婚約者の幼馴染が二十四回目のお詫びに来たので、氷の令嬢は書斎にある人を隠してみました
四年で二十四回。
婚約者ダミアン・アレクサンドル公爵令息は、幼馴染エレーヌの体調を理由に、クロエとの約束を反故にし続けた。
その回数を社交界に律儀に拡散していたのは——エレーヌ自身だった。
「クロエ様は気高い方だから、何も感じていらっしゃらないわ」
いつしかクロエは「氷のような令嬢」と呼ばれていた。
家族のために、次期公爵夫人としての体面のために。一度でも気を抜けば二度と立てなくなる気がして、ただ一人で己を律し続けた四年間。
ある夜会で、令嬢たちが扇の陰で「二十四回目」と数えるのを聞きながら、クロエはようやく決意する。
——もう、終わりにしましょう。
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