74 / 113
74 この姉と妹、強いぞ
しおりを挟む
「わたしはここに残ってローゼリアお姉様とマルガレータお姉様のでしになります!」
ふん!とリュンが鼻息を荒くしたので、俺は新たなる女傑の誕生を目の当たりにしてしまった。
「リュンったら超可愛いじゃん?だからこれから英才教育しようかなって!」
やめたげて?ローザ姉さん。
「しかも、剣もかなり使えるから、私達より強くなりそうですわ」
何、化け物を作り出そうとしているのかな?メグ姉さん。
「いずれルンちゃんを倒してリュンがこうていへいかになります!」
あ、うん。それは安心できるな。1ヶ月後くらいには倒せるんじゃねえ?
「ふははは!この帝国皇帝ルン・ランドバードを倒せる物なら倒してみよ!むぎゅう……」
「ほあちゃーー!」
リュンの飛び蹴りが華麗に決まって、皇帝陛下は地に伏した。ざまーみろだ、完全に悪の皇帝感が凄い。
「リュン!駄目だ。帰るぞ、「あぁん?!」うっ!」
姉さんに睨まれて、レントの尻尾が垂れ下がる。こういう時困るもんだな、尻尾があると。気分がバレバレじゃねーか。
「しかし!リュンはまだ小さい!」
「歳なんて関係ないね、本人のやる気だ。しかもリュンは立派な淑女だ」
へっ!とローザ姉さんに鼻で笑われる。レント、学習しなよ。
「無理だ、レント。姉さんには逆らうな」
「リーヤ……俺が間違ってた……」
流石に可哀想になって慰めてやった。帝国に女性の貴族が増えていくだろうなー。
俺とクォンツにいく面子は来た時とは入れ替えながらも決まって行き、天気の良い日を見て出発した。
「じゃーなー!リーヤ。馬の乗り方が分かったら遊びに行くからもてなせよー!」
「気をつけて。名物って何かしら!」
見送りにローザ姉さんとメグ姉さんが来ていたけれど、ルンは名前を書いて判子を押す仕事に忙しいらしく、眼鏡達に捕獲されていたようだ。
「以前と違って良い道路がありますから、行き来にはそんなに時間を要しませんよ。宿場町も建設しますし、おあつらえ向きに温泉も出ました。儲かりますよ!」
「あ、それは頼もしいね……」
ローザ姉さんの尻の下でもアスさんの眼鏡はギラギラ光っている。
「リュンさんも責任を持ってお預かり致しますので」
「よろしくお願いします。ああ見えてもまだガキですから……」
レントは深々と頭を下げる。言い出したら聞かない妹とは言え、兄弟の一番上としてしなければいけない事だろう。
「そういう所はしっかりしてらっしゃるのに、どうしてリーヤ様の事は……」
はぁ、とため息をつく。きっと沢山の組み立ていた計画が壊れたんだろうな。何を計画していたか、知りたいような知りたくないような……。
「聞きたいです?」
「いや!要らないです!」
やっぱり怖いや!
ふん!とリュンが鼻息を荒くしたので、俺は新たなる女傑の誕生を目の当たりにしてしまった。
「リュンったら超可愛いじゃん?だからこれから英才教育しようかなって!」
やめたげて?ローザ姉さん。
「しかも、剣もかなり使えるから、私達より強くなりそうですわ」
何、化け物を作り出そうとしているのかな?メグ姉さん。
「いずれルンちゃんを倒してリュンがこうていへいかになります!」
あ、うん。それは安心できるな。1ヶ月後くらいには倒せるんじゃねえ?
「ふははは!この帝国皇帝ルン・ランドバードを倒せる物なら倒してみよ!むぎゅう……」
「ほあちゃーー!」
リュンの飛び蹴りが華麗に決まって、皇帝陛下は地に伏した。ざまーみろだ、完全に悪の皇帝感が凄い。
「リュン!駄目だ。帰るぞ、「あぁん?!」うっ!」
姉さんに睨まれて、レントの尻尾が垂れ下がる。こういう時困るもんだな、尻尾があると。気分がバレバレじゃねーか。
「しかし!リュンはまだ小さい!」
「歳なんて関係ないね、本人のやる気だ。しかもリュンは立派な淑女だ」
へっ!とローザ姉さんに鼻で笑われる。レント、学習しなよ。
「無理だ、レント。姉さんには逆らうな」
「リーヤ……俺が間違ってた……」
流石に可哀想になって慰めてやった。帝国に女性の貴族が増えていくだろうなー。
俺とクォンツにいく面子は来た時とは入れ替えながらも決まって行き、天気の良い日を見て出発した。
「じゃーなー!リーヤ。馬の乗り方が分かったら遊びに行くからもてなせよー!」
「気をつけて。名物って何かしら!」
見送りにローザ姉さんとメグ姉さんが来ていたけれど、ルンは名前を書いて判子を押す仕事に忙しいらしく、眼鏡達に捕獲されていたようだ。
「以前と違って良い道路がありますから、行き来にはそんなに時間を要しませんよ。宿場町も建設しますし、おあつらえ向きに温泉も出ました。儲かりますよ!」
「あ、それは頼もしいね……」
ローザ姉さんの尻の下でもアスさんの眼鏡はギラギラ光っている。
「リュンさんも責任を持ってお預かり致しますので」
「よろしくお願いします。ああ見えてもまだガキですから……」
レントは深々と頭を下げる。言い出したら聞かない妹とは言え、兄弟の一番上としてしなければいけない事だろう。
「そういう所はしっかりしてらっしゃるのに、どうしてリーヤ様の事は……」
はぁ、とため息をつく。きっと沢山の組み立ていた計画が壊れたんだろうな。何を計画していたか、知りたいような知りたくないような……。
「聞きたいです?」
「いや!要らないです!」
やっぱり怖いや!
85
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる