銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹

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「わあっ、外は暑いねぇ」
「ああ、少しでも体調が悪いと思ったらすぐに言えよ?」
「わかった。リアムありがとう」
「ほんとにな…俺はおまえの頼みを断れない」

 僕を抱きかかえて外に出たリアムが、苦笑しながら僕の頬にキスをした。
 部屋の中は魔法で快適な温度に保たれているけど、一歩外に出ると暑い。リアムが日陰を選んで歩くから大丈夫だけど、直接日に当たると肌がチリチリと焼けて痛そうだ。
 僕は日に当たると肌が赤くなって腫れてしまう。だから幼い頃から、ラズールに徹底して日焼けしないように注意されてきた。そのことをリアムに話したこたはないのだけれど、なぜかリアムも僕が日に当たらないように守ってくれる。もしかして、ラズールから聞いていたのかな…。

「リアム、僕のために日陰を選んでいるの?」
「そうだ、フィーは肌が弱いんだろ?」
「うん、そうだけど…どうして知ってるの?」
「…ラズールから聞いた」
「やっぱり!そんな気はしていたんだ。他にも聞いてるの?」
「聞いてる…おまえと暮らすことになって、おまえに関する注意事項を、嫌というほど聞かされた。アイツに言われなくとも俺はフィーに嫌なことや辛い思いはさせない。それなのにアイツときたら…!」
「ごめんね?僕のことを心配しすぎるあまりに言ったことだと思うから。許してあげてね」

 僕はリアムの首を引き寄せてキスをする。それだけでリアムの険しい顔が柔らかくなり甘くなる。リアムの僕に対する態度を見るにつけ、心から大切に想われ愛されてる実感がして嬉しい。

「フィーがそう言うなら許すけど。しかしフィーは肌が白いよな。そこがまたかわいくてたまらん。北に位置するデネス大国の民よりも白いんじゃないか?」
「そうかな…。僕は城にこもってばかりいたから。リアムみたいに日焼けした方がかっこいいな」
「そうか?俺もあまり日焼けしない方なんだが。本当はゼノくらいの色が強そうに見えないか?」
「ううん、リアムが一番強くてかっこいい」
「…くそ…今すぐ抱き潰したい。やらないけど…」
「やらないの?してもいいよ」
「いやいや、さすがに熱で弱ってるフィーを抱けないから。でも治ったらすぐに抱くぞ」
「じゃあ早く治さなきゃ」
「ああ」

 ラズールがこの病にかかった時は、高熱でとても辛そうだった。だけど僕はそこまでひどくはないみたい。食欲はないけど外に出て花を眺めて、リアムと楽しく喋る余裕がある。
 僕はイヴァルでは見たことの無い花の名前を聞いたり見たりして十分に外の空気を吸い、眠くなってきたと訴えて部屋に戻った。
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