【百一番目の百人一首】かるた部長と後輩が語る、100の恋と絶望と、鮮やかなる地獄 ──その一首は「綺麗」なだけじゃない

「和歌って、要するに昔の人のエモいポエムでしょ?」

そう笑う後輩・水瀬の前に、部長は一枚の札を叩きつけた。
第一番、天智天皇。
教科書が教える「農民への慈悲」という綺麗な表書きを剥ぎ取ったとき、そこに現れたのは──明日、人を殺める男が纏う「返り血」の予感だった。

百人一首、全100話完結という狂気の沙汰を経て、作者が辿り着いたさらなる深淵。
かつて100人の歌人が命を削り、喉を焼いて吐き出した言葉たちは、千年経った今もなお、生々しい熱を持って脈打っている。

「白」は、ただの雪の色ではない。それは、亡き夫に捧げる死装束の輝きだ。
「山鳥」は、ただの鳥ではない。それは、永遠に交わらぬ断絶の象徴だ。

これは、競技かるた道場を舞台に、百の言霊を解体し、再構築する物語。
甘い恋心も、目を灼く風景も、そして拭い去れぬ業も。
「綺麗」という言葉で塗りつぶされた和歌の正体を、あなたはまだ、何も知らない。

101首目の夜が、今、始まる。
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