虐げられた第八王女は冷酷公爵に愛される

ウリ坊

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番外編

初夜 3

 
「んっ…」

 しっとりと重なる唇に差し込まれた舌からワインの味が伝わってくる。アルコール独特の苦味が舌の感触と共に伝わり、クラウディアの思考を次第に酔わせていく。
 舌で舌を舐められ愛撫するように絡めて吸われると、ゾクリとした快楽が這い上がり、隙間から漏れ出した熱い吐息と共に、色を含んだ声が漏れ出していく。

「ふ…ぁ…」

 久方ぶりの触れ合いにクラウディアの身体も熱を増して、触れられる心地良さをじわじわと感じていた。

 唇が離され繋がっていた箇所から、互いの唾液が混じり合った糸が引いている。
 はぁ、はぁと息が上がり、クラウディアはいつになく自分が興奮している事に驚いていた。
 目の前でクラウディアを見つめているジークフリートの瞳がやけに愛しげで、今までにない焦燥のような性急さを覚えた。

「クラウディア…」
 
 一言、名を呼ばれた。

 クラウディアはピクッと身体が高揚していくのを感じる。今までと変わらない筈なのだが、たかだかそれだけで下腹部が疼く。
 何故なのか自分自身にもわからず、クラウディアは困惑した。

 立ったまま腰を引き寄せられ、ジークフリートを見つめた。

「どうした?緊張でもしているのか?」
 
 いつものクラウディアの様子と違う事に気付いたのか、ジークフリートがクラウディアを覗き込んでいる。

「あ…いえ…、お酒にあてられたようで…」

「酒?…そなたは飲んでいないだろう?」

「その、今の…ジークの……」

 口づけで…。
 恥ずかしさにその言葉は飲み込んだ。
 これではまるで、ジークフリートの唇に酔ったとでも言っているようで、クラウディアは頬を染め羞恥に視線を逸らす。

「はっ…、私を挑発しているのか?だとしたら、実に巧妙な手口だ。無垢とは、その辺の手慣れた情婦より恐ろしいな」

 情婦という言葉にクラウディアは嫌な感じを覚えた。あの堅物なジークフリートも、離れていた間にその手の女と関係したのかと疑ってしまう。
 クラウディアの細腰をグッと掴み、再び顎を掴んでジークフリートは自分の方へと向かせた。

「違います…」

 黄緑色の瞳を細めクラウディアを見つめるジークフリートは薄っすら笑っており、顎に当てていた親指でクラウディアの唇を撫でる。

「…ん」

「存分に煽るといい。私を酔わせるのは、そなたしかいない」

「ッ…!」

 熱を込めて見つめられる黄緑色の瞳と腰の砕けそうな言葉に、クラウディアは真っ赤になりながら、また身体が興奮と高揚に震えてくる。

 この人は…、どうしてこんなふうに私の心を揺さぶるの?
 ジークの方が何枚も上手だわ…。

 見る間にクラウディアの緋色の瞳が潤み、上気した頬に高ぶる鼓動。
 そしてまた精悍な顔が近付き唇が重なる。
 
「んっ…、っ……ぁ……」

 荒々しく唇を奪われながら着ていた薄手のガウンの紐が解かれ、出際良く脱がされ床にパサッと落ちた。



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