一年で死ぬなら

朝山みどり

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ジェーン

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プリングル一族の一員になれた時はうれしかった。一族として華やかに暮らせると思ったから・・・

だけど、責任と義務が重い生活だった。暗黙のうちにリチャードやリズ、ブライアンを引き立てる役目を要求された。

特に同性のリズより前にでてはいけない生活だった。自然、似た立場のマチルダと仲良くなった。よく二人で愚痴をこぼしあった。

そんなある日、リズに叱られたルビーを見つけた。わたしたちは二人でルビーを慰めた。

前からリズはルビーに厳しいなと思っていたのだ。あんなに厳しくされたら普通の子供は潰れてしまう。

だけど、ルビーを慰めながらふとマチルダと目があった。同じ思いが見えた。


プリングル一族の次代の担い手として、ルビーを扱ったのだ。

面白いようにルビーは落ちていった。もともとクレアを下に見ていじめているのは知っていた。

そして、話していて、最初がエマだということがわかった。エマをリチャードもリズもブライアンも慕っている。子供時代そのままの気持ちを持っているようだ。

そのエマがクレアの事を母親を殺して生まれたんだとルビーに繰り返して言っていたのだ。

ルビーはクレアを虐げていい存在だと思ってしまい、実際に虐げた。

気づいたわたしたちは止めなければいけなかった。大人として止めなければ・・・・


だけど憎いリズの子供だ。とことん落としてやると思った。


そんなある日、あのクレアがお金を持っているとわかった。わたしが部屋を片付けている時に偶然、通知書をみて、見つけた。

少し借りて新しいドレスを作ろうと思ったが、一人だと勇気がないから、マチルダも誘った。

そのうちルビーも仲間にいれておこうと誘った。

クレアにはもったいなから使ってあげるのも人助けよねと笑うルビーを見て胸がすく思いだった。

リズの娘が泥棒をしているっていうので凄い満足感を味わった。

だが、最初はきちんと返していたが、いつしかそのままになり、気づいたら大きな金額になっていた。


そして、クレアが家出してなんでもルビーのやったことが大問題になったようだが、学院では箝口令がしかれ、街のうわさになることはなかった。


そんなある日、クレアが結婚したとかで、あの口座を返すことになった。

わたしはリチャードにすべて話した。


彼はクレアに謝罪することを要求して来た。無理だ。クレアに謝罪なんて無理だ・・・・
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