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にじゅう
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勇者が入った洞窟の中に放たれている、観察虫を魔王城に取りに行ったエマ様を待ちながら、披露宴に用意されたお肉料理をみんなでいただいていた。
村に来る途中で討伐した、サングリエーー猪を使った料理がたくさん用意されていた。後は野菜とキノコと蜂蜜パウンドケーキ。
「サローナ、兄が焼いた肉が美味いぞ」
「本当、柔らかくて美味しいわ」
ユバの家族が裏方で張り切ってくれたから、結婚式と途中になっちゃったけど披露宴ができた。今度、ラトナと一緒にクッキーを焼いてお礼をしなくちゃね。
会場の中央に現れた魔法陣から、エマ様が披露宴会場に戻ってこられた。
「みんな戻ったわ、ついでにお父様とお爺さまにも報告してきたから」
「ありがとう。それで? 魔王様はなんて言っていたの?」
巨大骨つき肉をかじりながら聞くドラーゴ様。もはやパワフルな、おねぇにしか見えない。隣で負けじとラトナもお肉をかじっていた。
「お父様は「弱い勇者だと」て言って絶句して、お爺さまは「そういうこともあるよな」と笑っていたわ。お2人ともに明日の昼下がりにこちらに戻ってきて、魔王城で会議を開くとおっしゃっていたわ」
「これに関してはしっかり魔王様と話し合わないと、勇者を誤ってスライムちゃんたちが無き者にしちゃうから」
一堂、頷く。
「でもエマ様、ドラーゴ様。勇者ってやられても教会で何度も蘇生しませんか? 女神の祝福とかいうスキルで……」
(女神の祝福? なんてカッコいいスキル!)
「ユバの言う通り、勇者は代々女神の祝福スキルを持っているって、お父様に聞いたことがあるわ」
「でも、その女神の祝福スキルを使用するには、大量のマジックポイントがいるはずよ。スライムちゃんに倒されちゃう勇者だと……ヒットポイントは少ないし、マジックポイントも足らなくて、スキル自体が使用できないんじゃないかしら」
ーーありうる!
「あっ! それもそうね。ドラーゴに言われて段々と不安になってきた。今度、洞窟に勇者が来たら観察虫からスキル鑑定をしましょう」
「鑑定いいわね、勇者ステータスも知れるし、それにステータスが分かれば対策できるものね」
みんなの話し合いの中、私は手を上げた。
「サローナ?」
「あの、どんな勇者だったか気になるので、みんなで観察虫見ませんか? 」
(話を聞いていて、勇者がどういう人か見たかった)
「そうね、どのような勇者か気になるわね。ここで最弱勇者をみんなで見ましょう。ドラーゴ、ダン、テーブルを一つ開けて」
「かしこまりました、エマ様」
「テーブルをスクリーンの代わりにするのね。エマ様、考えたわね。やるぅ~!」
「サローナ、俺たちも手伝おう」
「うん、わかった。ラトナも行こっ」
「はい、お嬢様」
猫たちも集まり、みんなで料理をどかしてテーブルをスクリーンの代わりした。
+
披露宴会場で最弱勇者の上映会が始まる。みんなは面白い映画でも見るかの様に、テーブルの前に各々好きな料理を持って集まった。
「それじゃ、映すわね」
上映会が始まってすぐ観察虫に映っていた人物を見て、私とユバは目を丸くして声を上げた。
「「はぁ、あの人が勇者なんてありえない!!」」
「あら? 2人ともあの最弱勇者のお知り合いなの?」
ドラーゴ様に聞かれて、そうだと頷くしかなかった。
村に来る途中で討伐した、サングリエーー猪を使った料理がたくさん用意されていた。後は野菜とキノコと蜂蜜パウンドケーキ。
「サローナ、兄が焼いた肉が美味いぞ」
「本当、柔らかくて美味しいわ」
ユバの家族が裏方で張り切ってくれたから、結婚式と途中になっちゃったけど披露宴ができた。今度、ラトナと一緒にクッキーを焼いてお礼をしなくちゃね。
会場の中央に現れた魔法陣から、エマ様が披露宴会場に戻ってこられた。
「みんな戻ったわ、ついでにお父様とお爺さまにも報告してきたから」
「ありがとう。それで? 魔王様はなんて言っていたの?」
巨大骨つき肉をかじりながら聞くドラーゴ様。もはやパワフルな、おねぇにしか見えない。隣で負けじとラトナもお肉をかじっていた。
「お父様は「弱い勇者だと」て言って絶句して、お爺さまは「そういうこともあるよな」と笑っていたわ。お2人ともに明日の昼下がりにこちらに戻ってきて、魔王城で会議を開くとおっしゃっていたわ」
「これに関してはしっかり魔王様と話し合わないと、勇者を誤ってスライムちゃんたちが無き者にしちゃうから」
一堂、頷く。
「でもエマ様、ドラーゴ様。勇者ってやられても教会で何度も蘇生しませんか? 女神の祝福とかいうスキルで……」
(女神の祝福? なんてカッコいいスキル!)
「ユバの言う通り、勇者は代々女神の祝福スキルを持っているって、お父様に聞いたことがあるわ」
「でも、その女神の祝福スキルを使用するには、大量のマジックポイントがいるはずよ。スライムちゃんに倒されちゃう勇者だと……ヒットポイントは少ないし、マジックポイントも足らなくて、スキル自体が使用できないんじゃないかしら」
ーーありうる!
「あっ! それもそうね。ドラーゴに言われて段々と不安になってきた。今度、洞窟に勇者が来たら観察虫からスキル鑑定をしましょう」
「鑑定いいわね、勇者ステータスも知れるし、それにステータスが分かれば対策できるものね」
みんなの話し合いの中、私は手を上げた。
「サローナ?」
「あの、どんな勇者だったか気になるので、みんなで観察虫見ませんか? 」
(話を聞いていて、勇者がどういう人か見たかった)
「そうね、どのような勇者か気になるわね。ここで最弱勇者をみんなで見ましょう。ドラーゴ、ダン、テーブルを一つ開けて」
「かしこまりました、エマ様」
「テーブルをスクリーンの代わりにするのね。エマ様、考えたわね。やるぅ~!」
「サローナ、俺たちも手伝おう」
「うん、わかった。ラトナも行こっ」
「はい、お嬢様」
猫たちも集まり、みんなで料理をどかしてテーブルをスクリーンの代わりした。
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披露宴会場で最弱勇者の上映会が始まる。みんなは面白い映画でも見るかの様に、テーブルの前に各々好きな料理を持って集まった。
「それじゃ、映すわね」
上映会が始まってすぐ観察虫に映っていた人物を見て、私とユバは目を丸くして声を上げた。
「「はぁ、あの人が勇者なんてありえない!!」」
「あら? 2人ともあの最弱勇者のお知り合いなの?」
ドラーゴ様に聞かれて、そうだと頷くしかなかった。
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