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そして入学へ
57 ゲームと少しだけ違う
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「つまりはあまりにこの学園の生徒として相応しくない行動をとるユウキ嬢にバウンズ伯爵令嬢が改めるように注意を促した所、あのような大声で叫ばれた、という事だな?」
「絶対に違うわ!!私は脅されたの!」
そう叫ぶのはユウキさんだけで、生徒は口を揃える。
「間違いありません」
「その通りでございます」
「私も聞いておりましたが概ねそれで正しい見解かと」
ルドルフ様が話をまとめ、周囲の生徒達に話を聞く。んー流石ルドルフ様!かっこいい!イケメン!よっ王太子!一人で判断しないで周りの意見も取り入れる事が出来る、流石です!録画です!
でもこれ……どこかで見たことあるイベント……では?バウンズ伯爵令嬢を支えながら、私はゲームのストーリーを思い出していた。確かええと。
「フン!聖女だか何だか知らないけれど、平民まがいの女がルドルフ様に近づこうなんて思い上がってるんじゃないわよ!」
「ちが……私、あの時はたまたまぶつかっただけで、王太子様だなんて知らなくて。近づこうなんて思ってません…‥!」
そんな聖女ユウキに……クラブクイーン、マリエルが言うのよ。
「異世界から来たとか訳のわからない事を言って、ルドルフ様の気を引こうなんて厚かましい!こういう輩が学園にいては風紀が乱れるわ。さっさと学園から出て行かないと、後悔することになるわよ!」
おーーーっほっほっほ!と縦巻きロールのマリエルが高笑いをして去ってゆく……うん、ゲームのマリエルなら脅した、とか脅迫したというのは正しい。
でもアネッサ・バウンズ伯爵令嬢がユウキさんに言ったのは誰がどう聞いても「注意」の範疇だ。確かに、ゲームでマリエルが言い放った言葉と単語は被る部分がいくつかあるけれど、意味合いが全く違う。これはどう聞いてもユウキさんが悪い……。
「ユウキ嬢、勘違いは誰にでもある。しかしアネッサ嬢の優しさにそのような大声で恫喝をするのは淑女として、共に学園で学ぶものとしても到底受け入れることは出来ないものだ。アネッサ嬢に謝罪をして欲しい」
「なっ!どうしてっ!私が脅されたのに、どうして私が謝るの!おかしいでしょうルドルフ様!!」
「アネッサ嬢は貴女を脅してはいない。しっかりマナーを学ばねば自分自身の行いのせいで学園に在籍することが出来なくなるとクラスメイトを気遣った声かけだった」
「違う!そんなことないっ!ねえ、そうでしょう!?皆聞いてたでしょ!」
ユウキさんはぐるりと回りを見渡すけれど、誰もユウキさんに同意はしない……流石に無理だわ。
「なんで……なんでよ……私は召喚聖女なのよ!?」
いくら声を大きくしても、ユウキさんの周りには誰もおらず、アネッサ様の周りにはたくさんの人がいる。ヴィンセントお兄様も私を庇うように立っているから、ポツンと孤立しているのはユウキさんだった。
「ひ、酷い、酷いっ!!みんなが私を虐めるわ!」
「あっ!」
ユウキさんは人垣を無理やりかき分け走って行ってしまった。勿論一言の謝罪もない。ユウキさんがいなくなることで緊張の糸が途切れたのかアネッサ様は気を失ってしまうし、学園の教授達も集まってくるしで大変だった。
うーん……大丈夫かなあ?ユウキさん。ルドルフ殿下も「困ったものだ」と眉毛を寄せていたし、なんだか一波乱も二波乱もありそうな予感がするわ……。
「絶対に違うわ!!私は脅されたの!」
そう叫ぶのはユウキさんだけで、生徒は口を揃える。
「間違いありません」
「その通りでございます」
「私も聞いておりましたが概ねそれで正しい見解かと」
ルドルフ様が話をまとめ、周囲の生徒達に話を聞く。んー流石ルドルフ様!かっこいい!イケメン!よっ王太子!一人で判断しないで周りの意見も取り入れる事が出来る、流石です!録画です!
でもこれ……どこかで見たことあるイベント……では?バウンズ伯爵令嬢を支えながら、私はゲームのストーリーを思い出していた。確かええと。
「フン!聖女だか何だか知らないけれど、平民まがいの女がルドルフ様に近づこうなんて思い上がってるんじゃないわよ!」
「ちが……私、あの時はたまたまぶつかっただけで、王太子様だなんて知らなくて。近づこうなんて思ってません…‥!」
そんな聖女ユウキに……クラブクイーン、マリエルが言うのよ。
「異世界から来たとか訳のわからない事を言って、ルドルフ様の気を引こうなんて厚かましい!こういう輩が学園にいては風紀が乱れるわ。さっさと学園から出て行かないと、後悔することになるわよ!」
おーーーっほっほっほ!と縦巻きロールのマリエルが高笑いをして去ってゆく……うん、ゲームのマリエルなら脅した、とか脅迫したというのは正しい。
でもアネッサ・バウンズ伯爵令嬢がユウキさんに言ったのは誰がどう聞いても「注意」の範疇だ。確かに、ゲームでマリエルが言い放った言葉と単語は被る部分がいくつかあるけれど、意味合いが全く違う。これはどう聞いてもユウキさんが悪い……。
「ユウキ嬢、勘違いは誰にでもある。しかしアネッサ嬢の優しさにそのような大声で恫喝をするのは淑女として、共に学園で学ぶものとしても到底受け入れることは出来ないものだ。アネッサ嬢に謝罪をして欲しい」
「なっ!どうしてっ!私が脅されたのに、どうして私が謝るの!おかしいでしょうルドルフ様!!」
「アネッサ嬢は貴女を脅してはいない。しっかりマナーを学ばねば自分自身の行いのせいで学園に在籍することが出来なくなるとクラスメイトを気遣った声かけだった」
「違う!そんなことないっ!ねえ、そうでしょう!?皆聞いてたでしょ!」
ユウキさんはぐるりと回りを見渡すけれど、誰もユウキさんに同意はしない……流石に無理だわ。
「なんで……なんでよ……私は召喚聖女なのよ!?」
いくら声を大きくしても、ユウキさんの周りには誰もおらず、アネッサ様の周りにはたくさんの人がいる。ヴィンセントお兄様も私を庇うように立っているから、ポツンと孤立しているのはユウキさんだった。
「ひ、酷い、酷いっ!!みんなが私を虐めるわ!」
「あっ!」
ユウキさんは人垣を無理やりかき分け走って行ってしまった。勿論一言の謝罪もない。ユウキさんがいなくなることで緊張の糸が途切れたのかアネッサ様は気を失ってしまうし、学園の教授達も集まってくるしで大変だった。
うーん……大丈夫かなあ?ユウキさん。ルドルフ殿下も「困ったものだ」と眉毛を寄せていたし、なんだか一波乱も二波乱もありそうな予感がするわ……。
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