血を与えし者の運命


これはまだ、人間界と魔界が自由に行き来を許されていた時のお話。

魔界の住人達は人間を喰い漁り、人間は魔物たちから逃げる日々。

そんな時代に生まれた一人の少女 エーデル。

天使のように愛らしい少女は、どこに行っても男たちの注目の的。

祖母と慎ましく暮らしていたいだけなのに、少女を襲ったのはあろうことか魔物ではなく人間の男だった。

そして、それを救ったのは、白銀色の毛をなびかせた赤い瞳をもつ獣族の長――ヴィレンス。


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