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第13章. スパイダー
【その先へと】
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ー 実はさ…これまでも舞から恋愛と言うか
エッチなことに関する話や相談受けたことがなくて
もしかしたら舞、“あっち”の方
苦手なのか好きじゃないのかな?なんて
思ったことがあったんだよ
うちなんかはあっけらかんと性の相談とか
するんだけどね。
僕はふと、前に舞に言われた言葉を思い出した。
「セックスとか…した方がいいのかな?」
その言葉を頭の中で反芻していた。
「そうか、それであの時・・・」
「え?舞が?そんなこと?言ったの?」
「そう、だから無理しなくていいんだよ、って言ったんだけど」
「・・・そっかぁ、舞はナカムラくんのこと…」
「え?」
「ホントにホントに好きなんだなぁ」
「そうなの?」
「うん、うちにもそんな話しなかったもん」
「そっかぁ」
「大事にしてあげてね、舞のこと」
「うん」
「じゃ・・・」
「何?」
「うちと…イッカイヤットク?」
「だから!やんないって!」
「えー?寂しいんだよ、うちの体が疼いてるの」
「さっきと言ってること違うじゃないか、舞のこと大事に…って言っといて」
「うちの欲求は別の話だから、ふふっ」
「そう言うのは…彼氏が出来てから…」
「はーい」
危ないところだった・・・
舞の名前が出てこなかったら僕はまた
美波の時のように同じ過ちを繰り返したかも知れない。
しかし…
こうして秘密の時間を共に過ごしたことは
舞を挟んで、僕と咲良だけの間に
微妙な世界を作ってしまったのは間違いない。
ここからしばらく咲良と話し込んでしまい
僕が眠りについたのはほぼ明け方だった。
僕と咲良はいつの間にか隣り合わせで眠っていた
口ではそれらしいを言っていたが
この日、二人の間にやましい出来事は何も起きないまま
気づけばもう朝になっていた。
朦朧とした意識の中でうっすらを目を開け
隣を確認するとそこに咲良の姿はなかった
ー あれ?どこ行ったんだろ?
ふと視線を窓際に送ると
そこには上半身、一切何も身に纏わず
背伸びをしている咲良の後ろ姿があった。
着替えをしているらしい
それにしても何て無防備なんだ。
" これくらい、いいよな "
僕は薄目のまま、こっそり咲良の裸を
見てやろうと寝たふりを続けていた。
下着を身に付けた咲良が振り返ってこちらを見る。
僕が起きていることには
気づいてない様子だ。
「もうちょっと早かったら・・・」
ー うちの彼氏になってもらったのにな
割り込んじゃおうかな…?
なんてね・・・
ダメダメ、舞のこと考えると
そんなことしちゃダメだよねぇ
でも、もし昨日何かされてても
拒まなかったんだけどね
ホント、羨ましいよ・・・
「ま、これくらいなら…」
すぐ近くで咲良の声がした
そして頬に柔らかな感触を覚えた
咲良の柔らかいほっぺたが
僕の頬と重なっていた。
「ありがと…帰るね…!」
僕は敢えて寝たふりを続けていた。
「じゃあ、ね」
そう言った咲良の頭を
布団から手を伸ばしてそっと撫でた。
「俺も・・・これくらいなら、いいよね?」
「だめ」
「え?」
「するんなら、もっとしてくれなきゃ・・・だめ」
僕は咲良としばらく布団越しに抱き合っていた。
「もぅ!ズルいなぁ、勘違いしちゃうよ、うち
そんなことされると」
「あ、ごめんごめん」
「じゃ帰るね、ありがとう」
そう言った咲良ははにかみながら僕の頬に唇を重ねた
その柔らかな余韻だけが
しばらく僕の体の中で静かに脈打っていた。
エッチなことに関する話や相談受けたことがなくて
もしかしたら舞、“あっち”の方
苦手なのか好きじゃないのかな?なんて
思ったことがあったんだよ
うちなんかはあっけらかんと性の相談とか
するんだけどね。
僕はふと、前に舞に言われた言葉を思い出した。
「セックスとか…した方がいいのかな?」
その言葉を頭の中で反芻していた。
「そうか、それであの時・・・」
「え?舞が?そんなこと?言ったの?」
「そう、だから無理しなくていいんだよ、って言ったんだけど」
「・・・そっかぁ、舞はナカムラくんのこと…」
「え?」
「ホントにホントに好きなんだなぁ」
「そうなの?」
「うん、うちにもそんな話しなかったもん」
「そっかぁ」
「大事にしてあげてね、舞のこと」
「うん」
「じゃ・・・」
「何?」
「うちと…イッカイヤットク?」
「だから!やんないって!」
「えー?寂しいんだよ、うちの体が疼いてるの」
「さっきと言ってること違うじゃないか、舞のこと大事に…って言っといて」
「うちの欲求は別の話だから、ふふっ」
「そう言うのは…彼氏が出来てから…」
「はーい」
危ないところだった・・・
舞の名前が出てこなかったら僕はまた
美波の時のように同じ過ちを繰り返したかも知れない。
しかし…
こうして秘密の時間を共に過ごしたことは
舞を挟んで、僕と咲良だけの間に
微妙な世界を作ってしまったのは間違いない。
ここからしばらく咲良と話し込んでしまい
僕が眠りについたのはほぼ明け方だった。
僕と咲良はいつの間にか隣り合わせで眠っていた
口ではそれらしいを言っていたが
この日、二人の間にやましい出来事は何も起きないまま
気づけばもう朝になっていた。
朦朧とした意識の中でうっすらを目を開け
隣を確認するとそこに咲良の姿はなかった
ー あれ?どこ行ったんだろ?
ふと視線を窓際に送ると
そこには上半身、一切何も身に纏わず
背伸びをしている咲良の後ろ姿があった。
着替えをしているらしい
それにしても何て無防備なんだ。
" これくらい、いいよな "
僕は薄目のまま、こっそり咲良の裸を
見てやろうと寝たふりを続けていた。
下着を身に付けた咲良が振り返ってこちらを見る。
僕が起きていることには
気づいてない様子だ。
「もうちょっと早かったら・・・」
ー うちの彼氏になってもらったのにな
割り込んじゃおうかな…?
なんてね・・・
ダメダメ、舞のこと考えると
そんなことしちゃダメだよねぇ
でも、もし昨日何かされてても
拒まなかったんだけどね
ホント、羨ましいよ・・・
「ま、これくらいなら…」
すぐ近くで咲良の声がした
そして頬に柔らかな感触を覚えた
咲良の柔らかいほっぺたが
僕の頬と重なっていた。
「ありがと…帰るね…!」
僕は敢えて寝たふりを続けていた。
「じゃあ、ね」
そう言った咲良の頭を
布団から手を伸ばしてそっと撫でた。
「俺も・・・これくらいなら、いいよね?」
「だめ」
「え?」
「するんなら、もっとしてくれなきゃ・・・だめ」
僕は咲良としばらく布団越しに抱き合っていた。
「もぅ!ズルいなぁ、勘違いしちゃうよ、うち
そんなことされると」
「あ、ごめんごめん」
「じゃ帰るね、ありがとう」
そう言った咲良ははにかみながら僕の頬に唇を重ねた
その柔らかな余韻だけが
しばらく僕の体の中で静かに脈打っていた。
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