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新章 私は今、平民の筈でしたよね?~元悪役夫人、ミッションを言い渡される~
意外過ぎる邂逅②
『今何か、すごく失礼な事を考えませんでしたか?』
どうやら何かを察したらしい訝し気な声に、慌てて早口で否定する。
「いいえ、突然の事に驚いてしまいつい思ってしまいました。ご気分を悪くされたら申し訳ありません」
『―――分かればよろしい』
テンプレと言えばいささか悪い意味にもなるだろう。使われるのが“よくある展開”や“使い古されたマンネリ”に遭遇した時だから。
でも作家側から見れば、それは“読者(予定)に興味を持ってもらう為の前段階”である有利な手段だ。よくある前振り、よくある展開というものは人を安心させるから。そこから先は各々の技量にかかる訳だけど。
とまあ、余談になったけど、今したい事は別にある。情報収集だ。
機嫌を直してくれたタイミングを見て、まず問いかける。
「あのご家族は何なのですか?」
前世の世界だろうなと思うけどあんな知り合いいなかったと思う。
心の隅でもしかして、という予想はあるけど断定出来ない。
そんな私に返って来たのはまさしく予想通りの答えだった。
『あれが今のクリスティアだからです』
――――クリスティアが、転生―――?
「クリスティア、転生したんですか!?」
『しばらくは貴女の中にいましたが、ある程度のところで安心したのか、そちらで言うところの輪廻の輪に入って行きました。今は浄化され、ああやって優しい家族の元に生まれています』
「それは―――」
私はこのクリスティアの体に、いつか彼女が戻ると思っていた。
けど、別世界で転生したのなら、クリスティアがこの体に返ってくる事はないという事になる。
事実を受け止められず、ポカーンとしている私に神様は続ける。
『貴女がずっとクリスティアの事を気にしていたので、今の彼女を確認してもらう事にしました。
で、ここからが本題です。……どうかあのディートリヒとやらの依頼を受けてください』
どうやら何かを察したらしい訝し気な声に、慌てて早口で否定する。
「いいえ、突然の事に驚いてしまいつい思ってしまいました。ご気分を悪くされたら申し訳ありません」
『―――分かればよろしい』
テンプレと言えばいささか悪い意味にもなるだろう。使われるのが“よくある展開”や“使い古されたマンネリ”に遭遇した時だから。
でも作家側から見れば、それは“読者(予定)に興味を持ってもらう為の前段階”である有利な手段だ。よくある前振り、よくある展開というものは人を安心させるから。そこから先は各々の技量にかかる訳だけど。
とまあ、余談になったけど、今したい事は別にある。情報収集だ。
機嫌を直してくれたタイミングを見て、まず問いかける。
「あのご家族は何なのですか?」
前世の世界だろうなと思うけどあんな知り合いいなかったと思う。
心の隅でもしかして、という予想はあるけど断定出来ない。
そんな私に返って来たのはまさしく予想通りの答えだった。
『あれが今のクリスティアだからです』
――――クリスティアが、転生―――?
「クリスティア、転生したんですか!?」
『しばらくは貴女の中にいましたが、ある程度のところで安心したのか、そちらで言うところの輪廻の輪に入って行きました。今は浄化され、ああやって優しい家族の元に生まれています』
「それは―――」
私はこのクリスティアの体に、いつか彼女が戻ると思っていた。
けど、別世界で転生したのなら、クリスティアがこの体に返ってくる事はないという事になる。
事実を受け止められず、ポカーンとしている私に神様は続ける。
『貴女がずっとクリスティアの事を気にしていたので、今の彼女を確認してもらう事にしました。
で、ここからが本題です。……どうかあのディートリヒとやらの依頼を受けてください』
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