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第一部 第一章

24話

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 エルクたちが受付カウンターの列に並ぶことおよそ二分、やっと受付嬢がこちらに声をかけて来た。

「次の方どうぞ」

 エルクは受付嬢の掛け声と共に前へと進み持っていた依頼書をカウンターの上に置いた。

「この依頼を受けたいので受領して下さい」

「はい。それでは、皆さまのギルドカードをご提示ください。等級の確認と受領の手続きを致します」

「わかりました」

 エルクは受付嬢の案内に従って全員分のギルドカードをカウンターの上に置いた。

「えっと、はい。確認出来ました。この依頼はパーティーでの受領と言う事でよろしいでしょうか」

「ああ、それで問題ない」

「それでは先ず、みなさんのパーティー名をお決めになって下さい。今、パーティー申請用紙を用意しますね」

 受付嬢はそう言うとカウンターの下から一枚の紙を取り出しカウンターの上に置いた。

「こちらがパーティー申請用紙になります。書き終わりましたらお知らせください」

 受付嬢に申請用紙を受け取ったエルクは後ろにいるルリたちとパーティー名をどうするか話し始めた。

「お前たちどんな名前が良いと思う」

「そうね。私は名前には余り拘らないわよ。エルクが良いと思う名前で良いと思うわ。あなたたちもそうだと思うのだけれど、どうかしら」

 ルリがブロンたちにも聞くと代表してブロンが答えた。

「そうですな。我らも主が良いと思う名前で良いの思うのである」

 ブロンがそう言うと子供のバズとノワール、妻のトイニーも頷いていた。

「そうか、わかった」

 それから少し考えたエルクは、用紙にパーティー名とメンバーの名前を書き、用紙をカウンターの上に置き受付嬢に声をかけた。

「すいません。書き終わりました」

 エルクが声をかけると先程の受付嬢がカウンターの後ろにある棚から整理をしていた手を止めて戻って来た。

「はい。確認しますね。えっと、パーティー名は『神話の悪夢』ですね。ではこの名前で登録させていただきます。後、一緒にこちらの依頼も受領処理してしまいますね。リーダーのエルクさんがシルバー級なので、みなさんのパーティー等級もシルバー級となります」

 そう言うと受付嬢はカウンターの傍らにある魔道具にエルクたちのギルドカードを一枚一枚セットして魔道具を起動させた。

「はい。ギルドカードをお返ししますね。新たにカードにパーティー等級の欄も追加されていますので後でお確かめ下さい。それと、依頼の受領を完了いたしました。えっと、今日から五日以内に依頼完了のサインが入ったこちらの依頼書をこちらのギルドまでお持ちいただけないと依頼失敗となりますので注意して下さいね。では、行ってらっしゃいませ」

「ああ、行って来る」

 そして、エルクたちはギルドを出て行った。




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