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小話系
同担拒否 3
しおりを挟む「俺とパートナーになって!」
清水くんの表情は真剣そのもので、本気だとわかる。まさか清水くんにダイナミクス絡みのことを言われるとは思っていなかった吉継は、軽く混乱していた。
そのうえ、パートナー?
ありえない。
「清水くんはDomですか」
「そーだよ?見たらわかるでしょ!」
わからない。吉継は自分でDomを嗅ぎ分ける嗅覚は鋭い方だと思っていた。でも、清水くんはどうだろう。言われたら、やたら押しが強いとは思っていたけど、子ども特有の向こう見ずでまっすぐな性質が強くでているだけだと思っていた。でも、それがDomの性質に繋がるとか…?
「ま、待って」
「なに?」
吉継の記憶では、ダイナミクスの検査は高校の入学と同時くらいだった。
「清水くんは高校生ですか?」
「中2!」
身を乗り出して主張してこられても、ますます意味不明になっただけだった。清水くんは見た目のサイズは年齢相応に見えるけれど、最近の中学生は発育がいいから、見えないところで成長しているのかも知れない。だけど、中学校でダイナミクスの検査はしていなかったはずで。
「わかりません、どうしてDomだとわかりましたか?」
「…」
清水くんが口を噤む。不思議に思って、吉継がじいっと清水くんを見ていると、相談したかったのはこれ。と話しだした。
「俺…、最近変なんだよ」
「?」
「蘭さんがSubなのもわかるし、他の人も…わかるようになって…でも学校で習うほどDomもSubも多くないし…。こんなの困るよね…」
「はぁ…?」
「蘭さんとパートナーになりたいのはホントだけど…」
話が難しい。困っていることはわかるが、吉継に中学生の繊細な心に寄り添えるような技術はない。でも、わからないなりに、わかることもある。
「パートナーは無理です」
「そんな…!試しにプレイしてよ…っ一回!一回だけでいいから!」
「!」
清水くんに手を握られて、戸惑う。
その真剣な目の奥で揺らめくものが、吉継の中にあるSubの本能に触れたからだ。手を振り払おうとしたが、それよりも強い力で握られてしまい叶わなかった。
清水くんがDomだと言うのは本当だった。
足の先からゾワゾワしたものが上がってくる。
命令が欲しい。
「蘭さん、俺もう渇いて変になりそ…」
「あ…」
「お願い」
「だ、だめです…だめ…」
清水くんをDomだと認めた途端、Subの本能が疼きだす。Domの命令が欲しい。足元に跪きたい。踏んで酷くされたい。舐めたい。そして喜んでもらいたい。そんなもので頭がいっぱいになる。
「あ…」
「お願い。うんって言って」
Subの本能はDomなら誰でも良いと言っても、吉継の気持ちは違う。
「だ…だめです俺は…」
「でも、こんなの頼めるのは蘭さんしかいない、お願い」
どうしよう。
頭に浮かぶのは、厚木のいけ好かない顔だ。厚木とは吉継の泣き落としでパートナーになった経緯がある。吉継の欲しいものだけをくれるDomではないが、欲しい命令はちゃんとくれる。
目の前の清水くんが過去の自分と重なるだけに、こうしてお願いされるときれいに断れない。でも。
「お、俺は、厚木さんがいるから」
「あつぎさん?」
清水くんは唐突に出てきた名前に目をパチクリさせて動きを止めた。
そのとき、黄昏時の公園には全くそぐわない声が聞こえてきた。
「そこまでにしておけ」
聞き覚えがありすぎる声。
けれどここで聞くには違和感がありすぎる。
「あ…?」
「えっ?」
「同意のないプレイは倫理的にも法律的にも外れている」
「厚木さん」
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