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 その後もファンコニーはカレンに、父親が政治的な理由で結婚を強要していることを説明した。

 カレンは再び悲しげな表情を浮かべ、「でも、私たちの愛は本当に悪いことではないはず。どうして、私たちが幸せになることができないのかしら?そんな国なんて、私にはいらないわ」と言った。

 ファンコニーは、カレンの手を取り優しく語りかけた。

「愛するカレン、私たちは互いに愛し合っていることに間違いはない。しかし、父上がおっしゃる通りで私は仮にも王子である。その自覚がなかったら、王家の人間である資格がないというのも、また事実なんだ。私たちの愛が国家という大きな枠組みの中で成り立つためには、さらなる努力が必要になるんだね……」

 カレンは深く、ゆっくりとうなずいて、「私はあなたと一緒にその努力を惜しまないわ。私たちが幸せになるために、何が必要か、どうすればいいか、一緒に考えましょうよ」と言った。

 ファンコニーは安堵した表情を浮かべて、「ありがとう、カレン。あなたと一緒に、この困難な状況を乗り越えて、私たちの愛を守っていこう!」と言った。

 二人は、お互いに手を取り、困難に立ち向かう決意を新たにした。彼らの愛は、政治的な枠組みに捉われることなく、自由で純粋なものであった。そして、彼らは愛し合うために必要なものを準備した。やがて、ファンコニーとカレンは、父親たちの前で自分たちの気持ちを打ち明けることに決めた。

 ファンコニーはもう何も恐れていなかった。国王である父親と対峙することを。

「父上、私たちはお互いを愛しています。政治的な理由での結婚は、私にとっては不適切だと思います」

 カレンもまた自信を持って、「私たちがよく話し合った結果、共にどのように前進するかを決めました。私たちは、私たちの愛を守るために、協力して取り組むつもりです!」と宣言をした。

 ファンコニーとカレンは、屈することはなかった。彼らは、愛を守り、それを貫くことを選んだ。それがどれほど過酷な運命になるのか、あるいは必ずしも幸せが約束されているわけではなかったわけだから。

ファンコニーは最後にこう言い放った。

「父上、私はあなたの言葉に耳を傾けました。しかし、私たちはそれでも互いを愛しているし、一緒に幸せになることができます。私たちは、政治的な意思決定を行うこともできますが、私たちの愛に妥協はございません!」

カレンもまた自信満々に、「私たちは、私たちの愛を守るために、あなた方と協力して前進するつもりです。私たちが幸せになるために、努力します!」と言い放った。

 国王はしばらく考え込んだ後、彼らの愛を認め、結婚に対する婚姻届を出すことを承諾した。そして、二人は、政治的な枠組みを超え、真実の愛を守り抜くことに成功したのであった。
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