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第57話 求める夢
しおりを挟む♫ わ れ、も……こ
と じ、た……る
と き……のこ、え
聴こえる。
どこからか……澄んだ、素晴らしい歌声が聴こえる。
どこ……どこ?
その声の場所に行きたいのに……いつまでも、光の道に追いつかない。
♫ わ が こ え
と ど、け
み こ は ど こ
み こ……
歌声が、私を呼んでいるように……聴こえてきた。
そこに、行きたい……何があるか知りたいと思うのに。
手を伸ばしても……光の道に、追いつけられない。
私を呼んでいるのなら、せめて……そこで待っていてほしい。
♫ お い で
お い で
こ こ に
お い で
「……行きますから!」
声を出してみると……ふ、と歌声が消えた。
光もどんどん小さくなっていき……私は、暗闇の中で唯一人……取り残されてしまった。
「……ど、こ」
この暗闇は……覚えがある。
あの城にいた時の……閉じ込められていた、粗末な部屋の。
闇夜に溶け込んだ……大嫌いな場所だ。
「いやあああああああああああ!!?」
叫んでも、喚いても。
私の近くに……皆様……珀瑛様も、何方もいらっしゃらなかった。
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