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後編
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いつも通り何の会話もなく朝食を終えた。部屋に帰ってきてメイドになったジルクと妻2人っきり。その瞬間妻は豹変した。
「はぁ~!!今日もかっこいい!!本当に何をするにも完璧で私なんてまだまだ足りないわ!あの人の横に堂々と立てるように日々努力よ~!!」
感情が表情に出るはずがないのに口を開けてしまった。ジルクの感情が追い付かないままメイドの口は勝手に話し出す。
「もう十分隣に立つ資格があると思いますよ。」
「そうね…。私も立派にクールを演じ切れているかしらっ!今も照れて顔がにやけてしまうから笑えないのだけれど冷たい女だと思われていないか心配だわ…。でも私たちは政略結婚ですものね。私が恋してるなんてジルク様は思ってもいないでしょう」
妻の口から飛び出したものは想像外のものだった。メイドは毎日これを聞いていたとすると神頼みもしたくなるのかもしれない。
ジルクの妻は恋愛においてとても不器用だった。
「なぜそんなに好きなのですか?一体どこに…」この言葉だけは自分の意志が反映され失礼だが聞くことができた。
「なぜかしらね。でもまずは…顔!顔が私のもろタイプだったの!!でもね!性格は仕事一筋って感じで硬いお方に見えるかもしれないけれど裏で努力しているのを私はみたわ!!話す時が少ないけれど、少なくてもいいの…だって私は妻なんだから」
ニコっと満面の笑みで笑う彼女にドキッとした。きっとメイドの身体じゃなければ顔が真っ赤になっていたに違いない。普段と全く違う彼女のギャップに完全にやられたジルク。メイドの部屋に戻りあんな愛らしい人だったのかと頭を抱えているとホノオが接触してきた。
「1日の予定だったがもう十分そうだな…。奥さん大事にしてやれよ」
その言葉でピカッと光り目を開けたら元の身体で机に座っていた。
身体が元に戻ったとわかった瞬間ジルクは妻のもとへ向かう。
「ジルク様!?一体どこへ!」
「エラの所だ。」
今エラが何をしている時間なども全く知らない。表面だけしか見ずに彼女を冷たい人間として決めつけ話し合わなかったのは自分のせい。
どこかに出かける予定なのか外出用の服を着ている。
「エラ!!」
「ジッジルク様…。珍しいですね。私に何か御用でしょうか?」
「今から出かけるのですか?」
「え?えぇ。もうすぐ季節が変わりますのでそのための服を…」
「そうかっ!買い物なのだなっ!では2人で行こう!!」
「なっ///」
いつもクールな表情の彼女にデートのお誘いをすると隠しきれなかった恥ずかしがる妻の表情がちゃんと見れて「あぁ。私の妻はこんなに可愛かったのか…」とジルクは言った。
「貴方の事を長らく勘違いしてしまっていたようです。あなたの話ぜひ聞かせてください。これからはしっかりとエラ自身を見させてもらいます。」
急な展開に周りの従業員たちはガッツポーズ。エラ様の感情にやっと気づいてくださったと喜んだという。
エラは急な誘いに驚き、可愛いと言われ大パニックだったがいわれるがまま2人で街に出かけた。褒める言葉に慣れていないのか困る姿は実に可愛らしい。
ジルクはそっと今まで話してこなかった分、沢山話をしてお互いを尊重しあえるいい夫婦になりたい。とことん愛を囁こうと…そう思ったという。
「あぁ。人を好きになるってこういうことなんだな…。誰だか知らないホノオさん、そしてメイドさん…気づかせてくれてありがとう。これからの人生は薔薇色になる予感がするよ」【完】
「はぁ~!!今日もかっこいい!!本当に何をするにも完璧で私なんてまだまだ足りないわ!あの人の横に堂々と立てるように日々努力よ~!!」
感情が表情に出るはずがないのに口を開けてしまった。ジルクの感情が追い付かないままメイドの口は勝手に話し出す。
「もう十分隣に立つ資格があると思いますよ。」
「そうね…。私も立派にクールを演じ切れているかしらっ!今も照れて顔がにやけてしまうから笑えないのだけれど冷たい女だと思われていないか心配だわ…。でも私たちは政略結婚ですものね。私が恋してるなんてジルク様は思ってもいないでしょう」
妻の口から飛び出したものは想像外のものだった。メイドは毎日これを聞いていたとすると神頼みもしたくなるのかもしれない。
ジルクの妻は恋愛においてとても不器用だった。
「なぜそんなに好きなのですか?一体どこに…」この言葉だけは自分の意志が反映され失礼だが聞くことができた。
「なぜかしらね。でもまずは…顔!顔が私のもろタイプだったの!!でもね!性格は仕事一筋って感じで硬いお方に見えるかもしれないけれど裏で努力しているのを私はみたわ!!話す時が少ないけれど、少なくてもいいの…だって私は妻なんだから」
ニコっと満面の笑みで笑う彼女にドキッとした。きっとメイドの身体じゃなければ顔が真っ赤になっていたに違いない。普段と全く違う彼女のギャップに完全にやられたジルク。メイドの部屋に戻りあんな愛らしい人だったのかと頭を抱えているとホノオが接触してきた。
「1日の予定だったがもう十分そうだな…。奥さん大事にしてやれよ」
その言葉でピカッと光り目を開けたら元の身体で机に座っていた。
身体が元に戻ったとわかった瞬間ジルクは妻のもとへ向かう。
「ジルク様!?一体どこへ!」
「エラの所だ。」
今エラが何をしている時間なども全く知らない。表面だけしか見ずに彼女を冷たい人間として決めつけ話し合わなかったのは自分のせい。
どこかに出かける予定なのか外出用の服を着ている。
「エラ!!」
「ジッジルク様…。珍しいですね。私に何か御用でしょうか?」
「今から出かけるのですか?」
「え?えぇ。もうすぐ季節が変わりますのでそのための服を…」
「そうかっ!買い物なのだなっ!では2人で行こう!!」
「なっ///」
いつもクールな表情の彼女にデートのお誘いをすると隠しきれなかった恥ずかしがる妻の表情がちゃんと見れて「あぁ。私の妻はこんなに可愛かったのか…」とジルクは言った。
「貴方の事を長らく勘違いしてしまっていたようです。あなたの話ぜひ聞かせてください。これからはしっかりとエラ自身を見させてもらいます。」
急な展開に周りの従業員たちはガッツポーズ。エラ様の感情にやっと気づいてくださったと喜んだという。
エラは急な誘いに驚き、可愛いと言われ大パニックだったがいわれるがまま2人で街に出かけた。褒める言葉に慣れていないのか困る姿は実に可愛らしい。
ジルクはそっと今まで話してこなかった分、沢山話をしてお互いを尊重しあえるいい夫婦になりたい。とことん愛を囁こうと…そう思ったという。
「あぁ。人を好きになるってこういうことなんだな…。誰だか知らないホノオさん、そしてメイドさん…気づかせてくれてありがとう。これからの人生は薔薇色になる予感がするよ」【完】
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