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まかない婦のまかない
第4話 恋人との関係
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好きな人と二人きり。
出会ったばかりの頃は、そんな風に思わなかったのに……。アーネストさんも照れ臭いのか、頭を掻いていた。その仕草だけでも、やっぱりかっこいい。
お互いに照れていると、アーネストさんは私の肩を掴んだ。
「……少しだけ」
キスもした仲であるのに、アーネストさんはまだ付き合いが浅いせいで、毎回のように確認を取ってくる。ハグでもキスでも。
だから、今抱きしめられているのにも、確認を取るのだ。嬉しくないわけがないから、私がすぐに『どうぞ』とかで返事をする。
私は綺麗な格好をしていないのに、アーネストさんはそれはそれは嬉しそうに私を抱きしめてくれるのだ。服越しでも、温かな体温に私も嬉しくないわけがない。
「……君は温かいな?」
「……アーネストさんも」
ここが厨房だと言うのに、ステキに薔薇色に見える私は重症かもしれない。けど、異世界で初めての恋人だから……それだけ浮かれているのだ。
この人になら、コンプレックスでしかなかった自分の胸を受け入れてくれるかもしれない。
けど、まだこの世界の下着も満足に揃えていただいていないので、不躾に晒しを外すだなんて無理だけど。
「……イツキ、ひとつ提案なんだが」
体を少し離して、アーネストさんは私の顔を覗き込んできた。
「? はい?」
「その…………城下町までデートに行かないか?」
「え?!」
お出かけ。しかも、デート。
この世界ではまだお城の中以外に出たことのない世間知らずが、いきなり城下町に行ってもいいものか。
「エイペック料理長達にはきちんと話す。それに……君をほとんど知らない場所なら、女性らしい格好が出来るんじゃないか? 俺に贈らせて欲しい」
だなんて、太っ腹発言までされてしまった。
たしかに、私は一部には女性だとバレてしまっているが……料理長の意向もあり、ほとんど男装している。けど、アーネストさんとお付き合いを始めてからは……少しだけでも女らしい格好でいたいと思うようになった。
彼はひょっとして、そこに気づいてくれたかもしれない。
「……いいんでしょうか?」
「もちろん。君は正真正銘の女性なんだ。それらしい格好をしていいんだよ?」
「あ……ありがとうございます」
「本音は、俺が君のそう言う格好を見たいだけだ。……着飾った君を見たい」
と言って、軽くリップ音を立てながらほっぺにキスされてしまった!?
恥ずかしくて、思わず俯いてしまう。すると、髪を撫でてくれてから顎をくいっと上げられて……さらにキスをされてしまう!?
すぐ離れてくれたが、嬉し恥ずかしでアーネストさんにぎゅーっと抱きついてしまった!!
「ぅ……!!」
「はは。いつも俺より大人っぽい君が少女のように愛らしい」
「……そうですか?」
「ああ。だから、最初は歳上だと勘違いしかけていた」
「……普通のつもり、だったんですが」
「それも君の魅力さ」
だから、もっと知りたいと……アーネストさんは何度も私にキスをしてくれた。
出会ったばかりの頃は、そんな風に思わなかったのに……。アーネストさんも照れ臭いのか、頭を掻いていた。その仕草だけでも、やっぱりかっこいい。
お互いに照れていると、アーネストさんは私の肩を掴んだ。
「……少しだけ」
キスもした仲であるのに、アーネストさんはまだ付き合いが浅いせいで、毎回のように確認を取ってくる。ハグでもキスでも。
だから、今抱きしめられているのにも、確認を取るのだ。嬉しくないわけがないから、私がすぐに『どうぞ』とかで返事をする。
私は綺麗な格好をしていないのに、アーネストさんはそれはそれは嬉しそうに私を抱きしめてくれるのだ。服越しでも、温かな体温に私も嬉しくないわけがない。
「……君は温かいな?」
「……アーネストさんも」
ここが厨房だと言うのに、ステキに薔薇色に見える私は重症かもしれない。けど、異世界で初めての恋人だから……それだけ浮かれているのだ。
この人になら、コンプレックスでしかなかった自分の胸を受け入れてくれるかもしれない。
けど、まだこの世界の下着も満足に揃えていただいていないので、不躾に晒しを外すだなんて無理だけど。
「……イツキ、ひとつ提案なんだが」
体を少し離して、アーネストさんは私の顔を覗き込んできた。
「? はい?」
「その…………城下町までデートに行かないか?」
「え?!」
お出かけ。しかも、デート。
この世界ではまだお城の中以外に出たことのない世間知らずが、いきなり城下町に行ってもいいものか。
「エイペック料理長達にはきちんと話す。それに……君をほとんど知らない場所なら、女性らしい格好が出来るんじゃないか? 俺に贈らせて欲しい」
だなんて、太っ腹発言までされてしまった。
たしかに、私は一部には女性だとバレてしまっているが……料理長の意向もあり、ほとんど男装している。けど、アーネストさんとお付き合いを始めてからは……少しだけでも女らしい格好でいたいと思うようになった。
彼はひょっとして、そこに気づいてくれたかもしれない。
「……いいんでしょうか?」
「もちろん。君は正真正銘の女性なんだ。それらしい格好をしていいんだよ?」
「あ……ありがとうございます」
「本音は、俺が君のそう言う格好を見たいだけだ。……着飾った君を見たい」
と言って、軽くリップ音を立てながらほっぺにキスされてしまった!?
恥ずかしくて、思わず俯いてしまう。すると、髪を撫でてくれてから顎をくいっと上げられて……さらにキスをされてしまう!?
すぐ離れてくれたが、嬉し恥ずかしでアーネストさんにぎゅーっと抱きついてしまった!!
「ぅ……!!」
「はは。いつも俺より大人っぽい君が少女のように愛らしい」
「……そうですか?」
「ああ。だから、最初は歳上だと勘違いしかけていた」
「……普通のつもり、だったんですが」
「それも君の魅力さ」
だから、もっと知りたいと……アーネストさんは何度も私にキスをしてくれた。
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