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いとこたちと楽しんでます
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夕食の後、私たち家族は、フィリップ殿下、エリザベス王女を囲んで色々話をした。
フィリップ殿下は剣の腕も凄いらしく、騎士希望の弟のリカルドは「朝に一緒に鍛錬しませんか?」と誘っていた。
エリザベス王女は明日は貴族街に行きたいと言っている。私は明日は特に予定がなかったのでおふたりと一緒に貴族街に行く約束をした。
「ヴィオレッタ様、お姉さまと呼んでもよろしくて?」
えっ? 王女にお姉さまって呼ばれるの?
お父さまはニコニコ笑っている。
「従姉妹なんだからいいんじゃないか? 年はヴィオの方が上なんだし」
「でもエリザベス様は王女殿下ではありませんか。私は伯爵家の人間。身分が違いますわ」
フィリップ殿下が難しい顔をしている。
「確かにライザは王女だし、私は王子だけれど、他国のことだ。この国の者ではない。それに今回はただ叔父上のところに遊びに来ているんだ。ヴィオレッタ嬢やリカルド殿とは従兄弟だし、もっとフランクにしてほしい」
「そうよ。お姉さま。私の事はライザと呼んでね」
可愛い。
「私のことはフィルと呼んで欲しい」
「では、私のことはリックと呼んで下さい。フィル兄様、ライザ姉様とお呼びしてもいいですか?」
社交的で人懐っこいリカルドはすぐにそんなことを言う。あれは絶対天性の人たらしだわ。
「きゃ~、嬉しい。私が姉様なんて。お姉さまと弟ができたわ」
エリザベス王女殿下……じゃなかった、ライザはきゃっきゃと喜んでいる。可愛いなぁ。
「それでは、私のことはヴィオとお呼び下さいませ。フィル様、ライザ様」
「もう、お姉さま~、ライザでよろしくてよ。様はいらないわ」
「私もフィルでいい、ヴィオとは同じ年だしね」
この王家の兄妹はなかなかの人たらしだわ。まぁ、従兄弟なんだし、いいか。
私たちはなんとなく仲良くなった。
次の日、ふたりと一緒に貴族街に出かけることになった。
ふたりにはもちろん侍女やら護衛やら影もついているのて心配はいらない。
なにより、今の我が国は危険分子が一掃されたばかりで安全だ。
私はライザとお揃いのドレスやアクセサリーを買ったり、リカルドはフィルと文房具や剣を見たり、今流行っているスイーツを食べたりして楽しんだ。
私は同じくらいの年の友達がクリス様しかいなかったので、やっぱり同世代っていいなぁと思った。
「ヴィオお姉さまがお兄さまの妃になってくれたらいいのになぁ」
突然ライザが怖い事を言う。
「王子妃なんて無理だわ。それに私には婚約者がいるし」
「大丈夫。お姉さまはちゃんと王子妃教育も済ませているんだし、王子妃になれるわ。婚約者も政略でしょ? 王命で覆せるわよ」
ライザは権力で黙らせるタイプなのか?
「ライザ、無理を言っちゃダメだ」
「でも、お兄さま……」
その時、一緒にいたリカルドがぼそっとつぶやいた。
「無理だよ。ユリウス様の執着は半端ないもん」
えっ? 執着? 誰に?
そういえば昨日、不機嫌なまま屋敷に戻り、後で文を書いて謝ろうと思っていたのに、それすらすっかり忘れて、放置したまんまのユリウス様のことを今頃思い出した。
フィリップ殿下は剣の腕も凄いらしく、騎士希望の弟のリカルドは「朝に一緒に鍛錬しませんか?」と誘っていた。
エリザベス王女は明日は貴族街に行きたいと言っている。私は明日は特に予定がなかったのでおふたりと一緒に貴族街に行く約束をした。
「ヴィオレッタ様、お姉さまと呼んでもよろしくて?」
えっ? 王女にお姉さまって呼ばれるの?
お父さまはニコニコ笑っている。
「従姉妹なんだからいいんじゃないか? 年はヴィオの方が上なんだし」
「でもエリザベス様は王女殿下ではありませんか。私は伯爵家の人間。身分が違いますわ」
フィリップ殿下が難しい顔をしている。
「確かにライザは王女だし、私は王子だけれど、他国のことだ。この国の者ではない。それに今回はただ叔父上のところに遊びに来ているんだ。ヴィオレッタ嬢やリカルド殿とは従兄弟だし、もっとフランクにしてほしい」
「そうよ。お姉さま。私の事はライザと呼んでね」
可愛い。
「私のことはフィルと呼んで欲しい」
「では、私のことはリックと呼んで下さい。フィル兄様、ライザ姉様とお呼びしてもいいですか?」
社交的で人懐っこいリカルドはすぐにそんなことを言う。あれは絶対天性の人たらしだわ。
「きゃ~、嬉しい。私が姉様なんて。お姉さまと弟ができたわ」
エリザベス王女殿下……じゃなかった、ライザはきゃっきゃと喜んでいる。可愛いなぁ。
「それでは、私のことはヴィオとお呼び下さいませ。フィル様、ライザ様」
「もう、お姉さま~、ライザでよろしくてよ。様はいらないわ」
「私もフィルでいい、ヴィオとは同じ年だしね」
この王家の兄妹はなかなかの人たらしだわ。まぁ、従兄弟なんだし、いいか。
私たちはなんとなく仲良くなった。
次の日、ふたりと一緒に貴族街に出かけることになった。
ふたりにはもちろん侍女やら護衛やら影もついているのて心配はいらない。
なにより、今の我が国は危険分子が一掃されたばかりで安全だ。
私はライザとお揃いのドレスやアクセサリーを買ったり、リカルドはフィルと文房具や剣を見たり、今流行っているスイーツを食べたりして楽しんだ。
私は同じくらいの年の友達がクリス様しかいなかったので、やっぱり同世代っていいなぁと思った。
「ヴィオお姉さまがお兄さまの妃になってくれたらいいのになぁ」
突然ライザが怖い事を言う。
「王子妃なんて無理だわ。それに私には婚約者がいるし」
「大丈夫。お姉さまはちゃんと王子妃教育も済ませているんだし、王子妃になれるわ。婚約者も政略でしょ? 王命で覆せるわよ」
ライザは権力で黙らせるタイプなのか?
「ライザ、無理を言っちゃダメだ」
「でも、お兄さま……」
その時、一緒にいたリカルドがぼそっとつぶやいた。
「無理だよ。ユリウス様の執着は半端ないもん」
えっ? 執着? 誰に?
そういえば昨日、不機嫌なまま屋敷に戻り、後で文を書いて謝ろうと思っていたのに、それすらすっかり忘れて、放置したまんまのユリウス様のことを今頃思い出した。
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