ルナフォビア 2【追いすがる月】

ヒッチハイクで拾った女が車に乗り込んでくるなり、そう叫んだ。
なにがなんだか、わけがわからない! ほんとうにあの夜空の満月が空から落ちてきて、運動会の大玉転がしより大きめのサイズに縮まり、ゴロゴロ転がりながら追いすがってくるのだ。

とんでもないことに巻き込まれたものだ。
室井 志倶麻(むろい しぐま)は頼まれるがまま、車を走らせ、月を撒こうとした。だが月は恐るべき猛追を見せ、なかなかふりきることができない。

必死の逃亡を計りつつも、志倶麻は女――ミハルに問いただすのだった。
いったい、月は君をどうしようというのか? 月に捕まれば殺されるのか?
ミハルはこう答えるのだった。

「月は私を変えようとしてるの! 私が変わればあなたを襲ってしまう!」

こんなことに巻き込まれるなら、いっそミハルを拾うべきではなかったと後悔する志倶麻だった……。


※本作は『小説家になろう』様でも公開しております。
24h.ポイント 0pt
0
小説 183,786 位 / 183,786件 ホラー 6,783 位 / 6,783件