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小話系
同担拒否 1
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※吉継くんが攻め少年にロックオンされる小話です。
「蘭さん、明日の夜はヒマ?」
「暇…じゃない…です」
「えーじゃあ明後日!」
「明後日も…」
「はぁ~?じゃあいつ会えんの?」
「あ…ぅ、ら来週…」
いつになったら諦めてくれるのかわからないまま、ただ聞かれたことを愚直に答えていくしか手札がない吉継は、かなり困惑していた。
目の前には、ピチピチの男子中学生。吉継よりも頭ひとつよりも低い背丈に小柄ながら目だけは大きく力強い少年は、項垂れたキリンに追い打ちをかけるべく吠えまくる小型犬のようだった。
年頃らしい可愛さが残る少年は、もはや見守る対象ではない。鬼気迫る勢いの半目で吉継を射抜いた。
「だーかーらー練習以外が良いって言ってんの!」
「うぅ…」
「聞いてる?」
「は、はい…」
尋問のような予定確認。強すぎる押しに慣れない吉継は。
いいように転がされていた。
「で?」
厚木に、「次の木曜は来ません」と言ったときは、聞いているのかわからないくらいの反応だったのだが。なぜか吉継は、ここでも尋問される羽目になった。
「用事か?」と聞かれ、「靴を買いに行く付き添いです」「山科か」「バレーの人です」など聞かれるまま答えていくうちに、厚木がため息を吐きはじめたので、「?」持病の癪?働き過ぎはやっぱり良くないから早く退職したらいいのにと心配したのに。
「…で?…って何ですか?」
「ソイツは誰だと聞いている」
「バレーの人です」
「さっきも聞いた」
「はい」
吉継は週に一回、仕事帰りに近くの市民体育館でバレーボールの練習をしている。元はママさんバレーのチームだったのだが、メンバーが集まらず、今はメンバーを広く受け入れている。”ソイツ”とは、ママさん時代から所属するメンバーの息子で同じチームの、『清水くん』だ。下の名前は忘れた。
厚木の表情には、ありありと『鈍い、話にならない』と書いてあったが、聞かれたことには答えましたと得意気にしている吉継が気づくはずもない。
「ソイツは老若男女でいうと、どの辺りだ」
しょうもない質問だが、カテゴリーを与えないと大男には伝わらない。
「男の子です。中学生で、厚木さんより小さいです」
そしてなぜか聞かれていないことも言うのが吉継だった。
「名前は」
「清水くんです」
「その靴を買いに行くというのは、お前から誘ったのか」
「清水くんに誘われました」
「…二人で行くのか」
「はい」
厚木の質問が切れたので、やっと終わったと思った吉継は、厚木が取引先にもらったというフルーツゼリーに手を伸ばしていた。
「俺も行く」
「は?」
「俺も行くと言った」
「嫌です!」
「なぜ」
「なぜって…」
中学生との買い物で、保護者同伴は格好悪いからだ。
「厚木さんは仕事してください」
初めて吉継が厚木に対して仕事をしていてほしいと思った瞬間だった。
「蘭さん、明日の夜はヒマ?」
「暇…じゃない…です」
「えーじゃあ明後日!」
「明後日も…」
「はぁ~?じゃあいつ会えんの?」
「あ…ぅ、ら来週…」
いつになったら諦めてくれるのかわからないまま、ただ聞かれたことを愚直に答えていくしか手札がない吉継は、かなり困惑していた。
目の前には、ピチピチの男子中学生。吉継よりも頭ひとつよりも低い背丈に小柄ながら目だけは大きく力強い少年は、項垂れたキリンに追い打ちをかけるべく吠えまくる小型犬のようだった。
年頃らしい可愛さが残る少年は、もはや見守る対象ではない。鬼気迫る勢いの半目で吉継を射抜いた。
「だーかーらー練習以外が良いって言ってんの!」
「うぅ…」
「聞いてる?」
「は、はい…」
尋問のような予定確認。強すぎる押しに慣れない吉継は。
いいように転がされていた。
「で?」
厚木に、「次の木曜は来ません」と言ったときは、聞いているのかわからないくらいの反応だったのだが。なぜか吉継は、ここでも尋問される羽目になった。
「用事か?」と聞かれ、「靴を買いに行く付き添いです」「山科か」「バレーの人です」など聞かれるまま答えていくうちに、厚木がため息を吐きはじめたので、「?」持病の癪?働き過ぎはやっぱり良くないから早く退職したらいいのにと心配したのに。
「…で?…って何ですか?」
「ソイツは誰だと聞いている」
「バレーの人です」
「さっきも聞いた」
「はい」
吉継は週に一回、仕事帰りに近くの市民体育館でバレーボールの練習をしている。元はママさんバレーのチームだったのだが、メンバーが集まらず、今はメンバーを広く受け入れている。”ソイツ”とは、ママさん時代から所属するメンバーの息子で同じチームの、『清水くん』だ。下の名前は忘れた。
厚木の表情には、ありありと『鈍い、話にならない』と書いてあったが、聞かれたことには答えましたと得意気にしている吉継が気づくはずもない。
「ソイツは老若男女でいうと、どの辺りだ」
しょうもない質問だが、カテゴリーを与えないと大男には伝わらない。
「男の子です。中学生で、厚木さんより小さいです」
そしてなぜか聞かれていないことも言うのが吉継だった。
「名前は」
「清水くんです」
「その靴を買いに行くというのは、お前から誘ったのか」
「清水くんに誘われました」
「…二人で行くのか」
「はい」
厚木の質問が切れたので、やっと終わったと思った吉継は、厚木が取引先にもらったというフルーツゼリーに手を伸ばしていた。
「俺も行く」
「は?」
「俺も行くと言った」
「嫌です!」
「なぜ」
「なぜって…」
中学生との買い物で、保護者同伴は格好悪いからだ。
「厚木さんは仕事してください」
初めて吉継が厚木に対して仕事をしていてほしいと思った瞬間だった。
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