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5話
しおりを挟む「そ、そんなまさか……」
クリスは覚えていないようだった。
「なるほど! つまり私は今まで我慢を強いられ、あなたに尽してきたのに、全て忘れ去られていたんですね!」
「そ、それは……」
クリスが言い訳しようとしているが私は聞き入れない。
クリスが私のしたことを全て忘れていたのは紛れもない事実だ。
「それなのに私に暴言を投げかけ暴力を振るい、売女と罵った、と!」
私は分かりやすくクリスの所業をまとめてあげる。
クリスまさしく人道に反するような所業に、周囲の貴族たちは私に対して同情的な視線を向けている。
それに対して、ついにクリスは自分のしたことを理解したのか、青白い表情になっていた。
真実の愛をかかげ、大義は自分にあると考えていたのだろう。
しかし今更自分のしたことを理解しても、もう遅い。
「ですので、私はもう我慢はしません」
ニッコリと笑い、私はクリスへと質問した。
「だって、婚約破棄するんですから、もう我慢はしなくてもいいですよね?」
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