手なピンク色に、濃いめの赤紫色に赤色。そして黒と濃い青が差し色的に配色されているが、端から端まで目に痛い。
大きさは手のひらに乗るくらい。厚みはなく、吉継の指一本分くらいの厚みで、重いものが入っているようには見えない。
食欲と無縁そうな配色は、食べ物が入っているわけではなさそうで。
風邪薬でも、タオル、ハンカチとかでもなさそうだ。
中身が全く想像できない。
でも、ここは厚木の会社だ。
厚木の会社の社長室の隣に作られた仮眠室、通称社畜部屋。
いつもは、笠井の計らいにより、吉継のためのおやつや、厚木と食べるための夕食が置かれているテーブルに、今日は小さい箱が一個。
謎すぎる。
仕事が終わり、小腹を空かせてきた吉継は、少し、いやかなり、”笠井の計らい”を期待していたので、肩透かしを食らった気分だった。
社長室に繋がる扉をノックして、顔を出す。
「厚木さん、こんばんは」
「ああ」
厚木はパソコンの画面から目を離さない。
いつものことなので、気にしない。
「すぐ行く、待ってろ」
「はい」
珍しいこともあるものだ。
大抵、食事をして、ゴロゴロできるくらいの時間は待たされることが多い。厚木は一日の9割くらい仕事をしている。残りの1割でやっと、風呂飯寝る吉継なのだ。過労死ラインをぶっちぎりで超えているのに、ぜんぜん死ぬ気配がない。なんなら、生き生きしている。三食しっかり食べて、おやつも食べて、睡眠時間も充分確保できて、のんびりした環境で福利厚生も充実している職場で働いている吉継には理解ができない世界だ。厚木の会社の支店なのだが。
なにもすることがなく、新聞の4コマ漫画を読んでいたら、厚木が入ってきた。本当にすぐ来た。珍しい。
「吉継」
「はい」
厚木は吉継の隣に腰を下ろし、新聞をたたんでラックに仕舞う吉継を見ている。
「箱の中身を見たか」
「見てません」
その箱をつい凝視してしまったが、興味からではなかった。
食べるものが無くて、ショックを受けていたのだ。
素っ気ない吉継に気を悪くした風でもなく、厚木は手に取った箱を、吉継に渡してきた。
「おまえのだ」
「は?」
「おまえのだと言った」
ぽんと気軽に手のひらに置かれた。
想像通り軽い。
「俺…こんなのいりません…」
中身はわからないまでも、命令以外、厚木からもらった物が吉継の欲しかったものだったことがない。筆頭は車だ。まあ、乗っているが。
「開けてみろ」
渋々言われた通りにする。
「…」
ぴらっ。
まさにぴらっと音がしそうなくらいふんわり何気なく出てきたのは、下着だった。
「これ、…俺の…?」
「ああ」
心底いらない。
「まあ、着替えてみろ」
厚木のドヤ顔と、手にした軽い下着を交互に見ながら、何にも例えられない気持ちになった吉継だった。
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