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第69話 お姉ちゃんの観察

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 んもぉ!?

 ミラは、可愛い可愛い可愛い可愛い!!

 私が女じゃなきゃ、ペロリと食べちゃいたいくらい!!

 けど……その役目は私じゃない。

 私がミラの肩を揺すってた手を払った、馬鹿虎の方だ。


「やめんか!? ミラが酔ったらどないすんねん!!」

「え~~? スキンシップは大事だよ!」


 特に、ミラは私達と同じ大精霊になったんだから!!

 魔力循環もだけど……もっともーっとくっついていたい!!

 ふわふわ柔らかで……いい匂いとかするんだもん?


「やかましい!? ミラも戸惑ってんで?」


 って言うから、ミラを見たんだけど……顔は真っ赤っか。

 やり過ぎたかと一瞬……思ったが。


(ぜ~~ったい、ハクのせいじゃん!?)


 あんたの気持ちは聞いたけどさ?

 ミラも……絶対、ハクのことを信頼している以上に想っているだろう。

 なんてったって、昨日ハクの世話になることを自分で選んだんだから!?


(あ~あ。お姉ちゃんとしては、残念ぅ~)


 今日会ったら、いっぱいい~っぱい、甘やかしてあげようと思ってたのに!!

 既に、ハクがその枠に埋まっていやがるし!?

 私は邪魔者除け者かよ!? とも思っていたけど。それはスイとかオーカも一緒だ。


「ふふ。ミラは可愛いね~?」


 それと……龍羽リュウハ様は嬉しいのか、ずっとニコニコだーけーどー。

 私は正直言って面白くない!!


「か……可愛い、でしょうか?」

「うんうん。ミラは可愛いよー? 神に愛されてる証拠の金の髪。魂を作り変えるほどに……人間から大精霊になった。これ以上にないってくらい」

「……まだ、よくわからないです」

「いいんだよ。これから、のんびり長く生きよう?」

「…………」


 なんて……健気なの!?

 少し前にもだけど……自分を痛めつけていた、あの腐ったヒトらを……憐れむだけで、憎みもしなかった。

 私とかだったら、すぐに属性の加護を引っぺがすのに……ミラはそう言うのを望まない。まだ……親代わりだったからって、心配してるんだろうねぇ?


「そうじゃ。これから幾千年以上時を過ごす。妾らとずっと一緒じゃ」

「……うん、一緒」

「一緒だよ~!」


 隙を見て、またダイブするように抱きつくと……恥ずかしいのか、すぐにミラの身体が熱くなった。ハクにもすぐに離れさせられたーけーどーぉ。


「同じ女だからって、抱きつき過ぎや!?」

「いいじゃーん? ハク羨ましいんでしょ?」

「……羨ましくは」


 してるって顔するな?

 ミラは鈍ちんさんだから気づかないだけで……他の皆はため息吐いてるんだからね?
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