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町で知った現実
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今日はお昼を済ませてから、町に出た。気ままに歩いているといつのまにか、人のいない場所に出てしまった。
そこには、なぜか子供がたむろしていた。なぜ?あんな汚い子供がいるのか?無能で追い出されたのか?でも子供は教会とかが保護するのでは?
「あなたがた、どうしてここにいるの?」と尋ねると
「ここが家だからさ?」
「教会は?家がないなら孤児院は?」
「なに言ってるんだ。孤児院は稼ぎがないと追い出されるのさ」
はぁぁぁなにーー
「どうして稼ぎがないと追い出されるの?孤児院でしょ」
「わかってないなぁ。ど田舎から来たのかい?」と思い切り呆れられてしまった。
「屋根とベッドをただで使えると思ってるの?」
「・・・・・・・・」
「だから、孤児院って言うのは俺たち家と親のないガキが、金払って泊まる所だよ・・・・」
「・・・・・・・・・」
「いつもどこで寝てるのか?」
「どこか隅だよ」と軽く答える子供たちに驚いた。
「お金がないって・・・・・その・・・・食べ物は?」
「あぁ屋台を片付ける時にかっぱらったり、ゴミをあさる・・・・」
「そうなのか・・・・一緒に屋台に行って、なにか食べよう。お金はあるから」と言うと
「いいの?どこかの貧乏貴族の使用人だろ?」
「大丈夫ですわ・・・・大丈夫だ・・・行こう」
横になっている子供に手を貸して起こすと彼らはぞろぞろ歩きだした。
わたしが話している間に様子を見ていた子供も合流して、二十人ばかりになった。
「好きな物の屋台に行って、わたしが一緒に行ってお金を払う」と言うと
「ここがいい」と一人が大声を出したので、そこに行った。
おおきな肉の串を全員が一本ずつ買った。次はこの前わたしが買った肉と野菜を巻いた物。それも全員が買った。
「もう一回お肉」の声に何人かが一緒に動いて、お肉を買った。
あれが食べたい、これが食べたいとねだられるままにわたしは、あちらへ行きこちらへ行きして、いつのまにかちいさな子の手を引いていた。
「ここまでに致しましょう。食べ過ぎはよくありませんわ」
「ねえちゃん、ありがとう。貧乏なのに無理してくれた」
「いえいえ、これくらい」
「ねえちゃん、田舎者でちょっとあぶないから、いろいろ教えるよ」
彼のその声に子供達は、また町に消えて行った。
「ねえちゃん、こっちだ」
わたしは彼について行くことにした。
彼は、まず孤児院だと言う場所に来た。
「ここはよく貴族様がやって来る孤児院だ。急に来る事はないから知らせが入ると俺に連絡が来る。そしたら何人かみつくろってここにやって来る。先ず、井戸で体を洗ってから用意してある服を着る。貴族様が来ると黙ってお辞儀をして、話しかけられた時だけ、返事をする。大体本を読んでいる振りをする。すると一冊読んでくれるからみんなで嬉しいなって拍手する。それから差し入れのお菓子を貰う。そしてさよならだ」
「・・・・・」
前世でわたしが孤児院を訪問するときにやっていた事だ。あそこの子供はあそこに住んでいたと思いたい。
子供が入れ替わっていても多分わからなかった。だって顔なんて覚えてない・・・・
「ねえちゃん、田舎者をだます悪いやつなんていっぱいいるんだよ・・・気をつけたほうがいいよ。今日はありがとな。ここをまっすぐ行けば、通りにでる。それじゃ」と彼は去って行った。
はーーーと落ち込んだ。だけどわたしは無能だ。忘れる・・・・
そこには、なぜか子供がたむろしていた。なぜ?あんな汚い子供がいるのか?無能で追い出されたのか?でも子供は教会とかが保護するのでは?
「あなたがた、どうしてここにいるの?」と尋ねると
「ここが家だからさ?」
「教会は?家がないなら孤児院は?」
「なに言ってるんだ。孤児院は稼ぎがないと追い出されるのさ」
はぁぁぁなにーー
「どうして稼ぎがないと追い出されるの?孤児院でしょ」
「わかってないなぁ。ど田舎から来たのかい?」と思い切り呆れられてしまった。
「屋根とベッドをただで使えると思ってるの?」
「・・・・・・・・」
「だから、孤児院って言うのは俺たち家と親のないガキが、金払って泊まる所だよ・・・・」
「・・・・・・・・・」
「いつもどこで寝てるのか?」
「どこか隅だよ」と軽く答える子供たちに驚いた。
「お金がないって・・・・・その・・・・食べ物は?」
「あぁ屋台を片付ける時にかっぱらったり、ゴミをあさる・・・・」
「そうなのか・・・・一緒に屋台に行って、なにか食べよう。お金はあるから」と言うと
「いいの?どこかの貧乏貴族の使用人だろ?」
「大丈夫ですわ・・・・大丈夫だ・・・行こう」
横になっている子供に手を貸して起こすと彼らはぞろぞろ歩きだした。
わたしが話している間に様子を見ていた子供も合流して、二十人ばかりになった。
「好きな物の屋台に行って、わたしが一緒に行ってお金を払う」と言うと
「ここがいい」と一人が大声を出したので、そこに行った。
おおきな肉の串を全員が一本ずつ買った。次はこの前わたしが買った肉と野菜を巻いた物。それも全員が買った。
「もう一回お肉」の声に何人かが一緒に動いて、お肉を買った。
あれが食べたい、これが食べたいとねだられるままにわたしは、あちらへ行きこちらへ行きして、いつのまにかちいさな子の手を引いていた。
「ここまでに致しましょう。食べ過ぎはよくありませんわ」
「ねえちゃん、ありがとう。貧乏なのに無理してくれた」
「いえいえ、これくらい」
「ねえちゃん、田舎者でちょっとあぶないから、いろいろ教えるよ」
彼のその声に子供達は、また町に消えて行った。
「ねえちゃん、こっちだ」
わたしは彼について行くことにした。
彼は、まず孤児院だと言う場所に来た。
「ここはよく貴族様がやって来る孤児院だ。急に来る事はないから知らせが入ると俺に連絡が来る。そしたら何人かみつくろってここにやって来る。先ず、井戸で体を洗ってから用意してある服を着る。貴族様が来ると黙ってお辞儀をして、話しかけられた時だけ、返事をする。大体本を読んでいる振りをする。すると一冊読んでくれるからみんなで嬉しいなって拍手する。それから差し入れのお菓子を貰う。そしてさよならだ」
「・・・・・」
前世でわたしが孤児院を訪問するときにやっていた事だ。あそこの子供はあそこに住んでいたと思いたい。
子供が入れ替わっていても多分わからなかった。だって顔なんて覚えてない・・・・
「ねえちゃん、田舎者をだます悪いやつなんていっぱいいるんだよ・・・気をつけたほうがいいよ。今日はありがとな。ここをまっすぐ行けば、通りにでる。それじゃ」と彼は去って行った。
はーーーと落ち込んだ。だけどわたしは無能だ。忘れる・・・・
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